こんにちは、ストロング宮迫です。
この前、ネットで高校入学者に配布されたプリントが話題になってました。見た人も多いかもしれないですね。
「覚悟を持って入学してきてください」ある進学校で配られたプリントが凄すぎると話題
この高校のプリントの内容について賛否両論あるそうですが、ボクからすればごく当たり前のことが書いてあると思うし、常識の範囲内だと思いますね。ここでもそう繰り返し書いてきました。
ここの読者にとっても、たぶんごく普通の内容であると受け取っている方が多いんじゃないでしょうか。
「驚く人」がいることに「驚いている」くらいでね\(^o^)/
「覚悟をもって入学してきてください」なんかは、あったりまえのこと。
だって入るのに難しい学校に入ったら、もっと頑張らないとついていけないでしょ(>_<)
特に高校入試組はいきなり「高1の壁」が立ちはだかる。
このプリントに書いてある
中学と同じ気持ちでは、本校の学習・生活を進めていくことはできません。我々は、みなさんが【中学4年生】になることを求めていません。【高校1年生】になるために意識を変えてください。
「土日で固めて・・・」「すき間時間に・・・」それくらいの時間でできる内容な分量ではありません。中学とは違います。
この部分はまさに「高1の壁」を乗り切るうえで知っておいて覚悟をもって挑んでいかなければならないことですから。
「試験1週間前にやればなんとか・・・」ならないのが「高1の壁」だから。そのことを学校が最初にきちんと示してくれているんですから誠実というもんでしょう。
ちなみに親技では「すき間時間での勉強」を推奨していますが一定時間の勉強を確保した上で、プラスして「すき間時間」でも勉強するってことですから勘違いしないように!
土台となる勉強を全部すき間時間で済ませようという考え方ではドツボにはまるのでね (^^)♪
もう少しこのプリントで示されている内容を見てみると、
学校が示している学習時間は
家庭での学習は平日(2+学年)h, 休日(4+学年)hを必ず実行してください
まあ、これを守れる人は多くないけど「これくらい時間をかけないとできない課題を出しますよ!」ってことですね。
この学習時間がきっちり守れなくても、学校が出す課題が工夫してクリアできるなら問題はない。クリアできないなら時間をかけてやるしかないけどね。
工夫っていったらもう読者はピンときてますよね? なにを工夫するのか?
言ってみて!今すぐ答えてみてください。
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一番の工夫は「授業を頑張って聞くこと」ですよね。
授業をどれだけ理解して帰られるか、親技でいう「授業のお土産」が家庭学習時間に大きな影響を与える。
公立中学の授業は1コマの授業で教えられる量がそれほど詰まってない。だから試験前の勉強でもなんとかなる。でも中学入試の小5の夏以降や高校での勉強は1コマにぎょうさん詰まってる。
わかりやすくいえば公立中学の授業では重要なことが「1コマに5個ある」とすれば、中学入試の小5の夏以降や高校での勉強は「1コマ15個」あるって感じです。
カリキュラムがそうなっているんだから、いい悪いじゃないんです。
公立中学の授業を休んでも挽回はすぐできるけれど、中学入試の小5の夏以降や高校での勉強は1回休むとタイヘンなことになっちゃう。
「小5の壁」も「高1の壁」も本質的は同じものです。
ドンと詰まった内容を1コマで教えられることに対してきちんと理解して帰ることができるか、そしてそれを復習して自分のものにできるか、ですから。
この「高1の壁」がいつもここで言っているように中高一貫生は一足先に高校内容が入ってくる中3の夏以降で出てくるだけ。
中学入試でも高校入試でも入試結果を報告してくれた方にはみんなに送るメールに、高校入試組には「高校の勉強は入ってから半年、高1の夏までが大きな分岐点になります。受験まで走ってきたスピードを落とさず入学、高1の夏まで全速力で駆けぬけてください」と書く。
中学入試組には「中高一貫校の勉強は入ってから中3の夏までの2年半で大きな分岐点を迎えます。受験まで走ってきたスピードを落とさず入学、そして中3の夏まで緩めずに全速力で駆けぬけてください」と書く。
出てくる壁はみんな一緒で、それが出てくる時期に違いがあるだけだから。
そういう意味でこの高校が入学者に求めていることは、そのことを誠実に入学者に示して求めていると言ったんですよね。
学習時間については、難関校合格者はこの高校と同じくらいの勉強をしていることがすでにベネッセでも東進でも示されてる。
せっかくなんでもう少しこのプリントのことについて触れると
「塾・予備校に行く必要は一切ありません」
と書いてあります。
これについて高校によってスタンスの違いがあるでしょう。「勝手に行って好きなようにやってくれ派」と「行く必要はない、学校のことをやれば十分派」の2つですよね。
高校生が塾に行くのはボクは2つのタイプしかないと思っています。
1つは高校の内容を越えたもっと難しい、または先のことをガンガンやりたい人が行く場合。これらの連中は学校のことはできた上で、さらにやりたいっていうある意味ではヘンタイ君だ。頑張りたまえ!
