中学受験をやめたいと悩むときに親がすべきこと

中学受験を奮闘中のお母さんから日々相談が届くのですが、受験をやめるべきか?といった相談があります。

結論は各ご家庭で出すものとして、ここでは実際に中学受験をやめることを決めた方を紹介しますので、判断基準の1つになればと思います。

先日、小5の母さんからメールをいただきました。

(省略)息子が決断しました!! 

私もこの夏の様子をみて、受験に対する気持がないのであれば、これ以上の学習方法は息子にとってマイナスになると日々感じていましたので、話し合った結果、中学受験に向けての学習はやめ、日々の学校中心の学習に切り替える事にしました。

いろいろと応援してもらっていたので息子も勉強のことだけでなく、いろいろと思い悩んでいた事も気付いていたのですが、親のエゴでここまで引っぱってしまい少々反省もしています・・・

これからは今までの努力を無駄にさせないように続けて見守っていこうと考えています。

これまでいろいろとご相談もしご心配をおかけし、応援ありがとうございました。これからも引き続きよろしくお願いします。

小4から塾に通って小5の秋まできたけれど、中学受験はやめるという苦渋の決断メールですね。

たとえば小4から中学受験塾に通えば、中学入試まで3年間通うことになります。

安くはない金額をこれまで2年近く払い続け、遊びも我慢し、親も協力し、行かせたい、または行きたい中学校がある中、小5のこの時期に中学受験から撤退するのはひどく重い決断です。

ほとんどの方は撤退とはいかず、なんとか子供を引っぱって、なだめすかして中学入試に雪崩れ込む形をとる。

カンタンには撤退できない2年間という親子の時間と投資した金額なんですよね。その気持は痛いほどよくわかります。

中学受験をやめる決断をするときに知っておくべきこと

この方にも言いましたが、3年我慢すればと多くの方は思って忍耐につぐ忍耐をするけれど、実は入試で終わりではありません。

中学受験をする子供は中学入試までの3年間ではなく、そのあと、つまり中高一貫校に入ってからも少なくとも3年、中学入試に向かっての勉強開始から実に最低6年間は頑張ることになるのが実際のところです。

言葉でいえば、入試までの3年間で終わりではないということです。

中学受験で掴んだ学校に入って進んでいくということは入ってからもすぐに中学受験と同等かそれ以上の勉強が待っている。少なくとも全入の中学校でなければそうなります。

もし、中学入試をゴールとして設定してしまうと大変なことになるわけです。実際にゴールインのテープを切ったと勘違いして、中学に入学してからどんどん脱落していく子はいますので。

脱落して3年経ってみると、公立中学に進んで頑張った子供たちと比べても学力はかなり見劣ってしまうという現実が待ち受けています。

中学入試のための塾に多額のお金を投資したように、私立の中高一貫校に進めば、やっぱりお金はかかる。それなのに公立中学に進んだ子供たちより学力が当たり前のように見劣りしてしまう現実に親は途方に暮れるわけですね。

でも、それが中学入試で終わりではないという意味です。

それでも中学受験はやめるべきではないのか?

私たちは中学受験を目指す多くの受験生を見てきましたが、途中で断念して受験を辞めることも1つの選択肢だと考えています。

小4から塾に通えば、中学入試までの3年間、そして入ってからの3年間の計6年間は少なくとも頑張らねばならないと書きましたが、当然ながらそのあと大学入試まで3年残っています。

その残った3年はどういう計算しているの?ということになりますが、小4から6年間勉強の習慣をつけ、勉強のやり方を覚え、自分の勉強のやり方を身につけた子供は残りの3年間(高校時代)はほぼ子供一人の力で進んでいく。

親がそばについてせっせと協力し、成果を確認し、テストを分析して臨むのが小4からの6年間という意味です。

中高一貫校で中3の夏前後から入る高校の勉強内容に入るまでが勝負と考えれば、小4からですと5年半

ここまでに勉強の軌道を乗せてしまわなければならない。

それを考えれば、中学入試までの2年とか3年とかのスパンで考えている人は、中学に入学後、愕然とする方も多いことでしょう。

中学受験をしても、入って終わりじゃないってことです。

受験を辞めるか辞めないかの判断には、中3までのことを考える視点が必要といえます。

中学受験を5年生で辞める人が多い理由

中学受験をやめるべきかどうかの相談は、圧倒的に小5が多いです。中でも夏休みが終わってからです。

受験をするみなさんは塾に通っていますから、塾での成績不振が原因です。

なぜ5年生に集中するかといえば、塾で習う内容に関係しています。4年生から3年間のカリキュラムで入試対策を行ってきますが、5年生になると質と量ともに大変になります。

塾で習う内容が難しくなり、さらに量も増える。

新学年が2月から始まる塾であれば、夏期講習までがちょうど半年。なんとか挽回しようとするけど一向に成績は改善されない。

夏期講習でヘトヘトになり、9月からの後期が始まり、成績は上がるどころか下がる一方。

ついに、中学受験をやめた方がいいのでは?と考える方が出てきます。

中学受験をやめる見極めが大事

受験を辞めることも1つの選択肢だと話ましたが、同時に辞めるかどうかの見極めが大事だと考えています。

成績不振であれば、受験を諦めるべき?

