こんにちは、ストロング宮迫です。
新学期になって、ちょびまた寒くなりましたが、登校している子供たちはみんなとてもツヤのあるイイ顔をしています。
夢と希望があるって感じがこの時期の子供たちの顔からは読み取れる。ただそれも5月の連休明けくらいからは少し様子が変わるはずです。
一部で元気のなさそうな、しんどそうな子供たちが出てくるんですな。この1ヶ月でいろんなことが出てくるでしょう。
しっかり観察しておきたいものですし、お子さんから学校の話なんかを注意深く聞いてやったらイイですね。
ここ何回か新学期を迎えるにあたって春休みをどう過ごしてきたかというメールを紹介してきましたので今回も1つ紹介しましょう。
「ヨーイ、ド・・」・・って言ったときには、もうみんな走り出していて「ドン」って聞いた時には、もうみんなだいぶん先に進んでいたっていう話です。
今回紹介するのはこの春に中学受験を終了し、私立中高一貫校に入学された方です。
ひと月ほど前、相談させていただいた者です。
的確なアドバイスをいただき、感謝しております。この春休みにやってみて良かったことをいくつかご報告します。
苦手意識のある漢字について、漢字検定を7級(4年レベル)から5級(6年レベル)まで受検・合格したこと。立派な賞状が3枚も揃い、部屋に飾っています。
小さな自信の積み重ねが大事なのですね。
それから、400字程度の作文を2~3日に1本書き続けました。
公立中高一貫校の試験内容を参考に、テーマを提示して、下書き・清書を繰り返しました。最初は何も言葉が出てこない、構成も思いつかない、だからやらない、と困難に直面しましたが、知り合いにお願いをして添削をしてもらい続けました。
1か月ほど続けたおかげで、自己表現のできなかった彼が、自分の思いを言葉に表すことの喜びを感じたと言っていました。
「苦しい」「嫌だ」「もっとやってみたい」「興味がある」など、自分の素直な思いを押しとどめていたことに気付き、またそれが親の私の対応が原因だったとわかりました。
最近、私の言動に鋭い指摘・突っ込みを入れてくることがあり、また口答えや反抗的な態度をとるようになって、とても嬉しい気持ちです。やっと自己表現ができ、自己認識ができ始めたのだと。
また、自分で計画をたて確実に実行するように、子ども=選手、親(私)=マネジャー、に徹しました。
片づけや時間管理が苦手で、その成長を待っていたのでは受験は乗り切れないと判断して、試行錯誤のチャンスのかなりの部分を奪っていた経緯があります。
その反省をもとに、子どもの計画倒れ癖から脱却できるように、伴走者として応援をしてきました。
3月下旬から4月に入って、最少の計画を立てて余裕があれば翌日は増やしていくことができるようになり、顔色も良くなってきました。
そして、先日無事に入学式を経て、新しい中学校生活をスタートしました。まだひとりで器用にこなせるレベルではありませんが、ひとつステップを乗り越えました。
以上、ささいな出来事ではありますが、感謝をこめてご報告いたします。
イイ準備をして入学されたわけですね。テーマを持って取り組まれているのもイイですね。
「口答えや反抗的な態度をとるようになって、とても嬉しい気持ち」なんて多くの方はそんなあ・・・・って思うのかもしれません。
でも、それはこの方がおっしゃるように「自己表現ができ、自己認識ができ始めた」と考えることもできるわけです。
意志があるから口答えも反抗もある。自己認識が深まって、意志が出てくるから自己表現をするってわけです。
多くの家庭でも「私の言動に鋭い指摘・突っ込みを入れてくる」ことが学年が上がれば出てくるでしょう。でもそれはダメなんじゃない。
今度は親の「言動に鋭い指摘・突っ込みを入れてくる」ことを材料に話し合って、お互いが納得できる約束を決めて実践するにつながっていきます。
親から子供へ、または子供から親への一歩通行じゃ、そもそもの話し合う材料が出てこないのですから。
日経新聞にとてもおもしろい記事が出ていました。親子関係とはまるで関係ないと思われる地方自治体の話ですが、ここに出てくる市長の言葉を親子関係に当てはめるだけでイイ。
愛知県長久手市は、
人口5万人の一見何の変哲もないベッドタウンだが、「快適度」「子育てがしやすい」といった各種調査で「日本一」に輝き、今も人口流入が続いている
住みやすい町、日本一という評価をされているそうなんですが、長久手市の市長の発言がおもしろい。
※この毎日親技は2015年4月20日に配信したものです
2015年3月23日 日本経済新聞 電子版
「地方自治は民主主義の学校と言われるが、市民に力がないと成り立たない」。
だから、わずらわしい課題を住民に投げかけ、議論を起こし、時間をかけて考えながら合意を作り上げていく。
その繰り返しが「自治の力」を高める。市役所は、そんな「場づくり」に徹する。
「遠回りした方がいい。ケンカしながら、時間をかけて落とし所を見つけていく」。
そして振り返れば、そこに地域再生の物語が生まれているという。
市の職員にも、遠回りの道を求めている。「うまくやるな。できれば、失敗しろ」と繰り返す。
ピンときました?
