こんにちは、ストロング宮迫です。
怒涛の中学入試は終盤、これからは高校入試が主体の時期になりました。
大変多くの受験報告をいただいております。ありがとうございます。少し返信に時間がかかっておりますが、順次返信をしていますのでもうしばらくお待ちください。
1つ、いただいた受験報告を紹介します。
小6 杢之助さん
ストロングさん、こんばんは。杢之助です。
怒涛の一週間がようやく終わりました。
結果は1勝7敗でした。
色々相談させていただき、ありがとうございました。
第一、第二志望には届きませんでしたが、2次、3次までやりきったことで本人は結果に納得し、早くも学校生活を夢見て楽しみにしています。
下記【受験の顛末】にありますが、親としては親技を駆使できなかった反省点が多い受験でした。これも塾任せの妻と子を説得できなかった私の力不足です。
ただ、子供の急成長(特に最後の一週間)を見て、振り返ってみれば楽しく、有意義な受験でした。おそらく、子供とここまで真剣にかかわれることはそうそうないと思います。
【受験の顛末】
1/12 ×
1/19~1/30 小学校休む
2/1 A1次× 午後C×
2/2 B1次× 午後D◎
2/3 A2次×
2/4 B2次×
2/5 B3次×
一番きつかったのは、2/2午後でした。今振り返っても良く受かったと思います。
というのは、塾では合格発表直後、各校に成績が確認できるんですね。それによると「2/1A1次」が一番惜しかったようで、例年なら合格最低点レベル。
本人も十分手応え有りで、半ば合格したつもりで浮かれてしまい、2/1午後を油断して、30点差で不合格。
2/2午前もA1次の合格発表が気になって問題が手につかず、20点差(受験者平均点)で不合格。
この試験後、2/1A1次の不合格を知ったとたん、「もう(受験)やめる」と号泣。
それをなだめすかして、何とか2/2Dまで連れて行き、集合時間ギリギリまで同校の前日A日程問題(B日程よりやや優しい)を解かせて自信をつけさせ、
「ここで踏ん張ってDに合格しないと、Aの2次は受けても勝負にならないよ」
と送り出したところ、合格してくれました。
その後は、本人も気を取り直して「(親が)付き添わなくてもいい」と独りで受験会場に行くなど頑張ってくれたましたが、算数が最後まで足を引っ張って、本日最終結果が出たところです。
【成績の推移】
夏までに合格圏内を目標にBレベルにまで引き上げ、さらに上のAを目指して秋までは伸びた成績が、その後は下降する一方でした。
国語と社会は偏差値60を超えることも多かったのですが、「算数」が伸び悩み、最後は50を割ることもありました。
原因は、秋に始めた過去問演習のやり方の塾と親技との違いだと思っています。
最初は偏差値48から順番に52くらいまでステップアップしていましたが、塾の「志望校の過去問100回」指令を信じる妻と子を説得できず、志望校の過去問は「君が塾で一番やった」と言われたくらいにやりましたが、所詮過去問は過去問。
初めての問題には弱い体質が出来上がってしまいました。
ただ、最後まで偏差値50を越えることのなかった「理科」は、4~6年生の教科書熟読が効いたのか、本番では合格者平均点を取れるレベルまで上がりました。
【反省】
1.5年生で穴を作ったこと(親が勉強を見る、教える体制)
・塾に通ったのが6年生からで、それまでは家で親が勉強を見たり、教えたりする体制でした。
・1対1の体制では、わからない分野になってやる気が失われた時の立て直しに相当時間がかかりました。
・途中、まるまる1か月勉強できない時もあり、切磋琢磨する友達がいる環境に置く必要性を感じました。
2.机上の勉強だけではダメ(子育てもしながら関わらないと)
・成績を上げることに一生懸命で、勉強中心の生活にシフト。
・それまで自分でできることは自分でさせ、家の手伝いも当たり前のようにしていたのに、それらを一切止めさせたことで、躾がおろそかになってしまいました。
・テキスト以外(日常生活での会話や学校生活での友達関係など)から学ぶ部分が大きいのに、その時間が大幅に削られ、バランスの悪い勉強になってしまいました。
3.積み重ねを大切に(特効薬=近道はない!)
