小5 さくらんぼさん
いつもメルマガを大変楽しみに読ませて頂いています。
うちの息子は小5で、勉強は父親が一手にみています。(私は母親です。)
父親は大変熱心で、仕事と同レベルのエネルギーを注いでいる感じです。
塾の課題では足りないと、さらに問題集などやらせていますし、本当は子どもに自分でやってほしいようですが、できないので、自分ではりついてみています。
おかげさまで成績は上位ですが、父親の目指させたい学校は最難関校なので、このままでは受かる気がしないといいます。
父親のやっていること自体は、毎日のように怒っていることを除けば、内容的には的を得ているように思いますし、子どもも、お父さんと勉強することで成績が上がっているという実感はあるようです。
勉強以外でも、将棋だったりスポーツだったり、父親と一緒に楽しめるものもあり、関係がすごく悪いわけではありませんが、こと勉強に関しては、子どもにとってはこわいし、「ほめてくれない」といいます(父親はほめているつもりです)。
そして、テストの結果が悪かった時、殴りはしませんが、「自分がこうしろといったことができていなかった」という理由でかなり怒ります。
「毎回同じ間違いをする!」とか、「主語がない!この前いった!」とか、「ケアレスミスが多すぎる!」(それは客観的に事実です)とか、
内容は正しいと思いますが、聞いていてとても嫌な気分になります。
ストロング先生のおっしゃるように、「責任は、指揮官である親が背負うべき」とした時、親が言ったことが身につくまで勉強しなかった子どもを怒るのは、ありなのでしょうか?
それができるようにしなかった親の作戦ミスと考えて、それも親が背負うべきなのでしょうか?
自分でやっていないのにへんな質問でごめんなさい。
今はいいけれど、思春期に入った時に本当に大変になるのではないか(その場合、守ってくれなかったお母さんを殴るとかいうバージョンもあり)という危惧を秘かに抱いているものですから。
お返事いただければ幸いです。
さくらんぼさんのお宅の場合、お父さんが勉強を一手に担当されているそうです。
そして、成績は上位という実績!!
すばらしいですねえ。
ただ目標はあくまで最難関校。
まだまだこれからといったところだそうで、熱心なお父さんは余計感情的になってしまうと。
お母さんが聞いても「そこまで言わなくても・・・」と思うほど。
ついつい「こんな調子でウチは大丈夫なのだろうか?」と心配になる。
おっしゃっていること、本当によくわかります。
さくらんぼさんが心配されるのももっともだと思います。
非常にさじ加減が難しいところですから。
さくらんぼさんだけでなく、親の方の多くは、
我が家は大丈夫か?
我が子は大丈夫か?
頭の中には家庭を振り返って、いろんなことが渦巻くのではないでしょうか?
3人の子供を持つストロングだって同じです。
実際のところ、我が子が成長して大人になって初めて「大丈夫だった」ということがわかるわけですし。
なので、ことあるごとに我が家に「どうなのか?」と考えてみることは大事だと思います。
そういう意味で、さくらんぼさんの問いは非常に前向きで真っ当なものといえます。
では、ストロングの思うことを書いてみましょう。
いくら緻密な計画を立てたとろで、その計画を実行しないと成果は出ません。
もちろん、お子さん自身もがんばっている。
ただ、頑張れているのは、お父さんの厳しさがあってこそ。
あってこそ、今の成績がある。メールを拝見する限り、これは間違いない事実でしょう。
これまで繰り返し述べていますが、ストロングは
テストの点数が悪いと殴られた!
これは絶対ダメだと指摘しました。
特に親が指揮官として子供の勉強を見ている場合、
テスト結果、受験の結果の責任は、指揮官である親が背負うべきだとも。
さくらんぼさんのご主人は
テストの結果が悪かった時、殴りはしませんが、「自分がこうしろといったことができていなかった」という理由でかなり怒ります。
とありますので、この点は問題ないようです。
では、
親が言ったことが身につくまで勉強しなかった子どもを怒るのは、ありなのでしょうか?
