小3 神奈川県民さん

数ヶ月前にこのサイトにめぐり会い、中学受験に対する親の役割の重大さをしっかりと認識させられました。ありがとうございます。

塾講師の言葉に秘められた本音を紐解きながら、親に的確なアドバイスをされるストロングさんにぜひ、ご意見を伺いたいと思います。

「塾通いは何年生からがよいでしょうか?」

とても初歩的な質問で申し訳ありません。

中学受験の書籍を読んだり、いくつかの進学塾の先生の意見を伺ったりしました。

が、どうしても答えが出ません。

書籍では4年生からの塾通いをすすめているものが多いのですがこれといった決定的な理由がありません。

塾の先生は『4年といわず、3年からのほうが無理なく、受験体制にもっていけます。』と言われるのですが、セールストークのようにも感じられ納得できませんでした。

私は受験をせずに公立中学へ行きました。中学受験未経験です。

主人は中学受験をし、私立中学へ進みました。「5年生からの塾通いで充分だった。4年生からでは息切れしてしまうと悪い。」と言います。

しかしこれは20年以上前の話です。

中学受験が珍しく無くなった今日ではどうなのでしょうか?

子どものやる気と、親のフォローで事情は変わってくると思いますが、ストロングさんおすすめの、通塾開始学年を教えてください。

ちなみに息子は小学3年生です。

今の学校の通知表では成績がいいのか悪いのかよくわかりません。

家庭学習をする習慣は付いていて、細切れの時間を合わせると2時間ほど基礎固めの勉強を親としています。

(ある本で、家庭学習は「学年+1時間」とあったのでそれには及びませんが…)

大変お忙しい中、読んでいただきましてありがとうございました。

以前、どなたかが同じような質問をしていたり、お答えになっていたらすみません。

中学受験をお考えになっており、塾はいつから通わせるのがよいだろうかという質問。

いやあ、この質問は本当に多いです!!1ヶ月で結構な数がきます。

本を読んでいると4年生からが良いと書いてある。はい、4年に1票!

塾の先生に聞くと、3年生からが良いと言われた。はい、3年生に1票!

ご主人はご自身の経験から5年生からで十分だろと言う。はい、5年生に1票!

合格体験記には、6年からすべてを投げ打って打ち込んだとある。はい、6年生に1票!

いやいや、難関中学に合格したあの子は、赤ちゃんのころから知能開発教室に通っていたらしい・・・赤ちゃんに1票!

待て待て!塾にいっさい通わずに中学受験に合格したなんて本もあったぞなんて(≧◇≦)

・・・・・・こうなったら、頭もゴチャゴチャ(◎_◎)

もうお気づきだと思いますが、「中学受験の塾通いは何年生からがよいでしょうか?」という質問には、いろいろ「アリ」「なんでもアリ」ということなんですね。

だから、答えも正解もない。

ガッカリしたって!?

では、お聞きします。

「結婚って何歳くらいにするのがいいんでしょうか?」

「27歳」って!?

なぜ?

えっ、結婚適齢期だから・・・・・・

20歳で結婚する方もいれば、35歳で結婚する人もいる。何歳で結婚しても、うまくいく方もいれば、うまくいかない方もいる。

ですよね?

だから、「いつから」「何歳がいい?」という質問にあまり意味はないのです。

その正解のない質問の答えをあっちこっち探し求めても、結局は100人100通りの答えに行き着くわけです。

で、あれがいい、これがいいで右往左往してたら、オイオイもう5年生になっていたよ!なんて・・・・

探し当てたとしても「今はたいてい4年生から」とか「平均すると29歳で結婚しています」とかになる。

でも「たいてい」とか「平均」とかは目安にはなっても、必ずしも自分に当てはまるわけではないでしょう?

もうそういう悩みの答えを求めてネットや本を読みまくるのは、やめましょう。

うちの子供の場合、どうすべきだろう? これをどう考えるか。

結婚適齢期をどう考えるのかについては、答えられませんが、中学受験の塾をどうするのかについては答えられます。

こう考えていけばいいのです。これから、順番に話をしますので、「うちはどうだろう?」って考えながら進んでくださいね。

すでに塾に通われている方で成績が上がらないと悩んでいる方も検証する意味でお付き合いください。

さて、中学受験で塾は必要か?

ここからいきましょう!

ストロングは、塾でやることを家庭でできるなら塾にいく必要はないと思ってます。さすがに、難関中学への合格を目指すのなら、親自身が塾講師といった指導経験者でなければは難しいと思いますが、偏差値50前後の学校であれば、やり方次第では十分可能だと思っています。

これは、子供自身だけでどうにか勉強できるという意味ではなく、塾の代わりを家庭ですることも可能だと言っているのです。

テキストは、四谷大塚の予習シリーズなどの市販の教材を使って、親子で時間割を決めて勉強をしていく。

中学受験ではカリキュラムは必須なのでなにかの、どこかのカリキュラムに乗って進む必要があります。

そのカリキュラムに乗った上で、塾に通わせなければ、親にとっては「お金」の負担が少なくなり、子供にとっては「塾への往復時間」の負担がなくなります。

当然、親の労力はぐ~んと大きくなりますけど(^_^)

なぜ、こんな話をするかというと、よくこんな話を聞くからです。

塾に行って帰るだけで疲れ果て、家で勉強できない

長い時間をかけて塾に通い、授業を聞くだけで精一杯。授業内容は頭に入っていないが、時間的にも体力的にも家での勉強はできない。

どうしたらいいの?と相談があります。

今のままで良いわけありません。

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でも、解決策を探すには、今やっている勉強は、本当に塾でしかできないことなのか?という問いかけからはじめる必要があります。

