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こんにちは、ストロング宮迫です。

GW真っただ中で、たぶん誰も読んでなかろうと思いますので、野球のニュースから、親が子供に接する際の参考になりそうな話を書いてみます。お付き合いください。

吉井理人の「投究論」 第4回

投手の「球数制限」「イニング制限」は本当に必要なのか?

球数やイニング制限の問題は、僕らプロ野球関係者を含め、もっと勉強していかなくてはいけない問題だと思っています。

スランプや故障の一番の原因は疲れにあります。疲れが溜まるとフォームが崩れやすくなり、故障の可能性も高くなる。選手は疲れていても、なかなか監督やコーチに「疲れています」とは言いません。

そこを監督やコーチがしっかりと見極め、正しい判断をしなければなりません。


日本ハムの投手コーチを5年間務めさせていただいて思ったことですが、いくら試合で球数やイニング数を決めても、結局、練習でたくさん投げてしまうと意味がありません。

コーチは練習から投げ過ぎていないかを見ていかなくてはいけません。

特に日本人は真面目ですから、調子が良くない時ほど練習しすぎる傾向があります。

状態が悪い時に投げ込んでも、絶対に良くはなりません。そこはしっかりとコーチがストップをかけてあげないといけません。

吉井理人さんのコラムはいつも新鮮な気持ちで読んで楽しませてもらっています。

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「疲れ」に関する話は以前ここで少し触れました。それについては前回触れたので、すでに書いたので、ここではもう1つのことについて考えてみたい。

「監督やコーチがしっかりと見極め、正しい判断をしなければ」ならないのは親も一緒。

すなわち

状態が悪い時に投げ込んでも、絶対に良くはなりません

ここですね、親の方にもぜひ考えてほしいのは。

明日テストだからといって3時間親子バトルしながら、グダグダ文句言いあいながら、なんとか3時間勉強したとしても、テストで良い結果は得られないでしょう。

3時間机に座っていたとしても、実際はあれこれバトルで正味の勉強は1時間しかできていないなんていう場合だって多々あるでしょう。

しかし、親からすれば「明日はテストなんだから・・・」と思う。「だからやらなければならない」「やらせなければならない」となるんでしょうが、実際は正味1時間の勉強なわけです。

だったら思い切って「1時間だけ頑張ろう!」ってしたらいいのにとボクは思います。

「1時間やったくらいじゃあ、全然網羅できません」かもしれないけれど、今の子供が1時間しかできないなら1時間だけやる。それが1時間なのか2時間なのかは普段の様子を見ている親の判断です。

その代り、1時間なんだから、ビシッとやる!そんな風に転換していったほうがグダグダの3時間よりいいと思いますよというのがボクの考え方です。

そして、ボクが検証したところでは、

実際のテスト結果も、「グダグダ3時間」と「ビシッと1時間」を比べたら、ほぼ同じか「ビシッと1時間」のほうが点数は良くなる。

たった1時間じゃ、全部なんてもちろんできないけれど、テスト勉強した1時間のうち、そこからテストに出たものはちゃんと取れる!としたほうが子供だって効果を実感できる。

吉井さんの言葉でいえば、投手が

状態が悪い時に投げ込んでも、絶対に良くはなりません

ように、

子供だって「悪い状態」で勉強しても、一向に良くならないんです。

吉井さんによれば、投手は悪い状態で投げ込むと、フォームが崩れやすくなったり、故障の可能性も高くなる。

子供も同じです。姿勢も悪く、汚い字を書き散らすような勉強や途中の式を書かないような勉強はやればやるだけフォームが崩れ、その後の勉強の姿勢はまさに「故障」します。

テスト前日に「グダグダ3時間」だけだった!というなら、また明日からやり直したらいい。

けど、テスト10日前から「グダグダ3時間」が10日間も続いてたりする。同じ話し合いをグルグルしている。

それは悪い状態で投げ込んでいるのと一緒ですから、フォームは崩れやすくなり、故障する。その結果が今日のテスト前日の「グダグダ3時間」なんじゃないですかと問うているわけです。

テスト前日に「ビシッと1時間」じゃ足りないなら、テスト10日前から「ビシッと1時間」やれば10時間になる。20日前からなら20時間。

いずれにしても正しいフォームでビシッとやるべきなのは野球も勉強も一緒ということです。

いくらテスト前日だから、入試前だから、これだけはやらないといけないと親が思っても、子供がビシッとやれる時間はその時点ではすでに決まっているのです。過程であり、蓄積ですから。