についてはどうか?
ストロングは「あり」だと思っています。
まあ怒る必要があるというのではなく、指摘する必要があるという感じでしょうか。
でも、怒ってしまうんだよなあ・・・やっぱり。
これはスポーツにも通じることですが、ある技(テクニック)を習得するためのポイントを意識させることを徹底する必要があるからです。
ポイントを意識させるために厳しく指摘する!
ただですね、教える側にも力量があることも事実です。
ここからはストロング自身もなかなか認めるのが辛いとこなんですが、まずは「理屈」として聞いてくださいね。
「怒る」という行為はポイントを意識させるためのテクニックの1つなんです。
なんですが、テクニックのレベルは「低い」といえます。
もっといえば、最低ランク。
だから、本物の教えるプロは、子供に習得させるため、ポイントを意識させるために手を変え、品を変え子供たちにアプローチを続けていくわけです。
怒り続けていると、子供は「怒られること」に慣れてくるんです。
最初は「バカヤロー」って大声で怒鳴られたらビクっとする。
それが段々耳元で「バカだ、アホだ、トンチンカンだ」なんて言われても平気の平左になっていく。
まあ、聞いていないんですな。免疫ができていくのに似ています。
心の中で「うるせー、バーカ」なんて思っている。そんな感じです。
そうなると、本当は怒る目的が「ポイントを意識させる」だったのに怒ることで「子供は聞いていない状態」にさせることになるわけです。
となれば、子供は意識しませんから、何度だって同じ失敗を繰り返します。
だから、怒ることを続けるということは、親子でずっと同じところを周回して走っていることに結果的にはなる。
それは親が臨む最難関校から遠ざかっていく行為でもあるんです。
一生懸命親子で取り組んでいるのに同じ場所をグルグル回っている。
そういう意味で、怒ってポイントを意識させるテクニックは、たまに効果的なんですが、最低レベルのテクニックになりがちなんです。
わかってもらえますか?
その上で、
それができるようにしなかった親の作戦ミスと考えて、それも親が背負うべきなのでしょうか?
については、「結果は親の責任」ですから、親の作戦ミスとすべきです。
こう考えると、さくらんぼさんのご主人はその他についてはよく頑張っていらっしゃると思いますが、「怒る」についてはまだまだテクニック不足と言えるでしょう。
ただメールを拝見する限り、さくらんぼさんがご主人にそのことを伝え、こうすべきだと言える環境にはなさそうに思えます。
「怒る」という行為は「怒っている当事者」が同じ場所をグルグル回っているということに気づかなければ、たいていは収まりません。
怒っている人はずーーと怒っていますから。
なので、
「オレ同じことをずっと怒っているけど全然改善されないなあ・・」
と気づくか、
指摘されて自身で認めるかしなければ、怒り続けるということになりがちです。
では、ご主人に直接指摘&是正できなさそうなさくらんぼさんができることはないのか?
となると結構ありますよ(^_^)
特に、さくらんぼさん自身が心配されてるのは「親子関係」。
今はいいけれど、思春期に入った時に本当に大変になるのではないか(その場合、守ってくれなかったお母さんを殴るとかいうバージョンもあり)という危惧を秘かに抱いているものですから。
その部分にどうさくらんぼさんが割って入るか。
糸口はあります。
勉強以外でも、将棋だったりスポーツだったり、父親と一緒に楽しめるものもあり、関係がすごく悪いわけではありませんが、こと勉強に関しては、子どもにとってはこわいし、「ほめてくれない」といいます(父親はほめているつもりです)。
お子さんからひそかに「褒めてくれない」という不満の声を拾っています。
たぶん、お子さん自身は褒められてもいいはずの結果について
「オレ、全然褒められてないし!」と思っているのでしょう。
親(お父さん)は褒めてるつもりでも、子供は褒められてる実感がない。
まあ、だいたいそんなもんです。認識の違いは。
立場が違えば受け取り方が違いますから。
でも、そこにさくらんぼさんの割りこむ余地があるのではないでしょうか?