・上記に2つにもつながりますが、学力をつける、自信をつけるには特効薬はないことを痛感。ステップバイステップで上がっていくことが必要。
4.一致団結(これが一番大事)
・塾・家庭が納得して同じやり方で同じ方向を向いて進むことが大切だと痛感。
・子供は自分で決められないので、それを考えると親や塾が揺れ動いていることで不安を与えた気がします。
5.精神的な強さを持たせる(場数を踏む、逆境に強くなる)
・うちの子だけとは思いませんが、親や塾の先生の言うことを素直に聞きすぎて、自分がやりたい勉強ができず、成績もあがらなかったことはつらかったようです。
・小学6年生に求めるのは難しいと思いますが、精神的な強さ(ずるさ、しぶとさ、したたかさなど)を少しでも持ってくればいいと感じました。
【感想】
・今は頭の中でグルグル回っていて、このまま書き続けると1冊の本ができるくらいの分量になりそうです。
・冷静になったらまた整理してご報告するかもしれませんが、一言でいうなら「親技は効果抜群!(ただし、その子にあったやり方で)」に尽きます。
本当にありがとうございました。
杢之助さん、大変な日程を過ごした後でご丁寧な報告をありがとうございました。
本当に「今は頭の中でグルグル回って」いる状態でしょう。これから3年、6年かけて考え続けていくことになろうかと思います。
そして、大学入試を迎える頃に今考えていることをどう方向づけて持っていけるかで、またこれからの6年をどう過ごすかで今回の経験がさらにすばらしいものになるか、それともより苦いものになるかが決まっていくだろうと経験上感じます。
いかに熱烈に志望校を希望しようが「お子さんを入れてくれた学校がイイ学校」と自身の経験と多くの受験生を見てきて思います。
しかし、熱烈な志望校があればあるほど、ダメだった時の落胆は大きく、失望や絶望にかわります。
長い年月を経た受験生活なわけですから、こうした気持ちの上げ下げは当然ある。
しかし、長い受験生活だけではなく、1週間の入試でもその気持ちの上げ下げがあることが杢之助さんの報告でもわかりますよね。
「2/1A午前」の結果が「例年なら合格最低点レベル」で、かつ「本人も十分手応え有りで、半ば合格したつもりで浮かれてしまい、2/1午後を油断して、30点差で不合格」そんなことがあるのかといわれればある。
「2/2午前もA1次の合格発表が気になって問題が手につかず」実際にこうした事例は多くみられます。
ボーダーラインで戦っている受験生にとって差は1教科1問とか2問でしょう。「20点差(受験者平均点)で不合格」はそのことを表しています。
獣のように獲れる問題を獲りにいかなくてはならない受験生が油断や発表が気になれば、1教科で取れる問題をいくつか落とすというのは出てくる。
その上、2/1A1次の不合格を知ったとたん、「もう(受験)やめる」と号泣、しかしいったん合格が出ると、「(親が)付き添わなくてもいい」と独りで受験会場に行く・・・
たった1週間でもこれだけの気持ちの上げ下げが出てくる。
サッカーなんかを見ていても、イヤな感じが漂う雰囲気の試合でも1点ゴールが入ればチームが活気づく。疲れていても急に走れるようになったりしたりね。あれと一緒で「やったー」とか「いける」と身体が反応すると、もう一頑張りができるものです。
年単位でやってきた受験勉強をたった1週間で一気にリアルに体験するのが受験ということでしょう。
それで考えると、杢之助さんの場合、1月入試が黒星でしたから、2月2日の午後が黒星となれば、報告なんてする気も起きなかったでしょう。
熱烈に志望をする中で冷静に受験校を判断、選択する必要性を改めて感じます。
加えて杢之助さんが書いてらっしゃる
学力をつける、自信をつけるには特効薬はないことを痛感
ステップバイステップで上がっていくことが必要
の重要性を受験を経験された方から聞かされることを私たちは肝に銘じないといけないですね。階段は1つずつ。
夢は大きければ大きいほどイイなんてボクが言えなくなったのも、こうした多くの受験生を見てきた経験から出ることです。
目の前のことをしっかりできることしか夢に近づくことはできないわけで、目の前のことがきちんとできないで夢ばかり見たり語ったりする受験生を厳しく戒めるのはそうした理由からです。
結果は1勝7敗でした。
とのことですから、杢之助さんもいろいろと考えることでしょうし、これからもあれこれ考えることでしょう。