こなかったって!?
少し言い換えましょうか。
家庭での家族の物語が生まれるために「うまくやるな。できれば、失敗しろ」ってことです。
わずらわしい課題を「子供」に投げかけ、議論を起こし、時間をかけて考えながら合意を作り上げていく。その繰り返しが「家庭の力」を高め、子供の力を引き出す。「家庭」は、そんな「場づくり」に徹する。
「口答えや反抗的な態度をとるように」なって、「私の言動に鋭い指摘・突っ込みを入れてくる」ってことは面倒だけれど、それが始まったっていうことです。
子供には日々いろんなことが起こります。解決不能な問題だってたびたび起こる。
もし、ウチの子には何も起こっていないという人がいたら、それは「知らないだけ」なんです。
たとえば長久手市では・・・・
2015年3月23日 日本経済新聞 電子版
・・・・長久手市の一角にある雑木林に、「樹木の害虫」と言われるカイガラムシが大量発生した。
体長1ミリほどの小さな虫は隣接する新興住宅地にも広がり、外壁に黒い米粒のように張り付いていった。
「早く駆除してくれ」。市の産業緑地課に苦情の電話が殺到し、職員が殺虫剤散布に乗り出そうとした時のことだった。
「ちょっと待て。対処法を住民と話し合え」
市長の吉田一平は、そう言って制止した。担当者はいきり立つ住民と市長の板挟みにあう。そうした中、専門家による調査が始まった。事態は深刻だった。
4年ほど前、雑木林で樹木が朽ちる「ナラ枯れ」が発生し、殺虫剤がまかれた。それがカイガラムシの天敵であるコバエを死滅させ、生態系が崩れて大量発生につながった可能性が高い。
かつての生態系を取り戻さない限り、根本的に解決しない。専門家は、最後にこう指摘した。
「どうしても来年、カイガラムシを発生させたくないなら、雑木林をすべて切り倒すしかない」。
それを聞いて吉田は覚悟を決める。「これは激しい議論になるな」
新築の住宅を買ったばかりの住民が、緑豊かな林をハゲ山にすることに、同意するはずがない。だが、カイガラムシは駆除したい。その問題の原因を追っていくと、宅地開発が自然環境に影響を与えた事実に直面する。
だが、こうした難題を、吉田はあえて住民と役人の間に放り込み、自分たちで解決策を考えさせる。
あっちを立てれば、こっちが立たない。こっちを立てれば・・・・
「宅地開発が自然環境に影響を与えた」生態系の問題ですから、それぞれの立場の人がそれぞれモノをいえば、解決不能な問題でしょう。
そこで市長がやったのが「こうした難題を、あえて住民と役人の間に放り込み、自分たちで解決策を考えさせる」「対処法を住民と話し合え」だった。
担当者は「いきり立つ住民と市長の板挟みに」あって、そりゃあ大変でしょう。
でも、根本的には解決しなくても、それぞれが少しずつ妥協し合って落としどころを見つけていくんでしょう。
こうしてスッキリ解決するものもあれば、スッキリ解決しないものもあるはずです。
でも、それでいいんだということではないでしょうか。家庭や家族だってね。
大事なのは「こうした難題」をあえて家庭の中に持ち込んで「自分たちで解決策を考えさせる」「対処法を話し合う」ことだから。
このやり方は
「遠回りした方がいい。ケンカしながら、時間をかけて落とし所を見つけていく」
というやり方ですが、これがいいのは、そのあとに「家族再生」の物語が生まれてくることです。
「あの時ああ言った」は自分の立場を明確にして縛ることにもなる。「ああ言った」のにやってないじゃないかってことにもなる。
それは子供だけじゃなく、親にだって適用されるのです。それは「できもしないことを強制する」を排除することにもなる。
繰り返しますが、大事なのは問題を解決することではなく、「こうした難題」をあえて家庭の中に持ち込んで「自分たちで解決策を考えさせる」「対処法を話し合う」ことだから。
解決策は、この話し合いの先に必ず示される。スッキリ解決されることばかりじゃないが、それが家族の歴史になり、子供が自立したときの自己判断にもつながっていく。
「地方自治は民主主義の学校」とは有名な言葉ですが、「家庭は子供が社会に出るための学校」です。「自己表現ができ、自己認識ができ始め」て初めて家族の話し合いが成り立つ。
だから、「口答えや反抗的な態度をとるように」なって、「私の言動に鋭い指摘・突っ込みを入れてくる」ってことは面倒だけれど、それが始まったってことだし、だから「とても嬉しい気持ちです」となるのはよくわかるってことです。
そして、お子さんも「自己表現のできなかった彼が、自分の思いを言葉に表すことの喜びを感じたと言っていました」とありましたよね?
