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こんにちは、ストロング宮迫です。

この前、受験生の親(高校入試組も中学入試組のどちらもいました)が話をしているのをそばで一緒に聞いていたんですが、全員口を揃えて「お尻に火がつかない」って話で盛り上がっていました。

「スイッチはいつ入るのかしらねえ」なんて言ってましたな。ボクは控えめな性格なので口を挟まず、余計な油を火に注がないように歯を食いしばって黙っていたんですが、心の中で叫んでいました。

「スイッチが入っても、入試の1ヶ月前か2週間前だろうよ」ってね。

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そう心の中で叫んだ後も延々とお母さんの話は続いていて、それ聞いて思ったんです。

「おいおい、キミらの子にはそもそもスイッチがあるのかと」。子供のどこにスイッチがあるのか知っているのかと。

その前にスイッチはみんな平等にあるって前提で話しているけれど、スイッチがない子もたくさんいるからね。これは成績の良しあしは関係ない。

たとえば「寝不足になるから早く寝なさい」って言うと「そういうわけにはいかないんだ」って燃える。寝なさいって言われたら、やる!ってなる。これはある子供には効くスイッチの1つですよね。

「今の成績で十分じゃない?」とあえて現状肯定をしてやって「なに言ってるの、これじゃダメなんだ!」って言葉を子供から引きだすのもスイッチを入れる1つ。

追いかけるのも1つの手だけど、追いかけ続けたら最近はストーカー扱いになっちゃうからね。歯を食いしばって笑顔でニッコリ作戦も有効だ。

じゃあ、ウチも言ってみようかって「早く寝たほうがいいよ」って言ったら「うんわかった、そうするよ」ってサッサと寝ちゃった!なんてことが起こる。

それは子供によってスイッチの入り方が違うからでしょう。誰にでも通じる「魔法の言葉」はないってここではいつも書いていますが、家庭の状況や親子関係で同じ言葉でも効果も意味も違ってくる。

この前受験生と一緒に考えた作用・反作用の法則の定義では、物体Aが物体Bに力を加えると、物体Bも物体Aに同じ大きさで反対向きの力を返す。

しかし、親が話している「子供のスイッチ論」は親Aが子供Bに力を加えると、反対方向ではなく、力を加えた方向にだけ子供Bを押しやって、結果的には親から子供を押すだけの「作用・作用の法則」の話ばかりです。

作用・反作用の法則の定義を受験生が口に出して言う

「同じ大きさで、逆向きの2力が、同一直線上で、同じ物体にはたらくとき、つり合いの関係になる」

と。

子供のスイッチを入れたいなら「同じ大きさ」で、「逆向きの2力」が「同一直線上」で「同じ物体」に働かなきゃいけない。

子供に入れるスイッチも同じだ。

「今の成績では志望校は難しい」時、親は「ああ足りない、これじゃ足りない」って思って焦ってそれを子供に言う、子供は子供で成績表やら周りの子らの話でヤバいとは思うけれど、焦りはしない。

じゃあ「お尻に火がつかない」ってことは本気じゃないのか?って問うと、みんな「本気です」と答えるし、現に「自分は本気である」と思っている場合がほとんどです。

このとき「「自分は本気である」と信じている子供に、もう少し頑張らないとって言うのは、「同一直線上」で「同じ物体」に対しての力かもしれないけど、「逆向きの2力」の力は働かず、同じ方向へ2力が働くから「うるせーなあ」って反応が当然出る。

親は逆向きの力を働かせることで、作用反作用を実践するのであって、それが「早く寝なさい」って言うと「そういうわけにはいかないんだ」となって「じゃあ私も付き合おうか」ってことにもつながるのでしょう。

よく成績がイイ子の親が「一度も勉強しなさい」って言ったことはありませんという話があるけれど、「勉強しろ」とは言わなかっただけで「勉強はしなきゃいけない」って雰囲気は漂っていたはずです。