もう1つは学校の成績が悪くて塾にも行く連中です。こちらは成績が悪いから「塾に行け」と言われたか、塾に行って学校でわからないところを教えてもらうかでしょう。
すでに書いたように「小5の壁」も「高1の壁」も本質的は同じもので、いかにその授業時間の中で理解して帰るか、これに尽きる。
そのためには、先生の授業の説明のうまい下手はありますが、子供たちが「なんとしでもわかってやろう!」という気持ちで聞けるかどうかが最も大きな影響を与えます。
これは家での学習時間をできるだけ少なくする、つまり自分がラクになるための方策です。
授業では寝ていて、家に帰って猛勉強する!これがもっとも非効率的な勉強であり、時間が余計にかかる勉強になる。
中学入試でも3時間の授業を受けてきて、家に帰って授業でやった問題がまるでできなければ、その受験体制は早晩崩壊します。半分理解して帰ってくれると苦しいけれどやりようがある。
しかし理解が2割とかになると親の方が気が狂う。高校ではそれが6時間とか7時間あるわけでしょ。授業を聞いてなかったら3か月でその教科はもう挽回できなくなる。
「授業をしっかり聞いて帰る」というその姿勢は「自分はできる」っていう自己肯定感が大きな影響を及ぼします。
家庭では授業からお土産を持って帰ることが家での勉強をラクにするということが徹底して教育されなければならない。
高校生で授業をいい加減に聞いているのに塾に行っている連中が多数いる。
成果が出るか?
出るわけない!
すでに書いたように公立中学生が勉強するとき、公立中学のカリキュラムが薄いから問題集を買う必然性が出てきます。学校での勉強を補うために必要なわけですよね。
でも、中学入試や高校生にはこぼれるほどの教材が配られる。だから自分で買わなくてはならない問題集や参考書ってあんまりないはずなんです。今あるものだけで手いっぱいになりうるから。
だけど、教材で売れるのは中学入試用や高校生用のものなんですよ。
誰が買うのか?
成績が振るわない子の親が買う。
今あるものを十分にこなせていないのに新たに教材を買い込んですべての教材が中途半端になるってわけです。
この高校のプリントにある
すべての学習の指示を本校から出します。(新たな教材の購入等も不要です。)
日々の予習・復習や宿題の指示がたくさん出ます。すべて実行し、必ず期限までに提出してください。(1日3時間それらを行って、さらに塾や予備校で勉強する時間的な余裕はありますか?)
は、上記のようなことを指していると思います。
教科書やテキストをしっかりやる!その上で宿題をやる!それで1日は終わる。2回目3回目の繰り返しをすると、もうそれだけでいっぱいになる。
だけど「わかるようになろう」とか「わからないから教えてもらおう」と新たな教材を買い、塾に通うとすれば、すでに溢れている器に水をつぎ足すことになるから、もっと溢れる。
水がいっぱいの器に強い水圧で水をつぎ足すと、いっぱいになっている器の水も水圧の勢いで外にたくさんこぼれるでしょ。あれと一緒。
中学入試でも集団授業と個別指導の両方を一緒に通う人が多くなっているけれど、それでも成績が振るわないってことは、もっと水をつぎ足す、つまりもっと教えてもらうことで解決しない場合がほとんどです。
子供がフン詰まっているのは教え方が足りないのではなく、子供が「わかろう!」と思って聞いていないという別の問題です。
ボクは勉強を習ってきたら、3時間の授業を受けたら3時間の復習をする必要があるって原則思っています。それが子供がお土産を持って帰ってきたら2時間の復習で済んだり、1時間で済む場合も出てくる。
「高1の壁」はそのことをストレートに求めてくる壁です。「小5の壁」も本質的には同じ種類のものなので、中学入試の小5生は高校入試組の新高校1年生と同じ意識が求められるってことです。
どこまで求めるかは志望校の難易度によって変わってくる。最難関校を目指すなら授業から持って帰ってくるお土産はたくさんないと1年間の受験生活はすぐ破たんする。
あなたのお子さんは授業を聞いて帰ってお土産をどれくらい持って帰ってきますか?
