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こんにちは、ストロング宮迫です。

以前ここ「どうしても一番になれなかった」でも取り上げた小惑星探査機「はやぶさ」は熱狂をもって迎えられたのに、銀河の中心に君臨する巨大ブラックホールの生い立ちに切り込み、また中性子性やブラックホールにおける極限状態での物理法則を探るために大いに期待されたX線天文衛星「ひとみ」ちゃんは、3月にトラブルが起こって機能停止となり、4月にJAXAが正式に復旧を断念しました。

人は失敗を繰り返して成功するんだから、こういうこともあるさって思うのはボクだけで、「ひとみ」ちゃんには300億円ともいわれる費用が投入されていて、それがゆえに厳しい目でも見られ、「なんでトラブルが起こったのか」の調査が行われていました。

それがこのほど発表された【X線天文衛星「ひとみ」の異常に関する小委員会の検証結果】です。

300億円かけたものがどうなったのかが知りたくて、一生懸命頑張って読んでみたんだけど、ボクの知識では残念ながら全体像でさえまるで捉えることができませんでした((+_+))

こういうときって悲しくなるねえ。

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そこで報道されているものを少し読んでみたら、マスコミはおおむね厳しい論調で「ありえないミス」と断罪しているらしい。

たとえば、朝日新聞は「リスクへの配慮お粗末」と見出しをつけ、

・・・ひとみは大きな二つの失敗によって分解した。

一つは、姿勢制御プログラムの設計が不十分だったこと。観測に適した姿勢になるため明るい星を基準に調整する仕組み。だが、明るい星をうまく見つけられず正しく動かなかった。

設計段階ではこのような場合、地上操作で姿勢を直すはずだった。ところがJAXA内で地上操作の必要性が現場に引き継がれず、具体的な手順もないまま打ち上げられた。その結果、ひとみは異常回転を始めてしまう。

二つ目の失敗は、打ち上げ後の人為ミス。

2月、異常があった場合に自動で姿勢を整える「セーフホールドモード」で使う噴射の設定値を実際のひとみの状態に合わせて変更した。この際、JAXAに協力するNECの担当者が、プラスにすべき設定値をマイナスで入力。異常回転を加速させてしまった。

担当者が使ったのは開発用のプログラムでマニュアルもなかった。

JAXAは、ミスが起きやすい環境を把握せずに作業を進めていた。「リスクに対する配慮が不足していた」とJAXAは説明する。

ログイン前の続きJAXAでは他の衛星でも人為ミスが起きたばかりだ。2月、金星探査機「あかつき」の姿勢を誤認したまま指示を送信。1日以上にわたり地上との通信が途絶えた。

実際の作業をNECが担当し、JAXAが誤りに気づかなかった点でひとみと同じだ・・・・

「ひとみ」ちゃんになにが起こったのかは、少しだけですが理解できますね。

でもね、失敗するときってさ、どんなプロジェクトでもたいていは「リスクに対する配慮が不足」してるんですよね。

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やるべきことをやっていなかったり、やったけど間違ったことをしているから、「異常回転」をする。

ですよね?

子供に対してだって、やるべきことをやらなかったり、言うべきことを言わなかったりすれば、いくつかの蓄積の上で「異常回転」するし、心や気持ちが安定しないのに勉強の話ばっかりするような、つまり間違ったことをし続ければ、やっぱりいくつかの蓄積を経たうえで「異常回転」は加速し始める。

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機械やコンピューターは、設計した通り、指示した通りに正しいか間違っているかは考えないでその通り動く。もし設計不良だったら不良がそのまま出て動かくなっちゃう。