そういう雰囲気もないし、「勉強しろ」とも言わないのに成績がイイ子だったというのは、その子自身が「良くできる子」だっただけでしょう。

その子自身が自分の力で理解も早くてチャッチャとできただけだから、「勉強しろ」と言おうが言うまいがそれは関係ないことです。

「勉強しろ」とは言わずに「勉強はしなきゃいけない」って雰囲気を漂わすのは、まさに「作用反作用」の力でしょう。賢く力学を使ってる。

しかし、スイッチはいつ入るのか、お尻に火がつかないって話をしている人は、常に「作用・作用」の話ばかりをしていて、押すばっかりで、押し返す力を働かせようとは考えないらしい。

ちゃんと押しているっていうけれど、あなたは光GENJIみたいにローラースケートをはいて押すから、またはボートに乗って岸(子供)をオールで押すから、押して近付いているように自分では思っているけれど、あなたは子供から遠ざかってしまっている。

作用・反作用を作動させるためには、「同じ物体」に対してです。他の物体に力を加えたら、同じ大きさの力を他の物体から返されている。

加えて「同じ大きさ」の力で、「逆向きの2力」です。子供よりも、子供が今持っている力よりも大きな力で押すと親が勝っちゃうから。それが逆向きでなく、同じ方向だったら悲惨です。これを押しつぶすという。

そうしているのに「スイッチがない」お尻に火がつかないって嘆くのは罪なことです。だって最初からそうならないってことが理屈上明らかなのに「努力はしてます」って顔をしているのだから。タチが悪い。

やまびこの響きは反響がある場所でやるから返ってくるのであって、海に向かって「ヤッホー」ていっても、波のザザーしか聞こえないからね。

だから、親技では子供のお尻に火は最後までつきません!って前提でやってるんです。

もし尻に火がついたらラッキーくらいの感じで、火がつかない前提ですべてを組み立てる。

テストでは100点を狙うような解答はさせない。いつも98点くらいなら100点狙ってもいいけれど、そうじゃないんだし、入試問題で100点なんて取れないんだから。

しかし、みんな100点満点をまるで狙うかのごとくのような答案だ!

しばらく前に国語で100点満点中38点だった子供の答案を見たら、書けるところは全部書いてる!

いや、書いているんじゃなくて、埋めてる!すごいねえ、全部頑張って書いたんだねえ!・・・なんてならない。幼稚園児じゃないんだからさ。埋めたてじゃないんですから、テストは。

たくさん埋めたほうが勝ちなら、そりゃあ褒められるけれど、書いた数より正解した数の勝負だから。

書きゃぁなんか○くれるかも・・・なんてことは中学入試でも高校入試でもありえない。国語だってなんだって書くべき正解解答は1つなんだから。

国語38点の子供のテストは漢字10問、文章題の大問3つで17問、150字以上200字以内条件作文1つで45分のテスト。

漢字10問を2分で、作文を最速12分で仕上げても、テストは残り31分で文章題が3つで17問。31分は1860秒だから、17問で割ると1問1分50秒で解かなくちゃならない計算になります。

1問1分50秒ですよ。そりゃあ15秒でできる問題もあるけれど、40字以内や20字以内記述もちらほら。

加えて、この1問1分50秒の解答時間には「文章を読む時間」も含んでのことですから、文章をまず読んで答えるとすると、文章読解各問題は1問1分でも多すぎるって計算になるでしょう。

1問3分考えたら正解にたどり着けるけれど、1問1分じゃ正解にたどり着けない問題がいっぱいだ。もう少し時間さえあれば・・・

そういう状態で「埋め立て工事」に励めば「埋め立て」は完成するけれど、それじゃ意味がない。どれだけ正解数を増やすかの勝負なんだから。

だから埋め立てをしている暇はないんです。テキトーに「何かを書く」なんて時間はないんですよ。

当然やらない問題も出てくる。捨て問ですね。100点満点を狙うテストじゃないんだからさ。捨て問があって当然です。

捨て問は「できない問題」だけじゃなく、「今はしない問題」であることもお忘れなく。5分かけたら正解できそうな問題かもしれないけれど、作戦上正解は捨てて5分をゲットするともいえます。

捨て問を作って、その分時間を作って、できる問題やできそうな問題を全力で獲りにかかる。たったこれだけで、そう学力はそのままで点数を上げることは可能だと親技では考えています。

この子が38点を取ったテストの2回目をやる意味がないから繰り返しはやらせないけれど、1つ1つ問題を検証した上で作戦を授けて似たような傾向の問題をやったら58点だ。プラス20点!