ただ今回の結果をどんな色の経験にできるかはこれからのお子さんの生活にかかってくるのだけは確かなように思います。
後悔や反省はあるとしても、これからをどう過ごすかで過去の体験の色は決められる。すでに起こった苦い過去のことだって、これからの生活によってバラ色にだってできる。すべてはまたここから始まっていくんですね。
「あの時の経験があったから・・・」は今が充実している人からしかでてきません。そう言えるようにこれからも子供の様子をぜひ観察していただきたいと希望します。
「やっぱりあのときもそうだったじゃん。同じことだよ」こうなってしまうことが一番苦いものになってしまいますから。
そういう意味ではお子さんが「早くも学校生活を夢見て楽しみにしています」とのことでなによりです。頑張って手に入れた学校だから、しっかり頑張ってね。
受験が終わるとよく「あんな学校に行くつもりはなかった」という話を耳にします。ボクも大学入試ではそう思い、つまらない学校生活を過ごし、その後10年近くも「あんな学校に・・・」と思い続けていたことはここでも書きましたよね。
しかし、学校がつまらないわけではないんですよ。「あんな学校に行くつもりはなかった」と言っている自分が一番つまらなかった。だから入ったところでしっかり頑張って花を咲かせる。
あそこでないと花が咲けないとか、あっちじゃないとイイ実がならないとかは「今がない」人ということです。気持ちはわかります。
わかるけれど、花はどこでも咲かせることができる。どんな花を咲かせるかの種類も色も自分で決めることができる。
実際「あんな学校」って言ってても、そこで1番の成績を取ることはかなり難しいものです。1番を獲ったもの、1番を獲りつづけたものは数えるほどしか知りません。
どこでだっていつだって今いる場所で花を咲かせる。「置かれた場所で咲きなさい」とは渡辺和子さんの本の題名ですが、置かれた場所で今いる位置で咲き誇れ!
それが杢之助さんの言う「ステップバイステップで上がっていくことが必要」の本当の意味でしょう。
どんなに辛い受験結果であっても、その灰色に染まった受験結果もこれからの生活で上塗りしてバラ色に変えていってほしいと思います。
そんなことができるのか?
できる!
そのために大事にするのは「今」と考え方です。
考え方が間違っていると「あんな学校」と口から出てくるし、「あんな学校」と言っているうちは子供も頑張らない。頑張らない理由にもなる。
もし「あんな学校」って思えているなら、これまで過ごしてきた受験生活、受験に対する考え方が間違っているというサインです。間違った道を歩み続けてもあなたが目指す頂上には着きません。歩めば歩むほど・・・
受験はかかわった親にいろんなことを教えてくれます。時には自分の考えを大きく転換するきっかけを与えてくれることもある。すべての出来事は与えられたサイン。
サインをどう考えるかはあなた次第です。
杢之助さんの報告、来年受験の家庭にとって参考になる点を多く含む報告でしたので、ここに公開しました。読む人によって様々なヒントが与えるものとなるでしょう。
杢之助さん、ありがとうございました。そしてご苦労さまでした。まだまだ続く旅の途中です。頑張ってください。
この話の続き、杢之助さんからの返信はこちらこちらで。
小6 ゆのみさん
受験終わりました。ようやく長かった受験期間が終わりました。
全勝とはいきませんでしたが、”第一志望2”には合格しましたので親子ともホッとしております。
親技は、小2からメルマガを購読させて頂き、鉄則、親カツと進んできましたが、出来の悪い親でなかなか上手く活用は出来なかった気がします。メールで回答頂いた内容も子供に上手く伝えられなかった様な気もします。
でも子供は頑張りました。
塾の授業も宿題も過去問も時々は寝ていましたが、共働きの頼りない親だったので自分で処理していました。
私は、当日やることをメモしておいて、帰ってから「やった?」と聞くだけでした。
内容は、ちょっと手抜きだっかも知れませんが、とりあえずやりきっていました。お陰様で、色んな後悔はなきにしもあらずですが、受験当日、穏やかな気持ちで送り出すことが出来ました。
第一志望1は、元々親や塾が勧める学校でしたので、本人は満足の結果の様です。
最終目標であるロボット博士に向かって、まだもう少し親技にはお世話になります。
ありがとうございました。そしてよろしくお願いいたします!!
親カツ講座前期初回2月号は「受験1年前に確認すること」
※子供が自覚するのを待つなんて、時間の無駄だと思います!