壁の突破にはそれについての観察がまず先に求められ、授業でやった問題が解けるかどうかを見て、このお土産の量はどうしてこの量なのかを分析しないといけない。
授業を聞いている様子を先生に聞いてみるのもイイでしょう。ノートになに書いているのかを見てみるのもイイ。
家で遅くまで勉強しても、授業で寝てたら、ざるで水を掬うようなもんです。やってもやっても成績が伸びないか、伸び止まる。
先生の好き嫌いもあるだろうし、クソみたいな説明しかできない先生もいるだろう。
でもね、成績がイイ子は、ずっと成績がイイ子は「授業をちゃんと聞いてお土産を持って帰ってこれる子」なんです。下手な説明しかできない先生や嫌いな先生からもお土産をちゃんと持って帰ってくる。
もっとイイ教材をとかもっと塾に通う回数を増やしてとかを考える前にお子さんの課題がなにかをきちんと吟味しないと、水がいっぱいの器に強い水圧で水をつぎ足すような無駄なことをしてしまう。
春休みはね、新学年になるにあたって、1年を振り返って成績表を見て、そういうことを考える期間です。
ステージが変わるのに、自分は変わらなかったら置いてけぼりになるのは当たり前のことなんだから。
4月からはちゃんと授業を聞いてくると約束したって!?
4月からやるっていう約束が守られるかどうかは、今日の約束が守られたかによってわかるんです。今日できないことは4月からもできない。
春期講習を受けているならお土産があるのかないのか見てみて下さい。
塾には行っていないって!?
ネットで動画がいっぱい出てるでしょう。単元の名前を入れて検索したらナンボでも「授業」をネットでしてくれてます。お土産があるかどうか、すぐ判断できます。
そこはしっかりして新学年に入りたいものです。意志の力で決意しても人はすぐ挫折する。習慣にならないとね。習慣になるまではちゃんと見守って道からそれないように見ておいてやらないと。
そこまで学校の先生も塾の先生も見てはくれないのですから。
中高一貫校に入学してから勉強についていけず早二年、教材を購入したり塾に行ったりと本人も努力していますが、なかなか成果が上がらず落ち込んでます。
中3 イヌタロウさん
無事に第一志望の高校に合格することができました。ありがとうございました。
1月の模試では不安が募り、ヘルプメールを送ってしまいましたが、ストロングさんからのアドバイスをこどもと一緒に受け止め、それまで自信のあった社会の拾い直しと、最後の最後まで苦手な国語の勉強を続けることでなんとか乗り切ることができました。
入試当日、自己採点をした感触ではやはり国語で少々つまづいた感じはありましたが、十分に手ごたえもあり、本人いわく「あれだけやってだめなら、仕方ない」と申しておりましたので、彼が完全燃焼できたことを本当にうれしく思います。
部活を引退してからは個人塾で教科書の先取り、家では「全国高校入試問題正解」でひたすら実践演習。朝は6時に起きて、英単語、漢字、マッハ50、リスニングの毎日のメニューを繰り返し続けてきました。
私にできることは問題のコピーと解答用紙づくりくらいでした。英、数、国の分厚い本をコピーしやすいように切り取って別ファイルにはさみ、かなりの県を制覇しました。
実は思いがけず、入試直前に私が病気のため手術、入院をすることになってしまいましたが、彼が大きな動揺もなく、いつも通り勉強を続けてくれていたことを誇らしく思いました。
親カツ講座を通して私と息子の間には1年間の明確な道筋が見えていたからこそだと思います。
卒業式の日、保護者の挨拶でどなたかがおっしゃった言葉が印象的でした。
「小学校では一緒に手をつないで走りました。中学校ではコースの中では先生が、外からは家族が応援し、必要なら伴走もしてきました。もうここからは少し離れたスタンドで彼らを静かに見守っていきましょう。」
この1年間勉強の面で子供にしっかり関わってこれたからこそ、今後は子供を信じてそっと見守っていこうと、私自身の気持ちの切り替えもできたように思います。ストロングさん、タイガーさん、本当にありがとうございました。
高校の勉強は入ってから半年、高1の夏までが大きな分岐点になります。受験まで走ってきたスピードを落とさず入学、高1の夏まで全速力で駆けぬけてください。
親技が実質的に駆使できるのもあと半年ばかりだと思いますよ。そこまでに波に乗って自分で考えて勉強できるスタイルを確立できたら大学入試へは勝ちパターンで向かえますから。