だから、そういう意味では機械やコンピューターは、結果を見れば、自分たちがやったことが正しかったかどうかがすぐによくわかるってことなんじゃないか。

フィードバックも事実に目を向ける勇気と決断さえあれば、できるし、次にすぐ生かせる。

でもね、子供って機械やコンピューターと違うでしょ。

なにが違うって、親が設計した通り、指示した通りに動かしても、設計や指示通りには動かないことがあるんですよ。

おもしろいのは、この現象は、親が正しいことを行ったときにはあまり起こらないんだな。正しいことをすれば、子供はおおむね正しい方向に動くから。

問題は、親が間違ってるときね。

「これくらいできるだろう」という見積もりが甘い設計のミス、「自分のことだからやる気を出して当然」という子供、というよりは人の気持ちを無視した「やる気をなくす」指示の連発なんて日常茶飯事だ。

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やらせるレベルは高すぎて、やらせる量も多すぎて親が大いに間違っている場合、まずは成績低下という結果で数値に表れるんだけど、自分がやらせていることは振り返らないで、子供の根性ややる気の問題に無意識のうちに話をすり替えて、もっと難しいものを、もっとたくさんやらせたりするから、「異常回転」はどんどん進む。

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どんどん進むはずなんだけど・・・

親が子供にやらせているこことの無茶苦茶さに比べたら、子供に出る現象ってそれほど無茶苦茶に出ないんだな。

成績は低下しないで現状維持で保てていたりするし、親にそれほど敵愾心をむき出しにすることもなかったりする。

なんでか?

そりゃあ、子供が親の無茶苦茶を受け止めて、時に逃がし、スルーしてやり過ごしてくれるから。

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親がやっている無茶苦茶な無理難題を考えれば、子供はとっくにグレててもおかしくないんだけど、子供自身が踏ん張って頑張って受け止めてくれているから、成績の少しの低下や現状維持でまだなんとかなって「異常回転」までは始まっていないっていうわけです。

これが親技でいう「親は子供に救われている」って話です。

でもね、子供にも限界があるんですよ。

もうこれ以上「あなたの無茶苦茶な設計や指示には従えません」という限界値がある。

これは個人差があるのでさらに話がややこしくなって、すぐに限界になる子供もいれば、トコトン親の無茶苦茶な設計や指示を受け入れる子供もいる。

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また宇宙のプロジェクトなんかだったら、今回のように結果も含めてトコトン第三者の目を入れて検証されることになるんですよ。

でも家庭内の親の所業っていうのは親が自分で検証しない限り、厳しい第三者の目に触れないことも多い

加えて、無茶な設計や指示を親が出す割には、管理は甘く、検証もしない、それゆえに子供たちには逃げ道が用意されて、なんとか子供も助かっているというなんとも複雑なような、単純なような、どうしようもない話も日常茶飯事で、これが結果も含めて厳しい第三者の目に触れ始めると、「おたくはなにやってるんですか?」って激しくたたかれることになる。

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子供の教育に関することで親がブログなどでなにか書いて炎上するなんていう事例は、その内容が正しいか間違っているか、好きか嫌いかはさておき、ブログで不特定多数の人の目に触れるってことがすなわち第三者の目に触れることで誘発されるんだとボクは思っています。

ただね、いずれ子供は壊れる。

間違ったことをし続ければ、必ず現象としてどこかに出て、必ず「異常回転」を始めるようになる。

成績、態度、服装、字、ノート、髪型、言葉遣い、友人関係、先生に対するもろもろのこと….etc

「異常回転」は突然始まるのではなく、始まるときは必ず前兆が出る。ある日起きたら異常回転してた!なんてことはない。絶対にない。

この前、中2の方からこんな相談があった。

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お子さんの勉強するときの様子や親子で勉強するときの様子を教えてください:

だんだん塾にも行きたくなくなり、4月より塾から家庭教師に変えました。

今年に入って毎日の宿題もしなくなってしまい、学校に提出しなければいけない毎日の自主勉強も簡単なプリントを張り付けるだけになってしまいました。

また約束事も守ろうとはしません。友達の影響も大きく「勉強をしなくても入れる高校に一緒に入る」というようなことを言うようにもなってしまいました。

先日も信頼していた担任の先生に怒られ、なんで私だけということで先生を信用できなくなってしまったようです。

そんな事もあってますます生活が荒れてきてしまったように思います。

この様な事で悩んでいるのですが、『10の鉄則』参考にさせて頂ける様でしょうか?

