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こんにちは、ストロング宮迫です。

GW明け早々、あらゆる想像力を無限に膨らませてくれるニュースを見ました。

時事通信 5月9日

米アメリカン航空系の地域航空会社アメリカン・イーグルの機中で、メモ張に数式を書き込んでいた経済学者が他の乗客に「テロリスト」と誤解され、取り調べを受けたことが分かった。

アメリカン航空の広報担当者が8日、AFP通信に語った。

取り調べを受けたのは、ペンシルベニア大の理論マクロ経済学者でイタリア人のグイド・メンツィオ氏で、講演のためニューヨーク州シラキュース行きの便に乗り込んだ。

隣の席に乗り合わせ、体調不良を理由に飛行機を降りた女性客が、同氏の「振る舞いが怪しい」と申し立てたという。

女性客が「謎めいた暗号」と思ったメモの正体は微分方程式。

アメリカン航空の担当者によれば、操縦士は直ちに「女性客の勘違い」と理解し、航空機は約1時間遅れで出発したという。

「微分方程式を謎めいた暗号と勘違いした女性客」はテロリストに自分が乗る飛行機を落とされたんではたまらん!となったのか。

ボクの妄想は膨らむ・・・

「お客さん、あれはですね、暗号なんかではなく微分方程式だったんですよ、フフフ」

「何が可笑しいの? そんなはずはないわよ(-_-#) わけのわからない記号のようなものを座席に座った途端書きなぐってたんだから」

「ええ、ええ、確かにお書きになっていたそうですね。あの方は大学の先生でしてね、なんでも経済学者だそうで」

「書いていたのはそのなに、微妙方程式?」

「ええ、ええ、微分方程式ですね」

「何が可笑しいの? 失礼じゃない。あいつは飛行機に乗った時からブツブツなにかつぶやいていたし、考えてみれば最初から挙動不審だったし。試しに挨拶したら、話しかけるなって感じで、にらみつけてきたんですよ」

「なんでもニューヨークに学会の講演旅行に行かれるのだそうで、ちょうど講演で発表するのにいいアイデアを思いついたようで、忘れないうちに書きつけていたそうでございます、ええ、ええ」

「不愉快だわ。あいつは降してくれるんでしょうね?」

「ええ、ええ、ご気分を害されたのは私のほうからお詫び申し上げます。ですが我が社では飛行機で微分方程式を書き殴っていても特に航空法に反した行為とはなりませんので、ええ、ええ」

「じゃあ、なに? あの気持ちの悪いブツブツつぶやく数学野郎の隣で微妙方程式を横で見ながらこのままニューヨークに行けと、そうおっしゃるの?」

「あの先生にこの飛行機から降りていただく理由はないのでございますよ、ええ、ええ」

「私は私の良心に基づいて国民の義務を果たすべく、不審な輩についてお知らせしたわけだけど」

「お客さま、機内で大声を上げたり、暴言を吐いたり、ええ、ええ、この場合は妄言に該当すると思いますが、それらが確認された場合は航空保安法違反の疑いがあるとしてですね、ええ、ええ」

「あのイタリア野郎を下してくれるのね?」

「ええ、ええ、ですから、降りるのは、てめぇーなんだよ」

……とかなんとかね。

このイタリア人の先生の講演の冒頭はもちろんこの話題からで「つかみはOK」で、誤解された「謎めいた暗号」の微分方程式を肴に大いに盛り上がったとさ。

ボクは朝からここに書いた分の7倍は妄想と想像を膨らませて、このイタリアの学者の顔も、「降りた」じゃなくきっと降ろされたに違いない女性客の顔も、対応した職員の顔も鮮明にイメージしながら大いに楽しませていただきました。

この種の問題は毎日世界のどこかで始終起こっているもののうちの1つですが、世界の反イスラムの問題も、日本におけるモンスターペアレンツの問題も親子の問題も社会の相互不信の問題も、すべては今回の「謎めいた暗号事件」に凝縮されて出ていると思います。

今回の飛行機事件は、登場人物が少なかったし、暗号もあっさり微分方程式と明らかになったので「サラ・ペイリン」は退場して収まった。

ですが、もし微分方程式と誰もわからず、確かに「謎めいた暗号」だとなっていたとしたらどうでしょうか。

特に答えが明快でない問題にぶち当たった時、「謎めいた暗号だ」「いや、これは微分方程式だ」の議論は永遠に続き、最後はズドンって結末になるんじゃないか。

毎日新聞 5月8日

東京都台東区のマンションの一室で今年2月、この部屋に住む女性(当時41歳)が首を絞められて殺害された事件で、警視庁捜査1課は8日、高校1年の長女(15)を殺人容疑で逮捕した。調べに対して黙秘しているという。

