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こんにちは、ストロング宮迫です。

いつだったか、山登りはしたことがないボクですが、もし山登りするなら「教えて!山テク」をテレビで教えていた加藤美樹先生に習いたいなと思うと書いたことがあります。

調べたらちょうど1年ほど前ですな。これでした、「計算ある挑戦と行き当たりバッタリの軽率」

もちろんあれから山登りはしていないんですが、定期的に加藤美樹さんのブログを読んでいます。

4月12日の「ちょび怖い」加藤さんのブログ記事「八ヶ岳東面の静寂とリスク」はいつか皆さんに紹介したいとメモってはいたんですが・・・・

山は直接的なリスクがすぐそこにあるから危機を察知しやすいとは思うんですが、やっぱり地図も見ないで行っちゃう「命知らず」の人はいるみたいですね。

受験や勉強は直接的なリスクはないし、間違っても死にはしませんが、一定の時間をかけて、いつのまにか親子で、または親が、または子供が、崖っぷちに立っているってことはあります。

崖っぷちに立っていることがわかったら、すぐに引き返せばいいんですが、人は意外と引き返せないことが多い。

わかりやすい例でいうと、中学入試なんかで小4から2年半塾に通って小6の夏で中学受験をやめるって選択肢は選びにくい。

小4から小6の夏までやってくるのに、かかった時間と労力がものすごく大きくて、費用も結構かけているからですよね。

子供もまるでやる気がなくて、親も舵はとれず、どうしようもない上に、塾の勉強は遅々としてこなせないという3重苦だけど、「あと半年なんだからなんとか・・」とかね。

今話題の新国立競技場の建設計画見直しについての賛否の議論でも使われているいわゆる「サンクコスト(埋没費用)」ってやつです。

埋没費用とは、皆さんよくご存じの通り

事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によっても戻って来ない投下資金または投下した労力

のことです。

ウィキペディアにある2つの事例の通り、つまらない映画はおもしろいくないとわかった時点で、見続けるべきではないし、購入した映画のチケットを紛失したとしても、価値があると思えば再購入して見ればイイ。

しかし、「投資した分はきちんと回収したい」という強く思い、「自分の過ちを認めたくない」という自分のメンツ合体すると、人は合理的な判断ができなくなる。

頑張っているんだけど成果は2年半ほど出ていない、けれど頑張り続ければ、あと半年できっとよくなる!なんてことは断じてありえない。

合理的でなくても、普通に考えればわかるんだけれど、なぜか自分には「最後に神風が吹く」って思ってしまうのはなんでだろう?

あなたに「神風」は吹かない。

もし仮に「神風」が吹いたら、元寇のあとの鎌倉幕府みたいに、後始末がものすごく大変になります。

「神風が吹く」ってことは、今までやってきた延長線上にはない、もしくは延長線上を超えたものが思わずドンと手に入るってことだから、そのあとはたいてい苦しくなるか、不幸になる。

身の丈に合っていないものを手に入れて「着て」も、たいていは裾を踏んで転んじゃう。

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だから、身の丈に合ったものを手に入れればイイ。やってきたことの身の丈に合ったものが手に入る、これはすごくイイことですよ。

頑張っているんだけど成果は2年半ほど出ていない、このあと半年、今までのやり方を頑張ってやり続けても、あなたの欲しいものは手に入らない。ごく自然です。

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いったいぜんたい、なんでこんな話になっちゃったのかな? 

「神風」や「元寇」なんて書くつもりはなかったんんだけど・・・

そう、加藤美樹さんの話だった。加藤さんのサイトにweb登山教室っていうのがあって、「岩登りは、上へ登るよりも、まずは横移動!」って記事があるんです。

ああ、皆さんは岩登りなんて興味ないですわね?