ボクはこう返信しました。

だんだん塾にも行きたくなくなり
今年に入って毎日の宿題もしなくなって
約束事も守ろうとはしません

こうしたことなどから、すでにお気づきのように、なにかがお子さんに起こっているように思えます。「友達の影響」なのか、異性の問題なのか、学校で嫌なことが頻発しているのか、わかりませんが、なにかが起こって上記のような現象が出ていると思います。

現象が出てすでに幾分かの時間も経過しているようにメールでは見えますので、「勉強をしっかりやらせたい」と希望するなら、その「なにか」を把握するのが優先になります。

把握するためにはお子さんと話し合わねばならない。

勉強がどうのこうのを抜きにして、なにで困っているのか、なにが起こっているのか、子供がどう思っているのかを知らねばなりません。

ご自身の力では限界があるようなら、学校の先生にもこっそり相談されて、なにゆえ上記のようなことが起こり始めたのか、心当たりを聞いてみる。

学校の担任の先生は怒られたことで以前ほどお子さんは信用できなくなっているようですし、問題の解決もしてくれないけれど、担任の先生は、なにがしかの心当たりや原因と思われる情報は持っている可能性が高いです。

それらを端緒に「お子さんになにが起こったのか」を探るのが先決で、勉強はそのあとであり、勉強をどのようにさせるのかを考えるヒントになる親技の「10の鉄則」などはさらにそのあとになります。

「生活が荒れてきてしまっ」てから勉強の話をすると話がこじれます。

なので勉強の話のずっと前になんで生活が荒れてきたのか、その原因を仮説でもいいからまず探る。

反抗的であったとしても、なにがしか困っている、悩んでいることがあるのではないでしょうかね。

子供はそれをうまく言語化できませんが、それを親が掬ってやる気持ちで話をしてあげるのがまずは一番ですね。

こちらの週刊親技その「あと一歩」は果てしなく遠いも読んで参考にしてください。

「勉強をする、させる」って話は、全員が同じ土俵でする話じゃないんです。

それぞれステージがあるから。

「勉強が少し大変みたいね。頑張っているみたいだけど、大変なら少しなにか手伝おうか。手伝えることがあったら聞かせて」

って親が言って

「うるせえーババア」

ってなっている状態で、「どうやって成績を上げる勉強のやり方をしようか」って考えてみても仕方がない。

「ちょっと宿題が多くて終わらなくて困ってるんだよね」って子供が答えてくれて初めて話が始まるんだから。言わないなら探るしかない。

勉強の話が始まる前段階に親子がいる場合は、まずは「なぜ手助けしようかっていうのにうるせえーババア」って答えるのかな? そこから考え始めなくちゃならない。

それを親が考えたくないってなれば、運よく誰か良い方向に導いてくれる人に出会わなければ、子供は「異常回転」を始める。

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だから、この方には先生の手を借りてでも、子供になにがこれまでに起こったのかを探る努力をする方が先決だと申し上げました。

子供が勉強を頑張るっていうのは、そんなにカンタンなことじゃないんですよ。

大人はみんな「私が今子供だったらものすごく勉強するんだけど・・・」って平気な顔をしてサラッというけれど、あなたは子供の頃、そのことが理解できずに、やるべき時に頑張らなかった、頑張れなかったんですよ。

自分ができなかったことを子供にやらせるには、どれだけ大変かを考えればわかるでしょ。

なぜ今自分が子供だったら「できる」と思い、なぜあの時「できなかったのか」を考えて、その答えを持ってなくちゃならない。

「将来困るから」って・・・

その程度の答えは3秒で考えつくんですよ。サルでも思いつけるんですよ。

そうじゃなくて、もっともっと自分が子供の頃にどう思ってて、なにが起こっていたのかを考えてみてほしいんです。

「勉強できなかった、しなかった」理由があるはずなんですよ。

それはなんですか?