逮捕容疑は2月26日ごろ、当時中学3年だった長女は、ソファで寝ていた母親の首をタオルのようなもので絞めて殺害したとしている。

・・・長女は両親との3人暮らし。父親は26日午後8時50分ごろ自宅にいた母親と電話で話をしたが、この日は仕事のため帰宅せず、27日も事件発覚まで自宅に戻っていなかった。

なにがあったのかはわからない。

でもね、「ソファで寝ていた母親の首をタオルのようなもので絞めて殺害した」というようなことは、昨日起こった出来事が原因では起こらない、とボクは思う。

ロバート・リーヴズ著『疑り屋のトマス』より

人が殺人を犯すにいたる理由が何であれ、微妙なものではないことは確かだ。

誰もがそうだが、わたしは馬鹿馬鹿しくて話にならないようなことがきっかけで殺人が起こることは(女房が塩気のないピーナツを買ってきたというので殴り殺した夫がいれば、お気にいりのテレビ番組のヒロインを笑い物にしたというので恋人を刺殺した女がいる)いろいろな記事で読んでいる。

しかし、そのような事件を引き起こすもとになった心のなかの激しい怒りには、微妙なところなどひとつもない。

憤怒はつねにそこにあり、自身の力をよく知らないまま満足しきっている怪物のように、平凡な日常生活の下に潜んでいる。

遅かれ早かれ、知らずしらずの挑発を受けて怪物は解き放たれる。

そのときには10ドルのステーキ・ナイフを肋骨のあいだに突きたてられて誰かが床に倒れることになり、刺すほうも刺されるほうも憤怒の激しさに仰天するのだ。

ささいなことがきっかけで事件は起こるけれど「そのような事件を引き起こすもとになった心のなかの激しい怒りには、微妙なところなどひとつもない」ものなんだと思います。

産経新聞には

・・・近所の住民らによると、長女は千葉県内の私立小学校に通い、ピアノや水泳を習っていた。系列の中学には進学せず、受験をして都内の私立中学に入学した。

中学時代の同級生らは、長女について「教室の黒板に1人で絵を描いていた。友達と一緒にいるタイプじゃない」「親しい人がいるかもよくわからない」などと話していた。

・・・捜査関係者によると、長女は学業の方針などのほか、普段の持ち物などについても母親に干渉され、不満を漏らしていた。

きっとお母さんは子供に殺されるなんて夢にも思っていなかったに違いない。

子供に不満はあるよ。親にだって不満はある。みんな不満だらけだ。

「友達と一緒にいるタイプじゃない」「親しい人がいるかもよくわからない」なんかは、ズバリ当てはまる子も多いだろうし、ウチの子だって当てはまる。

じゃあ、ボクがソファで寝てたらこっそり首を絞められてしまうのか。そんなことは夢にも思えない。このお母さんも、そう思っていて、子供に首を絞められて亡くなったんでしょう。

それでもやっぱりこうした事件で子供を責めるのは、どうしてもボクはできない。躊躇してしまう。

家族に心配や迷惑をかけまいと自分一人で背負うと自死するか誰かに殺されて、溜まった衝動を自分が表現すると人を殺めてしまう。

もうちょっと、そこまでいくまでに、その前になんとか中和したりできないものか。

それは一人じゃできないというのが今のところのボクの結論です。

中和は誰かとしないと。

それは友達でもいいし、先生でもいいけれど、うまく都合よく見つからないかもしれないから、その誰かはまずは親であってほしいというのがボクの願いです。

親は保険みたいなもんですから。

ボクら親は子供と向き合って不満をぶつけあいながら、ともに成長していかないといけない。子供だけが成長するんじゃないですよ。

親も一緒に成長するんだ。

一生懸命やっても、正解にたどり着けないかもしれないし、うまくいかないこともあるだろう。

子供は毎年成長して大きくなるが、親は毎年、年老いていき価値観は固定されつつあり、変化に対応できず、子供と真摯に向き合う気力が年々衰えていく。

それでもともになんとか手を取り合いながら、励ましあいながら、不満を言い合い、欠点を直しながら、行くしかないじゃないか。

子供と話すと「こんなふうに感じているのか」「こんなふうに思っているのか」とときに驚かせられ、揺さぶられ、学ばされ、親自身が変化していく。

それはある意味では「当たり前」をもう1回認識しなおすってことです。

「そりゃあ怒ってばっかりじゃイヤよね」とか「もっと具体的に言わないとわかんないよね」とかいう「当たり前」の再確認を親が子供でする。

でもそれは真摯に向き合い、子供の声に耳を傾けたときだけできる。

ソファで寝ていた親の首をタオルのようなもので絞めて亡くなるまではずいぶんと時間がかかるだろう。途中でタオルを緩めるって選択の可能性はあったんだろうけど、彼女は緩めなかった。

もう1回引用しておきます!!

