今回は、怒涛の受験シーズンを過ごしているストロングのひとりごとと思って聞いてください。

中学入試・高校入試ともひと段落つき、小学生、中学生は、それぞれ4月からの進学先がほぼ決まりました。

入試が終了して、

のんきな子供

腑抜けになっている子供

楽しそうな子供

悔しさに歯を食いしばっている子供

何も考えていない子供….etc

さまざまでしょう。受験が終わって新生活が始まるまでというのは、とても優雅な時間と子供は捉えているのかもしれません。

で、先日、とある場所で、とある資料を見ていましたら、灘中学校の校長先生の話が出ていました。こんな風な話でした。

・・・(省略)本校では中学入試の席次は発表しませんが、中学入試と1学期の終りの校内定期テストの席次の相関は、非常に低いです。

つまり、「小学校までの成績」と「中学校での勉強」とは別なんだということです。

小学校ですごく成績の良い生徒が中学校でトップになるとは限らないし、中学校で勉強しないで良い成績が取れるということもない。

中学校に入ったら「よーいドン」のつもりでみんなががんばらなきゃいけないということですね。中学校低学年の間に、自分なりの勉強のやり方を身につけることが大切だと思います。

「小学校までの成績」と「中学校での勉強」とは別。この話は、公立中学校の場合も同じことが言えます。

高校受験組の方はこれを「中学校までの成績」と「高校での勉強」に置き換えれば、当てはまります。

ストロングも、このメルマガでかつて「ギリギリで合格した子供は落ちこぼれる?」というお題でその辺りのことについては書きました。

もちろん小学校(又は中学校)までの成績が良ければ、中学(又は高校)に入る段階で、有利なポジションに「今は」いることだけは確かです。

そのアドバンテージをどう活かすか。

また、アドバンテージ以外にこれまでやってきた「勉強のやり方」は上の学年で通用するのかも、きちんと考えていくべき問題です。

「勉強のやり方」云々については、ここでで何度も取り上げていますので、詳細は省きます。

が、量もレベルも新学年になると、受験期よりもさらに上がってくると、受験では通用したのに、新しい学校では通用しなくなったということが実際に起こりうる。

「同じ勉強をしているのに、成果が出ない・・・」

「受験では成果が出たのに新しい学校では成果が出ない・・・」

上の学年になっても、通用する勉強のやり方なのかについては、受験を振り返り、受験期の教材などを見て、よく考えて、検証する必要があります。

さて、同じくとある資料には、こういうのもありました。

私立中学1年の先輩の半数以上が入学前の英語の先取りとして「アルファベット」や「あいさつ」はもちろん「単語」「文法」まで先取りしていた。

とあって、割合のグラフが出ていました。それを文字で書くとこうなります。

Q:私立中学入学準備としてやっていた英語学習は?

◆アルファベット 87.7%
◆あいさつ 75.4%
◆単語 74.9%
◆簡単な文法 56.4%
◆簡単な会話 66.4%
◆英語の歌 43.6%

この数字を皆さんがどう捉えるか?

ストロングの場合は、中学に進む小学生は英語の3人称単数までやって中学校に入学するのを1つのラインにしています。

高校に進学する中学生は単語の1800とかありますよね、あれを最低1回はまわすのがライン。

数学などは本格的に中学受験を始める前の小4で公文の連立方程式までやっていました!なんていう子供だっています。

メンバーさんの報告では、中学受験が終わって、すぐに中学の準備に取り掛かり、代数は、正負の数、文字と式まで、幾何は平面図形に入っています!という報告がありました。

一人じゃないですよ…(◎_◎)

それくらいは当り前!という意識でやっている方もいるというお話ですから、慌てることもビビる必要もありません。

また、ただ先取りして早く行けばいいという話でもありません。ここで考えてほしいのは、そういうことではなく、実は灘中学の先生が言う

「よーいドン!」のゴングは中学受験組、公立中学進学組、どちらの方にも打ち鳴らされているということです。

聞こえていない方もいるかもしれないですが・・・・お子さんは、決してゴールのテープを切ったわけではないですからね。

終わりは始まり、そのゴングが4月からだと思っていたけど、もうすでに鳴っていて、それもしばらく時間が経っている!!ずっと終わりはない!!

もし、勉強に関して、終わりがあるとすれば、親がいつ子供から手を離すかという点だけでしょう。

中学に入ったら勉強面から手を離す!そう決めている方は、そうすればいいし、高校まで見ると思っている方はみればいい。それは家庭の方針でもあるでしょうから、決断するだけ。

ただし、いつ手を離すかは、あらかじめ決めておいてから、準備しておいてから、また子供にも心づもりをさせておいてからやってもらいたいものです。

「中学受験が終わったら手を離すよ!」とあらかじめ準備もし、子供にも宣言してここまで来たのなら、中学になって手を離してもいいでしょう。

でも「中学生だから・・・」となんとなくやると子供が戸惑います。

「よーいドン!」ってゴングが鳴って、スタートダッシュを決めておきたい最初で、この時期に、子供が戸惑っていたんでは、いいスタートになりようがないですから。

同じ戸惑うなら、いいスタートを切ってからのちに戸惑うほうがいいとストロングなんかは思いますけれどね。

まあ、いずれにしても、特に中学受験組の方は、入試まで手がかかって大変だったはずなので、これが中学でも続くと思うと、ゾッとするという感覚は多くの方がお持ちでしょう。

今気が抜けてしまっているのは、実は親のほうかもしれないとストロングは思っています。現在は今までほど熱心に見ていない。しばらくお休みさせてよ!ってな感じ。

しかし、もうゴングは鳴っているという現実。上記の数字をどう捉えてこれからの1か月近くを過ごすか。1か月というと、長いですからねえ。

さて、入試が希望通りにいって、ウキウキで子供自身が自ら進んで、すでに学校から出ているどんどん課題をこなしていたり、問題集に取り組んでいるというメンバーさんからの報告が多く届いています。

逆に、受験で思うような結果が出なかった方で悔やんで悔やんで悔やみきれない・・・・という反省というか、後悔が入り混じった感情がもう長く続いて、どうしたら・・・という方もいらっしゃいます。

以前ここで書いた「受験の結果で、勝負は決まる」については、古い読者の方は、もう頭の中に叩き込まれていると思いますが、受験後の子供たちは、どんな道をたどるのか?