その答えは、あなたのお子さんも同じ問題を抱えているんですよ。同種の問題を抱えて悩んで、勉強が進まない。

成績が上位の子供も下位の子供たちも「勉強はしたくない」のは同じなんです。

今の子供たちだけじゃなく、あなたもそうだったはずなんです。

で、成績が下位の子供たちは、したくない勉強を「しない」んですよ。

できないって問題でもあるけれど、しない。だから成績が下位のままなんですよ。

だったら「3ページのうち、1ページだけやらない?」って誘う必要がある。

一人じゃしないから。伴走することでキッカケをもたらし、その上で「3ページのうち1ページでいいから」と魅力的な誘いをかける。

勉強は全然魅力的じゃないんだけれど、「1ページでイイよ」っていうことでちょび魅力的に見せる。

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1ページやったら、それがうまくできたら、親はすぐ欲出して2ページ目をなんとか巧みに誘ってやらせようとするんです。

それはアホですねっていってるんです。

日々の生活も勉強も、明日も明後日も明々後日もあるんだから、ボチボチ牛のように少しずつジワジワ押せばいいのに、ちょっとうまくいったらすぐ欲を出しちゃう

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もしそこで親が欲を出すんなら、「2ページ目へ」じゃなく、1回やってできた1ページ目を「もうできるんだから、今度はもっと速くできるかも。もう1回やらない?」が正しい

できそうで、やってみたらできた、そのやってみせたものを後押しするだけなんです。

「ほら、できたよ」って言うだけ。

大事なのはたとえ1ページでも「できた」という実績なんです。

親は「あなたはやればできるよ、きっとできるよ」って浮ついた言葉でいうんじゃなくて、実際にやらせて「ほらできたじゃん、すごいじゃん」ってやらせて実証みせないと、次のやる気は出てこない。

成績が上位の子供も下位の子供たちと一緒で「勉強はしたくない」のは同じなんだけど、彼ら彼女らは「やる」んですよ。

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ただね、やるんだけど、取り掛かりが遅いの。

やるべきことも、やらなくちゃって思っていることもあるんだけど、机に座って「さあ、やるか!」って行くまでに時間がかかるんだ。

机に座って勉強をやり始めると、勉強は進むんですよ。でもね、やり始め、スタートがなかなか切れない。机に座っても、最初の一行目が書けない。これが成績が上位の子供の典型的な問題点なんです。

だからさ、たとえば

「さあ9時ですよ!イヤ~な時間がやってまいりましたね。私も見たいテレビがあるけれど、そばに座って本を読むことにします。付き合いますよ。最初のヨイショを一緒にやろうよ。やり始めたらできるんだし。早めにやれば早く終わるし。この前100円ショップでゴングもどき買ってきたので、このゴングを鳴らしたらお互いに始めますよ。カ~ン」

って鳴らせばイイ。

成績上位者は、一番最初の部分の背中を押してやる。

成績が上位でも、やるべきことがわかっていなくて、やらなくちゃって思っていることもないなら、親はそばで本を読んでいる場合じゃないけれど、やるべきことがわかっている成績が上位の子供は、成績が上位でも「最初のスタートを切らせるところ」を手伝ってやるとスムーズに行きやすい

「早めに勉強を始めて、サッサと終わらせて、あとは自由にすればイイ」は正しいし、真実なんだけど、わかっててもできないの!

それは親も、大人になっても「わかるはず」なんだ。

わかっているなら、手伝ってやれ!と。

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自分で失敗したことを子供に繰り返してほしくないなら、自分が失敗したことをしっかり考えて、深く掘り下げて考えて、「正しいこと」を子供に言うのではなく「自分がそうだった・できなかった気持ち」を思い出して、その自分ができなかった部分を少しだけ手助けしてやれってことです。

大人はみんな「私が今子供だったらものすごく勉強するんだけど・・・」絶対にしないし、できないはずなんだ。

中学入試の子供たちは「学校・塾・家庭学習・毎週テスト・毎月テスト」だし、高校入試の子供たちだって「学校・部活・部活の試合・塾・家庭学習・定期テスト・塾のテスト」ってある。

毎日毎日恐ろしく単調で、規則正しく夜が明けたら1日が始まって、やることは多くて、結果も問われて、3年か6年に1回かは「オリンピック」があってその度に白黒がつくんですよ。

めし食わせてもらって、働かないからラクだろって!?