同じテストではないから素点を比較する意味はないけれど、やっぱりうれしいよ、20点アップは。

埋め立てはしていないし、空欄もたくさんあるけれど、手をつけたところは少し時間をかけてでも正解している。正解するつもりで解いたけれど間違っているのも当然あるけれどね。

プラス20点は1問4点だから5問分です。捨て問は6問で24点分。この子は100点満点のテストを76点満点に自分でしてテストに臨み58点獲った!正答率76%なら上出来だ!

だって最初は100点満点で38点だから、正答率は38%だもの。

まあ、難易度の高くないテストであったから、心の底からはまだ喜べないけれど、ヤッホーって言えって言われて言ってみたら、聞こえるほどの反響があって「ャッホッ」くらいでは返ってきたら、また期待しちゃうじゃないですか、子供は。

スイッチが入る。スイッチが入ると、ガキは自分の薀蓄を垂れるようになる。

「やっぱこれは捨て問でしょ? ですよねえ」なんてね。

スイッチが入って薀蓄を垂れるようになると、やるべきことができてなくて叱っても、作用・反作用の力が働く。親と子が同一線上にいるからね。親も子もローラースケートを履いていないから、押し合って互いが離れていくこともない。

だから、スイッチがない子がいるっていうのは本当はウソで、みんなあるし、持っているんだけれど、それは隠れていて、ゆえに誰もそのスイッチを押してくれないっていうのが本当のところです。

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スイッチはみんなある。すぐそこに見える子供もいれば、奥深く隠れている子もいるけれど、あることはある。ただ自分の顔が自分で見れないように自分自身ではどこにあるのかわからない。

わからないから自分ではスイッチを入れられないことが多い。

だから、誰かに、なにかに触発されると、スイッチが入ることがある。塾でライバルが頑張っているノートを見て、よし!オレもって思えることもある。

「早く寝なさい」って言われたら「そういうわけにはいかない」とか「勉強しなさい」といわなくても「勉強する」とか、みんな作用反作用の力学です。

親技では、それを「たまたま」とか「いつのまにか」ではなく、意識してやりましょうよ!って提案しているだけです。

難しいって!?

そう難しい。でも、学年が上がれば上がるほど手がかからなくなって、ラクになるのは、意識してやった人だけです。そうじゃない人は「もう知らない、あなたの好きなようにして」って放り投げるだけだから。

レベルの高い人は自分で自分のスイッチがわかっていて、自分で入れることができる。でも、なかなか自分で入れるのは難しくて、だからスイッチを入れやすくするためにルーティンの動作や作業をする。

ラグビーの日本代表のイケメンのキックを蹴る人がカンチョーポーズみたいなのをしてから蹴っているけれど、あれだって自分でスイッチを入れるためのルーティン作業でしょう(と想像します)。

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あれをテスト前に子供がしても、何の意味もないのはわかると思うけれど、もし「5問は捨て問だ!その捨て問5問分の時間を他にまわして正解を3つ増やす」そう念じて、言い聞かせるルーティンポーズがあのカンチョーポーズになるなら意味がある。

野球のバッターでもピッチャーでも、サッカーのキックでも、みんなルーティン作業や動作をしてから始動する。それらは他人には意味はないけれど、自分には意味があるものです。

子供たちは、集中するときの、テストに臨むときの、ダレて面倒くさくなったときの、自分にとってのそのルーティン作業や動作、スイッチを入れるときにどうすればスイッチが入るのかを今いろいろと試している最中、過程でしょう。

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腰に手を当てて牛乳を飲む!それで「よし!やるよ」っていうスイッチになるなら、その人には意味がある。