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ええ、わかりますよ。ボクだって、山登りも、ましてや岩登りもしたことがない(きっとデブすぎてできない)んですが、web登山教室で書かれている理屈がすごくわかりやすいんです。

「1+1=2」なんです。「2×3=6」なんです。

岩登りなんてしたことがないいけれど「岩登りは、上へ登るよりも、まずは横移動」なんです。

でも、たぶんボクが岩登りをやるとすると、きっと力づくで腕の力で自分の身体を引き上げようとするんです。

加藤先生は言います。

もし手で体を引き上げるのであれば、かかりの良い手がかりと、強靭な指の保持力が必要となります。

これらの条件が揃っているなら、このまま上がるのもアリですが・・・、あまりお薦めできません。

勉強も同じ!親が強引に力づくでやっても成果は出るんです。ちゃんとやらせればね。確かに成績や点数が上がる!短期的には効果があるんです。でも、強引さも力づくも長続きしないんです。

1つクリアしても、勉強ってまたすぐ次があるでしょ。その次も、そのまた次もあるんです。どんどんどんどん次が出てくるんです。受験が終わっても、すぐ次があるようにね。

勉強って、42.195キロメートル続くハードル走みたいなもんで、次々ハードルが出てくる。最初は親が持ち上げて越えさせてもイイです。

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最初くらいはそうしてほしいくらいなんですが。

でも、ハードルも6つめとか15コ目とかになると、親も腕が疲れて、子供を持ち上げられなくなるんです。

もちろん疲れてくることもあるんだけど、越えていくハードルは越えるたびに実は1センチずつくらいハードルが高くなる。

つまり、15コ目とかは最初のハードルより15センチも高くなってるってことです。

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だから、最初のいくつかなら持ち上げられる。でもだんだんと親「だけ」の力では持ち上げられなくなるので、そのとき、子供にも自力でちょびジャンプしてもらうと親も助かるんです。

親も助けてやるんですが、「お前もジャンプしな!」って言えなきゃいけない。

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最初から、この勉強もしくは受験という名の「ハードル走」は、実は42.195キロメートルくらいのマラソン級ってことも、ハードルを越えるたびにハードルの高さが1センチずつ高くなることもわかってるんです。

サルでもこのルールは知っているから、知らないとすれば出発地点で大失敗なんです。

強引で力づくでは完走は難しいんです。無理に完走してもいいけど、ボロボロで順位はビリに近くなるんです。

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出発地点が間違っていたら、必ず崖っぷちになるから引き返さないといけない。そのまま行ったら崖から落ちちゃうから。

でも、断崖絶壁に立っていても、「投資した分はきちんと回収したい」とかそもそもの「自分の過ちを認めたくない」とか「そんなルールがあったなんて」とか言って、サンクコストが認められずに自分で断崖からダイブするんです。

ダイブするとは、すなわち転落だから、大怪我するんです。大怪我したら、まずケガを治して、リハビリして元通りの身体にするのに相当時間がかかる。

でも、元通りにするのはマイナスからゼロにする作業だから、頑張ってもプラスじゃなく、マイナスからゼロへの回復なんです。転落した上でにマイナスからの回復になるんです。

まあ、その頃にはグレるか、暴れるか、「どうせオレはアホだし」なんて諦めの捨て台詞を吐いている頃だから、ハードル走からは離脱して「引退」しているから、勉強や受験とはたぶん違う世界にいるんですけどね。

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「人工壁では登れるけど、外の岩では登れない」という人は、やり方が間違っているんです。

加藤先生は言います。

重要なのは軸足ではない「乗っていない方の足」の使い方です。

これが上手く使えるようになると、体の重さを軸足でしっかりと支えることができるようになるため、手の負担を減らして、安定した登りを実現することができるようになります。

なんにも失敗なく行きましたなんてことはないんです。失敗はするし、エラーもある。わめいたり、泣いたりすることもあるんです。

でも、断崖絶壁に行く前の小さなエラーでそれに気づかないと、親だけじゃない、子供も道連れになっちゃう。道連れになったあとはお互いに口もきかなくなっちゃう。見て見ぬふりですな。

さて、そんな話をグダグダとしたところで、最後にメールを1つ紹介しましょう。

あなたはこれをなんと読む? どうぞ!

