小4 チャムさん
2月から新4年生、塾の中学受験コースに入りました。
しかし宿題が多く内容も難しいため、宿題を持ち帰ってはわからないところを教えて、けんかしての繰り返しです。
月例テストも初めて受けましたが思ったより難しい内容で、自己採点したところ、それほどいい点数では有りません。
うちの子は気は強いのですが、まったくの内弁慶で、積極的に質問もできず、わからないまま家に持ち帰ってくる状態です。
よくない点を取って、次はがんばる!というタイプではなく、いい点をとって自信をつけていくのが向いているタイプだと思いますが、塾のテストを受けるたびに自信をなくしてしまいそうで心配です。
これ以上難しい内容になって5年生にもなるとついていけず落ちこぼれてしまう気がして、今どうにかしてあげないと・・とあせる気持ちでいっぱいです。家庭教師や個別塾にかえて見るべきかも悩んでおります。現在通っている塾は四谷大塚の教材を使用している塾で、4年生の中学受験の生徒は数人しかいなく個別にちかいのですが、カリキュラムどおりに進む体制が基本なのでどんどん進んでいく感じがします。
授業内容を知りたく、授業の見学を申し出たのですが、他の生徒さん(もう一人の子)がいらっしゃるので・・ということで断れました。
子供がどんな授業を受けどう感じているのか知りたいと思ったのですが、塾は本来見学はさせてもらえないものなのでしょうか?
このままでは勉強嫌いになってしまいそうで・・とても不安なのです。
主人とも話していることは家庭教師だと緊張感がないのと質問もこれからできるようになっていかなくてはいけないから塾のほうがいいのだろうか?とも話しております。
中学受験をさせる理由として地元の中学が荒れているのと、6年一貫で質のいい授業を期待できるとの思いで入学させたいので難関学校を狙っているわけではないのですが、個別塾や家庭教師では受験は難しいと事も聞きますし、このままこの塾でがんばらせるべきなのでしょうか?
他塾のもう少しゆるめのコースがあるのをネットで拝見したので、それに変えてみようか、個別や家庭教師でしばらくはがんばって自信をつけてから塾に入るのがいいのかなど、悩みは尽きません。
なにより一番心配なのがやる気をなくす事なのです。何かよいアドバイスがあればお願いいたします。
小4になって中学受験対策の塾に通いはじめたそうです。宿題の量も多く内容も難しく、テストの点も思ったほど取れないとのこと。
やる気も自信もなくし・・・となると家庭学習でなんとかフォローしたいところですが、親子ではバトルになってしまうと(>_<)
今回の相談は、率直に言ってあまりレベルの高い相談とは言えないですなあ。
あまりイイ点数が取れないからではありませんぞ!
問題は親の意識なんです。
この手の問題は、間違いなく親の問題ですし、親の責任ですし、親の心構えの問題。
きっちり親の方が意識を転換しなくてはこの種の問題は中学受験の時だけでなく、中学進学後、高校進学後とつきまとってくることでしょう。
まあ、4年生の段階でわかってよかったと言えるかもしれません。
皆さんもよくご存じのように多くの塾が中学受験に向けたカリキュラムを小4からスタートさせます。今は小3からの塾もありますし、小5からという塾だってある。
カリキュラムがきちんとしているならば、何年生からのスタートでもかまわない。ただし、スタート時に「みんなが同じスタートラインでスタートするんだ」と思っているなら大間違いなんですね。このことについてはここでは繰り返し書いてきましたね。
すでに多くの方にとっては常識ですが、中学受験のための勉強は、学校の勉強よりもはるかにレベルも高く、量も多くなる。つまり、小学校の勉強はできていても塾の勉強にはついていけない子だっている。
勉強習慣、難しいモノに対する取り組み、集中力、動機、環境などなどが問われてきます。
ゆえに、1年分2年分の内容を家庭で先取りしてスタートに備えるツワモノだっているわけです。
決して入塾が「ヨーイ、ドン!」じゃないということですよね。
100メートル先に行っている者
1000メートル先に行っている者
準備体操が終わっている者
今から準備体操をする者
まだ走る準備すらしていない者
など、「入塾」というスタート時点についた時には、それぞれがさまざまな位置にいるということです。
「今から準備体操をする者」が「1000メートル先に行っている者」と同じレベルにはない。そこには、動機、勉強量、情報量がまったく違うわけですから。
それは子供の才能とかの違いではないですよね?