これなんて愛知県長久手市の住民に起こったことと同種のものだと思いますね。
記事の中にはこういうのもありました。
2015年3月23日 日本経済新聞 電子版
「時間に追われる国」と「時間に追われない国」。それぞれの特徴を書き込んだ表を作っている。
「時間に追われる国」とは、企業や軍隊、病院などを指す。目的への最短距離を走ろうと、能力価値を重視して、数値に追われる。「悪いこと」を切り捨てると良いものになると考える。
一方、「時間に追われない国」とは子供や高齢者、地域社会を指す。雑木林のようにいろいろな人が暮らし、解決や完成とはほど遠い。感性で物事を見る。そして、いいことと悪いことは切り離せないと思っている。
だが、高度成長の成功体験を持つ世代が、会社の論理を家庭や地域社会に持ち込んでしまった。
幼児から英語や楽器を教え込み、小学校に上がれば「中学受験」、その先は就職活動と、子供を次の準備に駆り立てる。リタイア後に地域活動に参加しても、「規律」や「結果責任」を求めてしまう。
こういうのを読むと、なんだか受験勉強が「悪者」になっている感もありますが、私はそうは思わない。
家庭の中が、親子関係が「時間に追われる国」だけになることを怖れるだけ。
ある場面や局面では「時間に追われる国」スタイルで動かなきゃいけないときだってある。でもそれだけじゃあ、ギスギスして組織も家庭も動かない。
ある場面や局面では「時間に追われない国」が家庭の中に出現しないと息が切れる。
要は1つの家庭や家族の中に「時間に追われる国」と「時間に追われない国」が両方なくちゃならないわけです。
数値を追って悪いことを切り捨てなきゃ、規律がなけりゃあ、成績は上がらない、絶対に。
でも、その価値観ですべてを見出すと、「解決や完成とはほど遠い」問題に出会った時に立ち往生することになる。だって「難題」では即座に解決方法なんて浮かばないんだから。
「時間に追われない国」だけに住んでちゃ、子供たちは学校や塾で蹴っ飛ばされることでしょう。
「時間に追われる国」と「時間に追われない国」両方を体験しながら、子供たちは大きくなっていかないといけません。
面倒ですなあ。でも、それが子供っていうもんですから。
他人を見たらわかるはずです。この人は「時間に追われる国」だけに住んでいる人だなとか、「時間に追われない国」だけに住んでいる人だなって。
でも、人はどっちかの「国」だけに住んでいるんじゃない。どっちの国にも行ったり来たりしてバランスを取ってる。
疲れたら「時間に追われない国」へ行ってリフレッシュ、リフレッシュしたら「時間に追われる国」で数値を追う。
どっちの国がすばらしいか、じゃない。どっちの国にもスムーズに行ったり来たりできる家庭がいいね。それを運営するのは大変だけど、やっぱり子供にはどっちの「国」のことも教えてやりたい。
先に紹介した方は、長久手市の市長がしたのと同じことをこの春休みに実施したんだと思います。
議論が巻き起こって、喧嘩もあって、遠回りと思えることもしたけれど、一方通行ではない「時間をかけて落とし所を見つけていく」やり方を実感したんだと思います。
だから
私の言動に鋭い指摘・突っ込みを入れてくることがあり、また口答えや反抗的な態度をとるようになって、とても嬉しい気持ち
になったんだと思うし、
そう思えたのは
自己表現のできなかった彼が、自分の思いを言葉に表すことの喜びを感じた
と「自己表現をした」からでしょう。
あなたの家庭における「時間に追われる国」と「時間に追われない国」のバランス、そして「あなたの家族の物語」はそもそも始まっているのだろうかをぜひこの機会に考えてみてください。
キーワードは
「遠回りした方がいい。ケンカしながら、時間をかけて落とし所を見つけていく」。
「うまくやるな。できれば、失敗しろ」
です。
小5 Dさん
こんにちは。今日は嬉しいご報告です!
4年の間、ずっ~~~と50台後半で苦しんでいた算数でしたが、3月の公開模試でようやく偏差値61になり、今回4月の偏差値は64になりました。
冬休みに4年の全範囲を復習し、そのなかで怪しげな問題をイケドンファイルにまとめ、3学期に毎朝1枚+α復習しました。それがほぼ完了した頃、3月の結果が出ました。
先生方は「基本あっての応用」、「難問に目を奪われて、基本問題を落とすようでは意味がない」と、まさにストロング先生がおっしゃるのと同じことを言われます。
けれど、そろそろ大丈夫でしょう、とおっしゃってくださり、大変嬉しく思っています。しかし、これから本当の意味で、ABC分類が効いてくる正念場だと思っています。
5年になり、全体での評価は悪くないのに、教室の席順が下がっています。そして、席順の入れ替えもかなり激しく、みんな本気で頑張っているのだとつくづく思います。
サッカーも忙しくなり、両立も本当に大変ですが、足下をすくわれないよう、これからも 頑張っていきたいと思っています。
とりあえず、ストロング先生、ありがとうございます。これからも子どもと一緒に頑張ります。
頑張りましたねえ!!すごい! まさに親の根気の結果ですね。
2回連続での偏差値60突破は本物ですから塾の先生が言う「そろそろ大丈夫でしょう」とも合致しますしね。
まだまだ気が緩められませんが、結果も出ましたから、今までやってきたことを信じてABC分析を今まで以上にやってテストに臨んで下さい。
中学入試で勝負するなら塾で習ってきたことを確実に落とし込んでいくノウハウは5年生までにはきっちり確立すべし!