[親カツ(前)] メンバーさんからの報告

小6 健さん

ストロング先生、いつもお世話になっております。滅多に報告もせず申し訳ございません。

ようやくモノになってきた?ので、算数のみになりますが、ご報告いたします。

小5
4月 32点 (偏差値35)ノリ勉開始前
6月 42点 (偏差値43) 
7月 45点 (偏差値44)
8月 73点 (偏差値58)8月より、いけドン法開始
10月 69点 (偏差値53)
11月 63点 (偏差値51)
1月 74点 (偏差値56)

小6
4月 82点 (偏差値58)
6月 87点 (偏差値61)
7月 82点 (自己採点)

偏差値35だった息子が61まで行きました。本当にうれしいです。

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理解するまでと、そこからできるまでが、なかなか時間がかかりましたが、今ではA問題はほとんど落とさなくなりました。

3日1単元勉強法も本当に大変なのですが、やっぱり「効く」のです。これと日々の「広く浅くの勉強」がなかったら、60を抜けられず、親のせいで凡ミスを出させ、それを叱るようなことになっていたのではないかと思います。

毎年自治体で実施する4教科の学力テストも息子がクラスで一番伸びたと学校の担任の先生にほめていただきました。

ただ、ストロング先生には案の定でございまして、ある音声セミナーでもおっしゃっていましたが、ここまではやっていなかったことをやっただけなので「ちょろい」んですよね。

問題はこのあとですよね。

息子もどうせ難しい問題が来るとわかっていますので、成果は出ていながらもブレーキをかけてしまいます。エラーが出るのは必ず親の欲が出た時です。

欲張らず問題選択に注意しながら、更なる上位をめざし、精進していきたいと思います。

親カツ前期の内容、毎日塾にやるよりはるかに深くて(安くて)、ち密でもう本当に素晴らしいです。

ありがとうございました。またご報告させていただきます。

泣けちゃいました・・・ボクも相当うれしいです。健さん、すごいよ。ボクにはできないかも・・・と心から思います。

「偏差値35が61まで」なんて誰もができない。誰もが岩登りを巧みにできないようにね。

根気と信念と親の手助けと子供のジャンプとが合わさって、越えてきた道のりです。

でもね、「1+1=2」なんです。「2×3=6」なんです。「乗っていない方の足の使い方」なんです。「これが上手く使えるようになると、安定した登りを実現することができるように」なるんです。

まだまだ「ハードル走」は続くんだけれど、親技を頑張っている方には勇気を与えてくれますね。うれじぃー!ありがとー!

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うれしい報告

『10の鉄則』の感想、続々と・・・

中2 なぎすけさん

小3から塾に通いましたが、中学受験は結果的に失敗に終わりました。家族も応援して4年も通ってダメだったのだからと思いました。

子供は失敗を糧にする感じではなく、何となく時を過ごしているようで、定期テストの結果も受けるたびに悪くなっていっています。

あの4年間はなんだったのだろうか。

ずっと思ってきました。「4年も通ってダメだったのだから」思い込もうとしていたのですね。

中学受験が終わってからひっかかっていた点が思い切って購入して拝見させていただいて氷解していきました。

中学受験生活を振り返り、良かった点(あまりないですが)、悪かった点を静かに振り返っています。

すぐに子供になにか働きかけるというより私自身が振り返り、考え方を改める必要があると感じています。

もう少しは子供にかかわっていきたいと思っていますから。

少し自分が穏やかになったような気もしますし、子供と言い争ったり、大声で怒鳴ることもなくなりました。

過去を悔いるなというお言葉を胸にこれから少しずつ歩んでいきたいと思います。

またご相談させてください。ありがとうございました。

過去のことにいろんな意味付けをしていきます。

特に受験生活は長くて苦しい毎日の連続ですから、その日々が意味のないものであったという結論ではむなしすぎる。

本当は受験が終わったあとに受験生活の意味付けをするのではなく、受験生活をしているそのときにするのがいい。

でも、今からだって遅くありません。きちんと振り返り、納得できない結果が出たときには、その原因をとにかく仮説でもいいから立ててみる。

もう何度も言っていますが、これしかない。

その仮説がどうであったのかを判断するのは、誰でもない、その後の親子です。

やってきたことはずっとついて回ります。だから、その経験は結果がどうあれ、大事に慈しんでほしいと思います。

良い意味づけができるのは自分だけ!まだまだ諦めるな!!

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