志望校に届きそうもなければ、受験を諦めるべき?

かといえば、違うと思います。

くれぐれも、「成績不振な子=中学受験をやめた方がいい子」とはなりません。

成績不振の原因は、様々なはずで勉強のコツが分かっていないからかもしれません。4年生のころは通用していた勉強のやり方も5年生になって習う内容が難しくなって、宿題の量も増えたりすると十分なテスト対策ができなくことがあるからです。

もし、勉強のやり方が下手くそであれば、正しいやり方をすれば十分に改善は見込めます。

一方、子どもの勉強に対する姿勢には注意が必要です。

たとえば、子供がこんな態度を勉強中にとったどうします?

「はいはい、式をかけばいいんでしょ~」と式を馬鹿みたいに何度も繰り返し書いて、時間をロスし、○付けでは間違えた問題の指摘にも「あってるんだよー!!!」と無理やり丸をつける始末。

以前、相談があった内容です。

一言でいえば、投げやりな態度。自分の勉強として捉えてなく、「勉強やってやってるんだからいいだろー」と他人事のような態度。

この相談への返信は以下となります。

・・・・昨日のような態度であれば、「やる意味がない」「受験自体もこのままでは無理だからやめて、塾も全部やめる」「テキスト、ノリ勉の本など全部捨てて」しまったらいい。

実際にそうするかどうかはお任せするとしても、そういうことを明確にしていくべきだと思います。

こんな態度で、それも、もう5年でもうすぐ6年生なのに、受験して合格してどこかに行ったら確実に落ちこぼれる。これは確実なんです。断言できる。

それくらいなら進度の速い中高一貫校なんかにいかないほうがいい。公立に進んでやるほうがよほどお子さんのためになると思います。

ちゃんと言うことを聞いて、言われたことをやる。約束したらちゃんと守る。これは中高一貫校に行ったあとに改めて問われるのです。

子供をなだめすかして、勉強「してもらって」受験がうまく行っても、そのあとにする親の苦労は今どころではない。

そういう意味で、たった30分の約束を守ってできないようなら、もう1回最初から立てなおしていくべきだし、受験があるからとそれに合わせてなだめすかして勉強させる、約束が守られないけれどとりあえず勉強をさせることは百害あって一利なしです。

投げやりの態度は、子どもであればよくあることです。

そんな態度のときに、親がどのような態度で臨むかが大切になります。

親の断固たる意志を子供に見せつける場面でしょう。

子供のための勉強が全然子供のためになっていない勉強になっては親も辛いですから。

ちなみに、翌日は実にまじめに取り組んだようです。一過性のものであれば問題はありません。

中学受験をするために毎日5時間やっているけれど、ダラダラでいい加減な勉強する。本人はやった気分になっている。入試までやりゃいいんだろ? 

そんなことが続くくらいなら、中学入試はやめた方がいい。

中学入試をやめるということは、勉強をやめるということじゃないから。

今からしっかり学校のこと、学校でやるよりは少し上のことをやって、英語の準備をして公立中学でいいスタートを切る。

入試がなくなれば、緊張感は一気になくなり、追い立てられるものはなくなり、気になるテストもなくなって、つまり針が逆にふれて、毎日きっちり勉強するという習慣でさえおぼつかなくなることもあるでしょう。

どっちの道も親の考え方次第です。

親がいくら待っても子供はやる気にはなりはしない。仮にやる気になっても続かない。だったら習慣にすればイイ。決まった時間に決まった勉強を休まずきちんとする。ちゃんとしたやり方で。それがたった30分だって成果は出せるんですから。

高校に入った時は、勉強の習慣、勉強のやり方は確立させておかなくちゃいけない。そうしないと親が大変だからね。

どの道に行ったって、親が子供に身につけさせておくべくものは、特に勉強では一緒なんです。

皆さんがどうするかはご自身で考え、決断してください。

「親技」って何?

子どもの頑張りはそのままで、親の工夫や頑張りで成績を上げるノウハウを「親技(おやわざ)」といいます。勉強に関する様々な悩みを子ども任せにせず、親子で取り組んでいきたい方にお勧めです。

親の頑張りで成績を上げたい方はこちら