ごく当然ですが、ストロングは、4つの道があると繰り返し書いてきました。

1)合格に気をよくして、その後も成長する

2)合格で油断して、その後の成長が止まる

3)不合格して、その後の成長も止まる

4)不合格した、その後に成長する

そして、こうも書きました。

確かに、親のみなさんが心配している通り、3)の「不合格して、その後の成長も止まる」というのは、そうなることが多いのは事実です。

理由は、1)「合格に気をよくして、その後も成長する」を信じている分、不合格だった場合、すべてを諦めてしまうからです。

親子両方の場合と親子のどちらかの場合の二通りありますが、いずれも結果から自らを全否定してしまうことが原因です。

子供はイジけてしまい、親はそんな子供に輪をかけたように絶望しているんですね。そうなれば、当然、成長は止まる。なかには子供以上に落胆して、子供に慰められる親もいる。

親がこの世の終わりのような顔をして、落ち込んでいて、どうして、子供が「コンチクショー!」と思えるでしょう?

「ぼくは、もう終わりなんだ!」と無言のうちに言っているようなモンです。

泣きたいお気持ちはお察しします。やりきれないでしょう。反省も後悔も、ここまでのあれやこれやもたくさんあるでしょう。

でも、でも、悔やんでももう結果は変わらない。

ストロング、もう少し言い方があるだろうと思う方も多いと思います。でも、でも悔やんでももう結果は変わらないんです。今回の受験結果を受け止めて、新しい生活に切り替えていかなきゃあならない。

こういう問題は、時間が解決してくれるとよく言いますが、本当にそうです。

ストロングのメルマガを読んでいて、あれからもう1年たつんだなと思い出します。

1年前はストロングになきごとやうらみごとをたくさん書きました。いつまでも泣きました。心が晴れず、子供が不憫でならなかった。

もう大丈夫です。子どもは今では制服がきにいって、これが一番という始末で、受験の前と同じように明るくなりました。わたしも。勉強もまだそばについてやっています。(省略)

ただ皆さんには少しハードルを上げて言うのですが、1年後に時間が経過して解決するのであれば、「今」、「今のこの時期」に切り替えたほうがこの1年がずっと楽しくなるではないですか。

今回の悔しい結果を無駄にしない1年にできる。これは気休めで言っているわけではなく、ストロングの落ちまくった経験から言っています。

入れてくれた学校でまた頑張るんです!!偏差値がどうの、先生がどうの、大学実績がどうのなんて言わない。

お子さんが行く学校です。またそこで頑張る。胸張って。

一生懸命やってきたじゃないですか!トコトン突き詰めてやってきた。その結果が出た。恨めしく思っても、泣いても、その結果は変わらない。

泣いて結果が変わるなら、泣いたらいいんです。喚いてもいい。でも変わらないのなら、入れてくれた学校で元気にやる!

もうしばらく泣いたし、悲しんだし、慰めあった。だから、もう立つ!そして「あーー、あの経験はいい経験させてもらったな」とのちに言えるようにこれからやっていく。

課題として残ったものもあるでしょうし、やり遂げられなかったものもあり、突き詰めてできなかったものもある。

課題は出たんです。それをやるべし。1年嘆き続けるなんてもったいない!同じ1年溜息ばかりついていてもね。

すべてを糧に子供は、そして親も成長していかなくてはならない!

「合格できたら」気をよくしてその後も成長する!

残念ながら「不合格であった」が、その後に成長する!

次のゴングが鳴っているのに、まだ聞こえていないふりをしていきますか?

不本意な結果だった方こそ、そのゴングに敏感にならなければ。そうでしょう?

また、今回の受験期、例年のごとくですが、急に寒くなりました。それが大きく影響してか、受験期に合わせるかのように、おじいちゃんやおばあちゃん、親族が亡くなったというお話を何人もの方からもいただきました。

怒涛の受験期に、今までで一番慌ただしい時期に、親族が亡くなる。身が引き裂かれる思いでしょう。

子供にあれもしてやりたい、これもしてやりたいと思う一方で、危篤になったりされるわけですから、私のなにを試そうとしているの?と誰かに問いたくもなる。

受験の合否とともに、こうしたこともきっと意味があるとストロングは思います。

それがどういう意味だったのかは、それぞれの方が見つけるもの。おじいちゃんの頑張れ!っていう声が聞こえる。そういったお子さんもいらしたようです。

合格して喜ばしてあげよう!そしたらきっと元気になるから!そう考えたお子さんもいたようです。

亡くなるということは悲しいことですが、身内にしかわからない思いもあるでしょうが、この時期に亡くなったその意味を考えることが、考えて思い出してあげることがいい供養にきっとなる。

そして、前の世代から受けた恩は次の世代に先送りしていく。バトンタッチしていく。それでいいんじゃないでしょうか。

あなたのお子さんを受け入れてくれた学校がイイ学校です。そこからまた新たな1ページが始まるのだ!

多くの受験生の親からのメッセージを受け止めたので、少しばかりこんな話をしたくなったのです。

1つ1つのことを考えさせてくれる受験というのは、奥深い。たかが受験、されど受験。

終わりは始まりだ!!