中3 ヤンさん

ストロングさんにご質問するのは適切かどうかわかりませんが、心が揺れているので思い切ってご質問します。

お友達から「落ちこぼれから大逆転する勉強法」をネットで見つけたと聞かされました。友達自身は購入してないのですが、(省略)のような勉強法のようです。

昨年、この勉強法を行って、何位だったかは覚えていませんが、順位がほとんど最後のお子さんが夏休み前から挽回して、最後に公立高校のトップの高校だったか上位の学校に合格したそうです。

我が子は、落ちこぼれというほど成績は悪くありませんが、まん中よりは下のまま浮上することなくここまできました。

やる気もあまり感じられず、行ける学校でいいとあっさりした感じです。(省略)私が希望する普通科の学校は中学2年の3月の懇談で無理と先生からもはっきり言われました。(子供は希望していません。はなから無理と思っているようです)

でも、もしお友達が言うような挽回できるものがあるなら、多少の金額なら賭けてみたいとも思っています。

お友達の言う勉強法がすべてできればということだと思いますが、チャレンジしてみるとすれば、私は何を考えてすればいいでしょうかということです。

失礼かと思いますが、ご意見をお聞かせいただけないでしょうか。

この質問にストロングが答えられるかどうかは、はなはだ疑問ですが、今までにない相談内容ですので、取り上げてみます。

さて、なにやら「落ちこぼれから大逆転する勉強法」なるノウハウが販売されているとか!?

なんとも魅力的ですなあ・・・ストロングも心が揺れてしまいます(≧◇≦)

これを聞いて、世の中そんな甘い話があるものか!と考える方も多いでしょう。

ただ、もし本当なら・・・この際、ダメもとでと考える方もいらっしゃると思います。

これまでストロングは「勉強という種目」はやりようによってすぐ成果が出るものなので、一番取り組みやすいし、努力が直接すぐに報われる可能性が高いものだと言ってきました。

しかし、今回の質問を読んでみて、勉強は世の中よりも甘くないのかも?という思いも強くしました。

成績は、勉強しないと上がりません。でも、いくら勉強しても成果の出るやり方でないと成績は上がらない (^^)♪

こういうことなんです。

この2つのステップを理解し、かつ今のお子さんの現状に合わせてそこからスタートする。

この基本を踏まえて、ちゃんとやれば、すぐに成果が出る(^_^)

これこそが、勉強の醍醐味なんですよね。

飽き性のストロングが成績を上げるお手伝いを長年続けれるのも、この醍醐味があってのことです。

もうずいぶん前になりますが、和田秀樹著『公立小中高から東大に入る本』というのが売れてあとに、この本についての質問がずいぶん来たことがありました。

内容を紹介しようと今本棚を見てみましたが、ないのでアマゾンから引用すると、

公立小中高から東大に入る本

「過保護」に育てよ、一年生の教科書は秋までに終わらせよ、つるかめ算は方程式を使え、本を読んだら「200字の要約」を書かせよ。

「試験に強い子に育てる」ための年代別、科目別勉強方法を大公開。ゆとり教育が子供の将来をダメにする時代に、受験勉強のエキスパートが教える「大人が子供を正しく導く」数々の方法。子育て中の親必読。

というもので、東大に合格する学力をつけるために学年別にやったらイイ問題集なんかもきちんと紹介している本でした。

こうした本を参考に子供に勉強させるのは全然かまわないんですが、先に書いたように、勉強してはじめて成績は上がる。

かつ、このステップ「今のお子さんの現状に合わせてそこからスタート」するを理解した上で進める。

これが基本です(^_^)

和田秀樹さんの本を読んでボクに相談してきた人は、本を読んで「なにをしっかり勉強させるか」を本で学んだ「成果の出るやり方も知って」やろうとしていました。

が、相談者全員が「今のお子さんの現状に合わせてそこからスタート」の視点はまるで欠けていました。

「公立小中高から東大」へ入るために本で書いてある問題集等はいずれもやったらイイものばかりと言っていいと思いますが、問題はそのやらせ方です。

やらせる時に「今のお子さんの現状に合わせてそこからスタート」しなければ、どんなに素晴らしい問題集も宝の持ち腐れになる。

そういう意味では「お子さんの今」「お子さんの現状」が一番見極めなければならない点なんですよね。

そこを抜きに「これさえやれば」と思っても、イイ問題集が「ぜ~んぜんできないから、もうやらない」なんて逆に勉強をやらない方へ子供を押しやってしまうことが多々ありますから、注意が必要です。

さて、ヤンさんからの質問に話を戻しますね。

この仮称「落ちこぼれから大逆転する勉強法」なるノウハウを購入すべきかどうかは、どうぞお気の済むように!!というのがストロングの正直な答えです。

では、落ちこぼれから難関校に数か月という短期間で合格することが可能なのかと聞かれれば、ストロングの答えは、

限りなくムリ

です。

ましてや、その勉強法を子供だけで取り組むというのであれば「絶対にムリだ!」と断言します。

こういうと、批判しているように聞こえるかもしれません。でも違うんですよ。

じゃあ、その「数か月で難関校に合格する」ノウハウ本には、ウソが書いてあるのか?