とんでもないですよ!

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特に勉強を頑張っている連中のその単調さは、すごく苦痛で大変で、始終「なんでこんな勉強を一生懸命やってるの?」って疑問が湧き、それについて的確に答えてくれる人は周りにいなくて、

「疑問→勉強→試験→結果→一喜一憂→疑問→勉強・・・・」

の単調なサイクルをグルグルグルグル回してる。よく頑張ってるよ!

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親や大人が日々やっているその気が狂いそうな単調な毎日を、「子供が勉強を頑張る」ということは、あなたが大人になってからやってきた生活を小さい頃から末永くずっとやるってことなんだ。

親のあなたは頑張ってそれをやって30年かもしれないけれど、小学4年から子供がそれをやれば、あなたよりもプラス10年は余計にやるってことなんですよ。

その単調な日々に意味を持たせ、進んでいくためには考えなきゃ仕方がない。

考えなきゃ、いつか親のあなたが達した結論のように「学校の勉強なんて意味ないよね」ってなるし、「意味のないことにこんなに時間をかける意味ある?」ってなるのは必然だ。

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この前、高3の次男坊がふと「オレ、なんでこんな物理をやってるんだろ?」ってつぶやいた。

高1の娘は「宿題が終わらない」って嫁に愚痴をこぼしたそうな。

高校生活3年間で合計で15分しかしなかった、勉強から逃げてばかりだったクソッタレのボクの子供はボクよりも100倍は頑張ってる!!

まあ、比べる対象が「3年間で合計で15分」のボクだから、すぐ100倍とか1000倍になっちゃうんだけど、それでもボクが逃げた勉強には、ボクよりは向き合ってる。

すごいぞ!お前らですわ。

(注)ここの「すごいぞ!」は他の連中と比較しても「すごいぞ!」じゃ、もちろんないですよ。ロクデナシのボクより「すごい!」ってことでさ

ボクは言ったんです

「ええか、今やっている勉強に意味なんてないんだよ。だから意味を求めるな。

これから先60年生きても今頭に入れたことは一切使わないことだらけなんだ。

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でもね、なにが無駄で、なにが無駄じゃないかは誰も判定できないんだよ。

努力できたことも努力できなかったことも全部必要なものなんだ、たぶん。

じゃあなんで今勉強を頑張るのか?

それはさ、どうやって目の前に出された課題を自分が処理できるかってことを試してるだよ。

いかなる課題であってもイイんだよ、ただ目の前に出てきた課題を自分はどう考えて、どう乗り切るか。その練習なんだよ。

うまくできても、できなくても、いいんだよ。全部意味があるの。

うまくいったものは、そのあともうまく処理できるように、できれば時間をかけずに処理できるように楽な方法を考えてやればイイ。

うまく処理できなかったり、つい逃げてしまったものは、どうして逃げたのか、なんとかごまかしてでもできなかったのか、なんでできなかったかを考えて、次は前よりももっとうまく処理しようってすればいいだけなんだよ。

その積み重ね。その積み重ねをできるかどうかが人生なんだ。

だから、今していることの意味を考え始めたら、必ずすべては意味がない、バカらしく思えるものになる。

うまくできたことも、できなかったことも、すべて意味があるから、目の前の課題をどう料理してやろうかって考えな。」

このあと自分がうまくできた数少ないことと、うまくできなかった数多くのこと、逃げたこと、なぜ逃げたのか、逃げたことでなにが自分の人生で待っていたのかなどを話し、それらがボクの今までの人生にトータルでどういう影響を与えたかを自分なりに分析したことを話しました。