意識の問題、ですよね?
それが欠けていると、たとえば、
子供がどんな授業を受けどう感じているのか知りたいと思ったのですが、塾は本来見学はさせてもらえないものなのでしょうか?
入塾前に見学はしなかったの?と多くの方は疑問に思うでしょう。
たいていは入塾前、入塾後でも見学できる。子供の気が散るという理由で見学を行っていない塾もあるようですが。これらは入塾前に確認しておくべきことです。
ただチャムさんがおっしゃっているように、中学受験をさせる理由が
地元の中学が荒れている
6年一貫で質のいい授業を期待できる
難関学校を狙っているわけではない
という割と最近多い「ライトな」中学受験をお考えのようですから、準備も割と「ライト」にしていたのかもしれませんね。
「ライトな」中学受験は全然問題ありません。それぞれが自分なりの目的を持ってやることですから。
しかし、「ライトな」中学受験でも、親はしっかり考えておかなければ、「ライトな」中学受験のはずなのに
子供がやる気をなくす
ことには十分つながるといえます。
もっといえば、「ライトな」中学受験こそ、親が基準を持っていないといけないんです。
どういうことか?
チャムさんは四谷大塚の教材ということですから予習シリーズを使っているのでしょう。この教材はとてもよくできていると私は思っています。
4年生においては予習シリーズは決して難しい内容を現段階でやっているわけではないですから、予習シリーズは、特にライトな中学受験においては非常に有効な教材と言えるのではないでしょうか。
というのも、予習シリーズは基本から標準レベルの問題が中心で、無理なく勉強を進めれるよう工夫された教材。基本を知るにはもってこいの教材です。
通常は、この予習シリーズにプラスアルファで宿題の問題集や演習問題集や塾が作成するプリントや塾オリジナルの教材などがもれなくついてくる。
みんな、このもれなくついてくる課題をこなすのに四苦八苦しているわけです。難関校に行きたいなら、これら付属のもれなくついてくるものもこなさなければならない。
でも、難関校を目指さないチャムさんのご家庭であれば、もれなくやらなくてもいいのではないでしょうか?
チャムさんは
宿題が多く内容も難しいため、宿題を持ち帰ってはわからないところを教えて、けんかしての繰り返し
と書かれています。
チャムさんの場合でいくと、「難関学校を狙っているわけではない」というのがいったいどのあたりのことを指しているのかがわかりませんが、「難関学校」を目指すのでなければ、実は予習シリーズだけをきっちりやれていればOKなところもある。
予習シリーズのちょい上までという学校だってある。
つまり、いろいろと塾から課題が出ているけど、「ウチはこれとこれができていればOK」という判断を下す必要も出てくるということです。
塾がそれを肩代わりしてくれて「これとこれ」と言ってくれないなら、なおさら親が判断していかないといけない。ここに今所属する塾の情報、今のクラスはどのレベルの中学校を目指したカリキュラムなのか?の問題も大いにかかわってきます。
志望校の中学に行くには、
どれくらいの勉強が必要か?
どこまでの勉強が求められるか?
順位はどれくらいが必要か?
素点いくらくらい?
などをを知っていなくてはなりません。知らなかったら、知って初めて「我が子はできていない」と判断も下せる。
イイ点数がとれないというのはいったい
通っている塾での話なのか?
四谷大塚系列全体の順位の話なのか?
素点で言っているのか?