このことは何度も言っても言い過ぎじゃないと思いますので、書きました。

もう1つ、見てほしい記事がある。やっぱり野球の記事ですが・・・

阪神タイガースのゴメス選手は開幕25試合連続出塁の球団新記録を達成するなど大活躍なんですが、そのゴメス選手、来日時は「問題児助っ人か?」と見られていました。

開幕前、キャンプへの合流が二度も遅れ、紅白戦、オープン戦は体調不良で出なかったり、「足がイタイデス」と早退したり。

だから、ゴメス選手はダメなんじゃないか?なんてマスコミからは心配の声が多かったのに開幕してからは快進撃。

そんなゴメス選手について、こんな記事が出ていました。開幕前のキャンプ時での話だそうです。

2014年5月3日 産経新聞
ゴメスを変えた掛布DCの「一言」

なんとも信じられない変身ぶり。いったいゴメスに何があったのか。


ゴメス「監督からも右肩が下がって、下からバットが出ている。もっと上から叩けと言われているが、なかなか出来ない。どうすれば右肩が下がらずに振れるのか、教えて欲しい」

掛布DC「右肩を意識するんじゃなく、右の軸足を意識した方がいい」

ゴメス「肩ではなく足を?」

掛布DC「君は踏み込んだときに軸足の右膝が極端に折れている。だから右肩が下がるんだ。ボールを迎えにいって打つんじゃなく、右の軸足にウエイトを乗せ、ボールを体の近くまで引きつけてから踏み込んでごらん。

右膝の折れも少なくなり、肩も下がらなくなる。コツは構えたとき、右の太ももに自分の体重を感じさせてあげることだ」

アドバイスの内容はさておき、掛布さんのアドバイスがすばらしいのは、「なんとかしたい」と思っている人に、違う視点でアドバイスをしたことなんじゃないかと思うんです。

「右肩をなんとかしろ」と言われるが、それがうまくできないという人に「右膝や右の太ももを意識してごらん」と言ったわけですよね。

自分が悩んでいる現状をこんな風に自分とは違う視点で言ってくれる人って後光が差して見えるんではないでしょうかね。

ゴメス選手はすでに自分の問題点や課題を意識しているから、子供でいえばある程度の成績を取っている子供に言い換えられますので、問題意識も高く、解決策を考えている人へのアドバイスと考えられるでしょう。

「わからない問題が出たら飛ばせよ」と言われてビックリした子供だっている。「今回のテスト、70点でいいぞ!」といえば「えっー」と目を丸く子供だっている。

右肩が下がっている人に「右肩を下げないように」って言って解決すればいいんですよ。問題は解決しないときになにを言ってやるかですよね。

点数や偏差値だけに注目している子供であれば、それ以外の視点を「本気」で示してやればいい。テキトーに言ってもダメですよ。ちゃんと見ている人が言わないと。本気ですね。

「家でやった問題が出たら、それだけとれるように頑張んな」

「偏差値40で全体としては正直よくないけど、家でやった問題は全部できてるじゃん!すごい!」

「時間切れになってもいいから丁寧な字でできるところまでやれよ。今回は丁寧な字がテーマだからな」

「明日テストでやること山ほどあるけど、ビシッと1時間やろう!」….etc

100人いれば100通りのテーマがある。魔法の言葉は、どっかの本から取ってくるのではなく、子供をそばで見ている人が言えるのが魔法のことば。

勉強しているときだけじゃない。GWで遊びに行っているときだってヒントがあるかもしれない。

ウチの子に効く魔法の言葉がないかなと思うなら、子供をじっと観察しましょう。魔法の言葉はないんじゃなくて、見つけられていないだけですから。

まあ、子供を一定期間観察しているという蓄積は必要ですが・・・

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うれしい報告

小4 Mさん

ストロングさま。こんにちは。

世の中はゴールデンウィークですが、我が家では朝早くから勉強の毎日です。

「ライバルたちが遊びまくっている間にさらに引きはなそう!」と子どももノリノリです。

10の鉄則、どれもこれもできていませんでした。全ては親のブレからくる不安定さ。詰めの甘さに由来していました。

それを子どものせいにしていた私は、この鉄則を読んで泣きました。人知れず息子も大変だったのだなぁと声を殺して泣きました。

でも、泣いていてはことは進みませんので、早速話をしました。彼はこれで少しだけ変わったように思います。(省略)

今まで1時間かかっていた勉強も10分くらいでこなすまでになりました。終われば開放します。

朝の早起き勉強も始まりました。彼は眠いのでしょうが、問題が少ないので御褒美スタンプ欲しさに気合い十分です。もちろんアカデミー賞なみの褒め方もマスターしました。(省略)

毎日、鉄則を読み返しています。微細なズレを修正するためです。ストロングさま、本当にありがとうございました。

これからもトライ&エラーで頑張ります。

ライバルたちが遊んでいる間に引きはなそう!いいですねえ。勉強の競争は誰かを蹴落とす競争じゃなく、自分との闘い。

省略しましたが、ノリノリでやるために、あの手この手でやっているようです。
 
あとはスタートダッシュであれもこれもと親が欲張ってしないことです。疲れますからね。これから長い戦いです。1つ1ついきましょうよ。

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