勝ちに意味あり、負けに価値あり

これはボクの考えであり、合っているのか間違っているのかは関係ない。ボクが経験してきたことを、子供たちにボクよりも少しだけうまく乗り越えていってほしいだけだから。

あなたはあなたの考えることを、経験してきてわかったことを子供に言えばイイ。

最初に書いたX線天文衛星「ひとみ」ちゃんのトラブルに関する報告書について、いろいろと見てみると評価している方がいらっしゃる。

その中でこんな記述があるんです。

松浦晋也『かなり”攻めている”「ひとみ」事故報告書』

X線天文衛星「ひとみ」の「異常事象調査報告書」・・・一言で言って、日本では珍しい、かなり”攻めた”内容の中間報告である。


今回の中間報告が示す「なぜ」の連鎖は、かなり衝撃的だ。

まず、なぜデータが間違っていたか。

間違ったデータを送信していたからだった。

では、なぜデータを間違ったか。

作成したデータをシミュレーターで確認していなかったためだった。

なぜ、シミュレーターによる確認が行われなかったか。

担当作業者がその必要性を認識していなかったためだった。

なぜ必要性が認識されていなかったか。

そもそもひとみの姿勢制御に関するデータを打ち上げ後に書き換えること自体が、その重要性も含めて関係者に周知徹底されていなかったのである。

打ち上げ前に作成する「運用計画を規定する文書」にも、書き換えが明確に記述されていなかった。

姿勢制御に関するデータの書き換えというのは、衛星にとってかなりのおおごとであり、間違えれば姿勢を維持できなくなる。

本来なら、関係者に全員周知徹底したうえで、万が一にも間違いが起きないように体制を組んで行うべきものだ。

あるいは、予め打ち上げの前に、打ち上げ後のデータもひとみに搭載するコンピューターに書き込んで、軌道上で切り替えるようにしておいて、地上からの操作は調整に留めるべきだった。

「ひとみ」ちゃんだけじゃないよ、「なぜ?」が大事なのは。

子供にとっても大事、親にとっても大事な問いだ。

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なぜ子供はそう言ったのか?

なぜ子供はそうしたのか?

なぜ子供にやる気がないのか?

なぜ子供は勉強をしないのか?

なぜ子供は私の指示を待っているのか?

なぜなぜなぜ?

「なぜ?」って自らに問えば、わからなければ先生や子供をよく知る子供に手伝ってもらってでも問えば、必ず犯したミスに気付く

気づかなくても、「こうじゃないのか?」って想像できる。それが親には大事なんです。

子供の問題は、「ひとみ」ちゃんのトラブルみたいにきれいサッパリには答えは出ないかもしれないけれど、それでも必ず仮説には行き着く。

うまく体の中のことなので表現できない、言語化できない子供には、この親の「なぜ?」と自らに問う過程がどうしても必要です。

想像したり、こうかな?って予想したりする必要がある。

大人である親のほうが「わかってよ、私の気持ち」って言っててどうするんですか?

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そう思っているうちは子供にはわからない。でも、想像して「こうかな?」って思い、それを子供にぶつけ始めると、「お母さんの気持ちわかるよ」っていう反応も出てくる。

求めているうちには出てこない反応が、与えると出てくるんだ。不思議だけど、これは仕方がない。

もし、あなたが「私が今子供だったらものすごく勉強するんだけど・・・」と思っているなら、なんで自分は「子供の頃はそれができなかったんだろうか?」について考えて、その答えがないといけない

答えがないのに子供にそう言えば、あなたが子供だった頃、それに反発したようにあなたの子供も反発するだろう。

人はね、タイムループして「もう1回やり直したい」ってすぐ思うけれど、同じことをやって次はもっとうまく処理できるなんて、そんなカンタンにはいかないんですよ。

そのことを示してくれている映画がトム・クルーズ主演のSFアクション映画『オール・ユー・ニード・イズ・キル』だ。

ボクはこの映画、物語にはそれほど興味が湧かないんだけれど、「タイムループしてもう1回やり直す」そこの捉え方についてはおもしろいって思ってる。

「もう1回やり直したい症候群」の方で、まだ見ていない方はぜひ見てみてほしい。

同じことをもう2回も3回もなんて「やってられんわ~」って、たぶん思うと思うからさ。

「死ぬときは死ぬがよろしく候」だし、「失敗する時は失敗するのがよろしく候」なんだということが実感できる映画です。ぜひお子さんにも見せられるなら見せてあげてほしいね。