どの基準で判断しているのか?ということなんですね。
極端に言うと、素点が悪くて、四谷大塚の中での順位が悪かったとしても、これくらいできていればOKということも志望校によってありうるわけです。
テストの点数や順位そのものとは別の判断基準を親がしっかりしておかなくてはならないことが出てくるわけですね。
その上で、たとえばテストで1万人中で8000番だったとしましょうか。
最上位の学校を目指すなら、1万人中200番までにいなくちゃならないと単純な判断が可能ですが、「難関校でない」中学校を目指すなら、1万人中8000番でもいい場合もある。
数字を見れば、「オレって後ろから数えた方が早いや!」なんて言うかもしれない。でも、決して難関校を目指していない場合は、8000番で劣等感を持つ必要はないわけです。いや、すごく気をつけて絶対に持たせちゃいけないんです。
だって志望校には必要ないんですから。劣等感を持って志望校に行かせずに、ノリノリで行かせてやる。
それが親の役目でしょう。
そのためには、「あなたはこれでいいのよ!余分なことなんてしていないんだから!」とか、いま求められていること、今やっていること、目指していることなども含めてその価値についてもしっかり話してやらなくちゃいけない。
だって、8000番でもイイ!というには、子供も納得する理由がいりますから。
現にライトなはずの中学受験で難関校を目指す子よりも負荷は少なくて済むはずなのに「やる気が失われつつ」ある。
一大事です!!
そういう意味で大変なんです、ライトな中学受験も、親はね。
いや、まだ志望校は決まっていないんだ!ということなのかもしれませんが、それだったらなにを基準に「月例テストも初めて受けましたが思ったより難しい内容で、それほどいい点数では有りません」と言っているのかとなるわけですね。
もっといえばば、その悪いという基準はそれに値する努力をした上でそうなっているのか、努力も足りていないのかでも判断は変わってくる。
繰り返しますが、あまりイイ点数はとれていないけれど、今のままで十分だということだってありえるわけですから。
ライトな受験ということは通常塾が定めているカリキュラムのうち、習熟度100%でなくても大丈夫、一番上のクラスでなくてもかまわないということでしょう。
100%はあくまでも塾のカリキュラムに対してです。それが30%でいいのか、50%でいいのか、70%でいいのかは、どこを目指すのかによって変わってくるのです。
難関校を目指す場合は、もう塾のカリキュラムに対していかに100%にしていくかが問題になる。
チャムさんの場合は、今通う塾でいったいどれくらいこなしたらいいのかをまず明確にする必要があります。
明確になって、たとえばそれはカリキュラムの50%程度とかテストでは6割程度とか基準が明確になれば、家庭学習は今より余裕をもって取り組めますよね?
今は100%に対しての評価になっていませんか?
これもあれもやる必要がなければバトルだって減るでしょう。その上で、まだまだ足らないとなれば、親子で足らない部分の勉強をするのか、個別指導なのか家庭教師を検討することになります。
いつも言っていますが、個別指導や家庭教師にカリキュラムをお任せするのは危険です。個別指導や家庭教師では、「この問題を教えてください」と具体的にお願いするのが理想ですからね。
転塾については、ここまで書いてきたことを元に塾と話し合いをして、納得できなければ、カリキュラムや学習内容を確認した上で塾探しという流れになるでしょう。
今抱えている問題はどこの塾に変わっても、問題がある限り、必ず噴出してきますので、トライ&エラーをした上で考えられたらいいですね。
最後に、
うちの子は気は強いのですが、まったくの内弁慶で、積極的に質問もできず
について一言だけ。
気が弱い、質問がなかなかできないということはあります。おとなしい性格の子だっているから、それを転換しろというのは、求める必要はないと私は思っています。
しかし、外ではおとなしくてあまり言えないけれど、家庭内では、親に対してだけ「オリャー!」なんて言う場合は本当に気をつけないといけません。
家で親に「オリャー!」と言うなら、外でも言え!
外で「オリャー!」って言えないなら、家で言うことも許さない!
それはぜひ頭の片隅に入れておいてほしいことです。