ここには、注意が必要なんですね。

難関校に合格するための勉強法というのは、実際に難関校に合格した連中がやっていた勉強でしょう。

わかりやすく極端な例で言うと、例えば、

毎日5時間以上は勉強をして、この問題を解けるようになること

そう書いてあるとします。

成績が良かろうと悪かろうと合格するためには、到達しなければならないラインがあります。そのラインに届かないと、基本的に合格は難しい・・・・

もうラインはやる前からあらかた見えているわけです。

でもって、

これさえできるようになれば、合格しますよ

と書いてあったとします・・・

これって、ウソか!?

ウソじゃないですよね、それは。

でも、ウソじゃないけど、ムリなんです(>_<)

ましてや、子供だけが取り組むとなると絶望的だとストロングは思います。別に、最下位にいる子供が能力的に無理だと断言してるのではありません。

そうではなくて、現在、最下位の子供たちと上位の子供たちとでは見えている世界が違うということなんです。

なにが大きいって、この差が大きい!!

さっきの例で挙げた「5時間以上勉強する」ことが「普通」と思える子供と1時間程度が「普通」と思う子供。

このレベルの問題は解けるはずだと思える子供と問題すら読む気にならない子供。

これらの違いは、能力の違いというよりも「今いる世界」の違いだとストロングは思っています。

では、その「今いる世界」から自力で脱出するのは可能か?

ここが問題なわけです(>_<)

ストロングは、これを

本人以外の力でその世界から脱出させてやり、違う世界を見せることで本人のエンジンを稼働させる。さらに上がるにつれエンジンをフル稼働させる。

というイメージで捉えています。

もし、親が手助けをするとしたら大変です。

さきほど、「勉強しないと成績は上がらない。でも、いくら勉強しても成果の出るやり方でないと成績はあがらない」と言いましたが、この2つを同時に進めないといけないわけですから。

こんな大変なこと誰がやってくれるのでしょう?

親以外の塾の先生などが担当してくれるならラッキーなんですが、勉強は教えてくれても勉強のやり方までを教えてくれる先生は少ない(>_<)

「やれよ」と言う人はたくさんいるけれど、「こうやれよ」って言って、傍で見てくれる人は少ない( ̄ii ̄)

子供が実行できないノウハウを買って諦めをつけるのか、それとも親がなんとかしてやろうと苦労を自らかってでるのかは、親である皆さんの自由ですから。

子供の成績を上がるために努力されている親の方々は、本当にすごいと思います。仕事など自分の事情があっても頑張っていらっしゃいますから。

やり方さえわかれば頑張れる親の方々をたくさん見てきました。だから、これからも厳しいことを言いながらも親ができることを伝えていきたいと思っています。

先日、タイガー山中が誰かと電話で話をしていました。何やらお母さんからの相談だったようですが、印象的だったのがこの一言です。

「お母さん、成績上げるためには捨てることですよ」

なにやら近々合格判定テストがあるらしく、そこでなんとか偏差値10を上げたいという相談だったようです。でも、毎週行われる塾の確認テストですらコンスタントに点が取れていない状態で、しかも塾の宿題だけで精一杯だそうです。

タイガーは「合格判定テストに合わせるならこれから1か月の塾の勉強は捨てること。塾のテストをしっかり点を取れるようにするなら、次回の合格判定テストは捨てること」と言ってました。

ただ、塾の勉強を捨てたとこでその内容についてはいずれ勉強する必要があるわけですから、優先すべきは毎週の塾の勉強ということになります。

相談された方にとっては、なんとも夢のない話ですよね。

どちらもかなう魔法があればいいのですが、そんなものないというのが親技の見解なのです。

それより、中途半端だとどちらもかなわない現実が待っていることを伝えるべきだと。

毎週のテストをちゃんと点がとれる勉強を身につければ、今度は実力テストで点がとれる勉強を身につけるのです。

子供のために、親は何をすべきなのか?

これだけは、ご自身でお決めください(^_^)