映画を見たら「私が今子供だったらものすごく勉強するんだけど・・・」はもう思わなくなるかも・・・です。

いかなる問題が起こるときも、問題が起きるときっていうのは、いつだって「リスクへの配慮お粗末」なときです。そう書いた朝日新聞だってすべての不祥事は「リスクへの配慮お粗末」なときだったんだからさ。

他人事じゃないんですよ。

でもね、もし仮にもう1回タイムループして「子供の頃の勉強」や「入試」のやり直しが出たとしても、根本が変わっていないと、そのあとはだいたい似たような結末になるの。

だからね、「もう1回やり直し」っていうよりはお粗末で失敗したことをよくよく考えて、次の新しい場面でどう生かすかって考えたほうがいいんですよ。

次で生かせれば、失敗も意味が出る。人間の味も出るってもんです。

ただ人は何度も何度も短期間に似たような過ちを繰り返してしまう・・・

本当に愚か者なんですよ。自分を考えたら、バッカじゃないのって思うもの。いつもやってる、同じ間違いを。

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本人がその失敗を過去と同じ間違いと認識していないって言う問題もここで起こる。自分は同じ失敗をしていないつもりでも、他人から見れば、同じ失敗をずーーーーと繰り返している事例は、受験や入試では日常茶飯事なんですよ。

自分じゃわからないけれど、他人が見たらすぐわかる「またやったのかよ!」ってさ。

あなたの子供時代のこと、その時の気持ち、もう1回よく考えてから子供になにかを言ってくださいね。

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うれしい報告

[30点UP] メンバーさんからの報告

中2 ブルーさん

お世話になっております。

いけどん法の実践で、中間テストの数学が、1年の学年末に比べて32点(51点→83点)上がりました!

ありがとうございます!

比較元が学年末テストなので32点上がったと言ってもやや甘めだと思いますが、それでも80点台をとれたことは本人の自信回復につながっているようです。

中間テストの4日後に塾の定期テストがあったのですが、これも83点で、前回の60点から23点も上がりました。このテストでは、A問題はほとんど正解しており(ひとつ△)、そのことを本人も喜んでいました。

できる問題で落とさないということが実践できたのだと思います。

ここまできて思うことは、少なくとも中学生までの勉強は量ではないということです。なにをやるか、この取捨選択がいかに大切かといま感じています。

やるべきことが見えていれば、部活で疲れて眠そうなので、今日はここまで明日はこれこれ、と言ってあげることができます。イライラしなくて済みますし、子供も安心して取り組んでいたように思います。

中間テスト準備までは、30点あげよう会の教えをできるだけ忠実に実行するようにしていました。やっといままでとはまったく違う感覚で子供の勉強に向かっていると感じます。

次のテストは6月末です。今日から2週間前に入りました。さらに成績をあげていけるよう、続けて行きたいと思います。

ありがとうございました。

うん、学年末よりも1学期のテストのほうが難易度はカンタンだ。

でもね、1年後にその学年末テストはまたやってくる。その時にリベンジをしたらイイ。

そのリベンジをしていくときにまずはこの初めてのテストをやっつけるのが大事で、それを見事やってのけた!すばらしい。

お子さんもよく頑張りましたね。

塾のテストでも結果が出ているってことは今回の単元は「よくわかっている」となるでしょう。

今度は今できている単元の応用も出てくるだろう。でもやることは一緒!そう、できる問題をきっちりやっつける!こと。

次は、たぶん今回よりも少し難易度が上がるテストにはなるけれど、やり方は変わらない!頑張って!

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