実際、
「お父さん、もっと褒めてあげて!」
と言えば、一言で済む話にも思えます。
しかし、お父さんにそう言えば、お父さん自身は褒めてるつもりですから難しいかも
(>_<)
特によく怒る人は褒めるのが極端にヘタ・・・という場合がよくあるんですなあ。
このような状況は、多くの家庭で起きているハズです。
この状況を脱するにはどうすればいいのか?
ストロングがオススメするのは、
両親の役割分担です。
さくらんぼさんの場合であれば、お父さんは勉強を見る役割。
厳しく接するのもお父さんの役割になってる。
であれば、さくらんぼさんの役割は何か?ということです。
そばで知らぬ顔をしてたのでは、母親と子供との親子関係に問題が出てくるでしょう。
子供がもっと褒められたいと思ってるなら、お母さんが褒めてやればいい。
ただ、この点が特にご心配なら、
思春期に入った時に守ってくれなかったお母さんを殴るとかいうバージョンもあり)という危惧を秘かに抱いているものですから。
ただお母さんが褒めるだけでなく、さくらんぼさんは、意を決してお父さんと子供の中に割り込むべきです。
特に子供がお父さんから褒められるのを望んでいるなら、お父さんから子供が満足するだけの「褒め言葉」を引き出すのがお母さんの役目です。
例えば、お父さんに子供の前で尋ねるのです
「これって、いつも言ってることがちゃんとできたってこと?」とか。
ぶっきらぼうに「まあな」と答えるお父さんにさらに
「ちゃんとできたなら、すごいよね!」と聞き返します。
「そうやな」なんて照れくさそうに言っても
「すごいじゃない!お父さんもよくやったってよ!ねえお父さん!」
と子供に言ってやるのです。
できるかできないかは、現在の危機の度合いによって決まるでしょう。
大いに危機感があるなら、割って入ってお父さんから褒める言葉を引き出す。
注意が必要な点があります。
現在は、お父さんが厳しい役割を担っています。
そこに危機感を抱くお母さんが登場。直接お父さんに話したり、お父さんと子供の間に入っていけなくて、母子での会話となり、
例えば
「お父さん、厳しすぎるよね・・・」
なんて言っちゃうと、厳しい役割を担っているここではお父さんをさらに子供から引き離すことになってしまう点です。
そっちのほうがお母さんとしては楽なのでそう言って子供の不満を肯定して追認してしまいがちです。
しかし、それでは厳しい役割を一手に担っているお父さんがかわいそう過ぎます。
少なくとも、
「お父さんはあんまり言わないけど、○○なところは今回はよくできていたよ。おしいとこもあったんだけどね」
と言っていたよ・・・などのお父さんの褒め言葉をお母さんから伝えるくらいは最低限行ってほしいと思います。
割って入ってお父さんの褒め言葉を引き出せないなら、せめてお父さんの褒め言葉をお父さんになり代わってお母さんが伝える。
お母さん自身が褒めちゃうと、子供から見ると、夫婦で対立関係になる。
お父さんの厳しさがどこからきているのかをお母さんが噛み砕いて伝えてやる。
お父さんの厳しさ、激しさ、怒りを子供と一緒になって攻撃したり不満を言うのはカンタンですが、それじゃあ、繰り返しますが、厳しい役割担当のお父さんは浮かばれないというわけです。
普段、お母さんが勉強を見ている家庭ではそれぞれの役割が逆になるでしょう。
もし、お父さんだけ、お母さんだけの家庭であれば大変です。一人二役にならなければならないわけですから。
おじいちゃん、おばあちゃんの助けがあれば、すごく助かりますが、役割をきちんと話してスタートしなければ、厳しい役割担当の人を責めることになってしまっては役割制度は成り立たないし、崩壊してしまいます。
でも、考えてみてください。
特に勉強では、優しさだけでは子供は引っ張れない。厳しさだけでも引っ張れない。
2つの役割が交互に機能することで頑張れるわけですから。
自分の役割は何か?
ご家庭でよ~く話し合ってほしいものです。