・テスト中の筆箱の置く場所

・消しゴムは2つ

・シャー芯は2B

・最速で問題が解けたらハイタッチかグータッチ

・調子が出ないときは部屋でヒゲダンス

・絶対忘れてはならない暗記事項はA4のノートに

・試験に行く電車は最後尾車両

・試験会場にはサントリー「伊右衛門」のペットボトル

・弁当の卵焼きは試験の時だけはソーセージ入り

・テスト中頭が真っ白になったら10秒心で数えながら試験問題からいったん目を切る

・テストラスト10分になったら、自分でTen Minutes Warning(テン・ミニッツ・ウォーニング)を自分でカウントして、この10分で何点正解にたどり着けるか、どの問題を取りに行くか、Ten Minutes Offence(テン・ミニッツ・オフェンス)を10秒で考える

・テストが終わったら焼肉

・試験会場に入る時はカンチョーポーズ….etc

家庭学習、テスト、テスト後、親子でさまざまな場面で「これからなにをなすべきか」を【一瞬でわからせてくれる】ルーティン作業や動作や何かがいくつあるのか。

スイッチは誰かや何かが偶然入れてくれることもあるけれど、それじゃあ勝負の結果はコントロール不能になる。スイッチは自分たちで入れなきゃならない。

電車の車掌が「右よーし!左よーし!発車します」っていうのやパイロットが各種機器をチェックしながら1つ1つ声に出してチェックしていうのには、見ている人にはくだらないことのように見えるけれど意味がある。

おろそかにしたり、形だけのいい加減なチェックをしていると、大事故になるんです。受験生だって同じだ。他人がどう思うが見ようがかまわない。

こだわりがあるってことはルーティンのチェック項目が多くても短時間でそれをすることで「これからなにをなすべきか」を【一瞬でわからせてくれる】ことが多いってことだから。

急いで焦っているときに「一瞬でなにをすべきかをわからせてくれる」ことをたくさん持って「闘い」に行こう。流れ弾に当たらないように。

◆親カツ後期生(入試実践コース)の方に業務連絡です

高校入試の数学の入試演習の準備段階でやってほしい数学問題集「マッハ50」は今年から親カツ講座後期コースの中で提供していきます。

本日10月1日から親カツ後期生の方には自由にダウンロードしてご活用いただけます。メンバーログイン後、以下のサイトから希望する方はお申し込みください。

公立高校入試対策数学の問題集「マッハ50」のお申込み

ご連絡をいただいた方から順に高校入試数学問題集「マッハ50」の専用ページをご案内いたします。

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うれしい報告

復テ対策講座生からの報告

小5 ルール21さん

いつもありがとうございます。小5の5月からの途中入塾で苦しみ、どうして2月から入れてやらなかったかと悔いていた日が昔のことに思います。

夏休みは何度もメールをしてお騒がせして申し訳ありませんでした。

35の偏差値からのスタートでしたが、お陰さまで夏休み明けの月例テストで52→10月の月例テストで56となりました。ありがとうございました。

夏休みに少々無理して復テいけドンシートで繰り返し勉強したペースが今では平日の勉強で普通のペースになってきました。

成績よりも娘があれほど嫌がっていた塾に生き生きとした顔で行ってくれるのがストロングさんがおっしゃるようにご褒美ですね。

明確に志望校を決めて塾に入ったわけではないのですし、まだ確かな目標はありませんが、習ったことを1週間で理解し、自分のものにする工程を5年生でしっかり身につけてくれればと思っています。

次回の月例テストに向けては、3つの方針で進めていこうと思っています。

1つめは・・・・(省略)

勉強だけのことではなく、スポーツでも習い事でも、現状の正確な把握はさておき、子供たちが「オレいけてる」「私、できる」と思っている状態で生活している場合、子供たちの顔は自信に満ち溢れています。

成績アップはそのキッカケになる1つの出来事。

もっともっと上の世界があるよ!と言うのは誰でもできるのですが、どん底からスタートし、自信を失って目が死んでいる子供を生き生きした顔に変身する過程を見るのは、親だけに許されたご褒美。

自らの「親技」にも少しだけ自負もあることでしょう。

現在の偏差値や順位がどれだけ高いかではなく、親技を駆使し、いったいスタート時からどれくらい成績を上げたか?

それはお子さんの自信のある顔が証明する!子供なら誰もが少なくとも12年間は「勉強」に関わり合う。勉強からは逃れられないですぞ!

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