『疑り屋のトマス』

そのような事件を引き起こすもとになった心のなかの激しい怒りには、微妙なところなどひとつもない。

憤怒はつねにそこにあり、自身の力をよく知らないまま満足しきっている怪物のように、平凡な日常生活の下に潜んでいる。

遅かれ早かれ、知らずしらずの挑発を受けて怪物は解き放たれる。

「怪物」が解き放たれないようにするためには、「話さ」なければならない。

あなたが一方的に「話す」のではなく、伝えるのではなく、お互いに「話す」、話し合うんです。

怪物を放つために話し合うんです。憤怒を手から離すために話し合うんです。

その話し合いで相手から不満が、不満が一方ではなく、お互いに出てくるようになれば、ひとまず怪物は怪物でなくなっているとみていいのではないでしょうか。

GWという名のお祭りは、うっかりすると「憤怒」を「平凡な日常生活の下に」潜ませる役割を果たす。

潜むと目に見えなくなったように思うけれど、それは消失したわけじゃない。文字通り潜っただけだからね。

あなたは今日ソファで呑気に眠ることができますか?

毎日親技、絶賛更新中!

※子供に首を絞められる前に読んでおいてくださいね

子供はいろんなことを教えてくれる

「あなたの子供」は「あなた」になる

子供を正直に育てる方法

思春期は手を離せ、目を離すな!

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週刊 親技からのお知らせ

うれしい報告

小5 うれしママさん

いつもメールマガジンで励まされています。

今回思い切って『10の鉄則』を購入し、本とはひと味違う原則を教えていただきました。あとは実行のみ!

これまで我が子に遠慮をしながら接してきたのが一番の問題であると感じました。

ストロング先生の言葉を借りれば、勉強していただくような接し方でした。微妙なさじ加減がまだよくわかりませんが。

良いと思ったことを言葉は悪いですが押しつける所と我が子ととことん話し合って約束を決めていくことの融合が大事ということと理解しております。

鉄則の第3章の実行が最優先課題だと感じておりますのでそこから手をつけてみます。

今後ともよろしくご指導ください。

押しつけるためには「理由」がいります。「説得」もいる。「なるほど、言うとおりだな」と思わせる根拠がいり、熱意と迫力がいります。

ガキを説得できない大人というのは基本的にいないのです。

説得できないのは、「理由」か「説得」か「根拠」か「熱意」か「迫力」が足りないか、あなたが信じていないかだけ。

GW中、死にモノ狂いで毎日10時間頑張った、頑張らせた家もあれば、2、3時間の勉強を適度にやった家もある。

効率的な勉強をまずは目指すべきですが、効率が上がらないなら時間をかけてでもやる。

「なぜそうするのか?」はそれぞれの家庭で理由があるのです。

小5 gaoパパさん

(省略)2週間おきの単元テストで算数に絞っていけドン法で実施してきました。途中の模試は無視してやりました。

第1回 82点
第2回 88点
第3回103点
第4回105点
第5回118点

単元テストの点数が上向きなためか、家での勉強が最近は段取り良く、スムースに流れています。

どうしてできないんだ、という私の口癖は禁句にして、娘ができなければいけない問題を絞ってやることに疑問がありましたが、数値で出、娘の様子を見てはじめて納得できた次第です。

もう1科目の理科も、算数とあわせて取り組んでいこうと思っています。欲張りすぎですか?(省略)

お父さんが子供の勉強を見るという家庭が増えています。

gaoパパさんもパソコンを駆使して目に見える形でテストの推移を机の前に貼っているとか。

目に見える形にするなら成果が出てこなきゃあ、見ているほうも辛い。

算数で勉強のやり方がある程度確立された今、理科にも大いに取り組んでください。

常に欲張っていないか? 子供は基本がキチンとできているか? そこだけを見失わないように!

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