塾への往復、授業を合わせて4時間かかる。テキストとノートを見て「親子で4時間勉強すれば、どれだけできるか?」と予想してみる。

親子で勉強することに抵抗ないご家庭であれば、絶対検討すべきです。

もちろん塾に通いながら適宜塾を休むなんていう作戦だって多くの方がとっているのはよくご存じでしょう。

塾に行って帰って、成果はゼロ。これより、たとえ2時間の勉強で今より成果を出すことができれば、断然いいわけですから(^_^)

授業数を減らして、家での勉強を増やす。辞めるわけではないので、受験情報は入手できる。こんな解決策が見つかったりします。

このように、志望校、親の都合、親子関係などを踏まえて、塾にいくべきかを考えてみるのです。

相談にもありましたが「5年生からの塾通いで充分だった。4年生からでは息切れしてしまう」について。

これは通っている塾での成績がどうかによってまったく違う答えが出ます。

塾に通って最大限塾を活用でき、行く時間のほとんどをお土産にできるのは塾生の上位20%から30%まででしょう。

上位20%に常に入っている子供はノリノリですし、息切れもしない可能性のほうが大きいでしょう。

息切れするのはやってもやっても成績が上がらない子供たちなのですから。

さて、では、塾に行かせよう考えたとして、いつからスタートすべきとなるわけですね。

まず、お父さんの5年生からで十分だという意見について。これには、注意が必要です。

お父さんの通った塾では当時、カリキュラムが5年生からの2年間で組まれていたのではないかということです。

というのも、私たち親世代が中学受験をしたころは、多くの塾が2年間のカリキュラムを組んでました。

現在、首都圏・関西圏の多くの塾では4年生からの3年間のカリキュラムが主流になっています。これが、地方なんかに行きますと、いまだに5年生からの2年間のカリキュラムだったりもします。

地域によって受験事情は異なりますから、受験する地域の事情に合わせることが必要です。

テキストだってやたら難しい、ややこしい問題が多くの比重を占めている塾もあれば、わりとカンタンな基本を重視するテキストを使っている塾もある。

どっちがいいかというより、お子さんがそれらのテキストの授業を受けてどうなのかということ。

すごい合格実績を出しているから安心!ではなくて、いったいそのすごい合格実績を出している塾でお子さんはどの位置にいるのかが大事なんですよね。

話を戻します。

4年生からの3年間カリキュラムの塾に5年生から入塾とする。もうこの時点で、1年間出遅れていることになる。

スッと入れる子供もいますが、スタート時点からキツイと感じる子供もいます。

5年生の内容を習いながら、同時に4年の勉強も復習しつつ進めないと追いつきません。子供の負担はさらに増えます。それをこなすだけの「能力」と「体力」があれば、5年生からでもアリなのです。

5年生からの入塾だが、塾の授業にスッと入った子は、4年生の間、家庭で準備していた可能性は大ですから。

では、塾の先生に進められた3年生からどうだろうとなりますが、ここにも事情があります。

関西では、これまで4年生からのクラスしかなかった塾が3年生のクラスを新設し、今じゃあ1年生、2年生のクラスもある。

理由は、2つあると思うのです。

1つは、塾生の確保。競合他塾より、少しでも早い段階で生徒を確保するためです。神奈川県民さんが、セールストークに感じらたのはそのためでしょう。

関西では、小3・小4は選抜テストを合格すれば、授業料は免除!なんていう塾もありますからね。

もう1つは、4年からだと落ちこぼれる生徒がいるから。落ちこぼれというより、伸び悩む生徒が多いといった方がよいかもしれません。

中学受験の場合、みんな最初は難関中学を志望校とする傾向があります。

まあ、夢は大きくです(^_^)

当然、塾のカリキュラムは難関中学に合わせたカリキュラムを3年間でこなせるように立てています。これについていけない生徒は、伸び悩むことになります。

だから、無理なくスタートできるよう3年生からのクラスを設置しようということでしょう。難関校志望の家庭ならお金もだしちゃうだろうし!

その証拠に、4年生からはじまる3年間のカリキュラムには変更はなく、3年生にやる内容は4年からの準備の内容となっています。

3年生から通うべきか、4年生からでいいかは子供の状況次第なのです。

では、どうやって判断するか?

まずは、3年生でやるテキストを見せてもらうことです。

うちの子、こんな問題できるかな?と思って眺めてみましょう。

たぶん、大丈夫だと思います。

次に、4年生のテキストも見せてもらうのです。さて、どうでしょう?

大丈夫だろうと思えば、5年生から入塾って!?

ノンノン!!

4年生で大丈夫と思ったら、4年生から行く。

ポイントは「解けるところから、はじめること!」

これが、絶好のスタート切るためのコツですから(^_^)

できないことからスタートするよりも、できることからスタートするほうが気分的にも子供は楽ですからね。

そういう意味では家庭でできなくなったから塾に通うというのは時期としては遅いとも言えます。

いずれにしてもすごい合格実績の塾であろうが、あまり知られていない塾であろうが、塾の上位20%から30%までの子供たちが塾が提供するものを最大限享受できる立場の子供たちです。

その立場の子供たちであれば、塾がススメル講座を全部取っても、元は取れるでしょう。

しかしそれ以外の子供たち、つまり半分以上はその位置にいくまでは講座の取捨選択をし、塾の授業と家庭学習の効率を考え、難しい問題を多くやらないように頭をフル回転で動かして考えなくちゃいけない立場の方と言えます。

皆さんが従事していらっしゃるお仕事と同様、

時間対効果・費用対効果

の考え方をお子さんの勉強に適用することをおススメします。