毎年、年の終わりに「親技ってなんや?」という「親技」を駆使する前提の話、言ってみれば「親技の初級者向け」の話を総まとめでお届けしています。

今回の前編と後編の2回でお届けします。繰り返し聞いた話も多々出てくると思いますが、新年を迎えるにあって、整理してご自身の考えを固める材料にしていただければ幸いです。

なお、ここからのお話が「わかっている」と「できている」はまるで違うもの、「知っている」ことと「できている」こととは別次元のことで天と地ほどの差があるのは親も子供の勉強も一緒ですからくれぐれも気をつけて読んでいただきたいと思います。

それではいきますよ!

親技とは、1つのテクニックとして

親が勉強を教えることなく
子供の頑張りはそのままで
成績を上げる

こんなふうに定義しています。

決して「いつの間にか成績が上がる」とか「一粒飲めば子供が変わる」などの魔法の話でありませんからね。

日々送られてくる親のみなさんからのメールをみると、親の皆さんが直面している問題がいろいろあるなあと思うと同時に「みんな真剣」と感じます。

わが子は、可愛いですからね(^_^)

ボクも3人の子を持つ父親ですから、よくわかります。そんな私たちが週刊親技を発行するにあたり意識していることは2つ!

1つ目は、

「親ができることは何か」にこだわる

もう1年以上読んでくださっている読者の方であれば、よくご存知ですね。

2つ目は、

「成績を上げること」にこだわる

私たちは残念ながら「人格者」ではないので、親や子供を人格的にどうこう言える立場ではありません。

ましてや、子育ての経験だって現在進行形で、ボクが20年間で3人、タイガー山中だって17年間で2人です(^_^)

けど、勉強のことならチト経験があります。

特に、成績がイイ子の親が家でどんな勉強をさせているかなんかは専門です。ゆえにあえて私たちがお話しするのは「子育て」とか「良い子が育つ」とか言わずに「テクニック」と言っているわけです。

駆使すればだれでもできる。駆使するつもりがあれば誰だって使える技っていうわけです。その考え方や技を紹介するのが「週刊親技」です。

ただ「週刊親技」を読んでみて「ウチの子にそんな親技使えるわけないよ~!」とか「ムリムリ!」なんて思うことってないですか?

「確かに理屈ではそうだけど実際は・・」とかね(^ε^)-☆

きっとそれはあるはずで、あって当然なんです。みんな環境が違うから。それに親技にもカンタンな親技から難しい親技までありますしね。

スタート地点にいる親にとって、上級レベルの親技の話を読めば「そんなのできねえ~!」となるし、その逆であれば「当然でしょう!何をいまさら!」なんて感じるわけです。

なので、この親技についてもう少し詳しく説明していきます。

1つ1つのテクニックとしての単発の親技と親技のステップアップについてよくよくご理解下さい。

例えば、今、これだけの時間を勉強している子がいるとします。

(子)□□□□□|

この子の成績を上げるためには、どうすべきか?

方法はいろいろありますよね。なんといっても、子供本人が頑張ればいいといえる。

例えば、こんな感じ

(子)□□□□□|■■

今までの勉強にプラスアルファして、■■2つ分の勉強量が増えれば、成績が上がる確率は高まります。勉強量が増えるからね。

ただすでにお気づきのようにそうカンタンに勉強する量を増やすことは難しい。たとえ、親が一時的にやる気を引き出したからといって、テストまでの期間、このやる気を持続させるのは本当に大変なことです。

モノで釣ってやろうとしたり、遊んでから勉強なんて提案をシブシブ受け入れたりしていては、ことごとく失敗します。この方法はたいていの方がすでに失敗しています。

相手(子供たち)は、一枚も二枚も上手ですから(>_<)

では、どうするか。

そこでポイントとなるのが、「子供の頑張りはそのままで」です。

子供の勉強時間は相変わらずこんな感じなのですが、

(子)□□□□□|

この子供がやっているという勉強時間の中で「成果の上がる勉強をしている時間」は、いったい果たしてどれくらいなのかを考えてみる。

きっと、こんな感じのはずです

(子)○○○××|

そう、「○の時間」は勉強している時間だけど、でも「×の時間」は準備やら答え合わせ。中には、たまにボーとしたりしている無駄な時間です。

もし、この無駄な時間を省いて、キッチリこんなふうにできたらどうでしょう?

(子)○○○○○|

今は勉強時間といっても、子供の勉強時間は机に座っている時間と言ったほうが正しいハズです。

「机に座っている時間」を時間はそのままに「中身のある勉強をする時間」に変えるわけですね。そうすると机に座る時間は変わらないけれど、実質の勉強する時間は○○だけ増えることになる。

そうすると、成績が上がる可能性は大となります。机に座っている時間は変わらずに、実質の勉強時間が増えるわけですから!

でも、こんなこと不可能です。ボーとしている時間はともかく、準備も答え合わせも必要ですから。

そこで、親の登場なのです。

こんな感じに×の時間の作業を親が手伝ってやるのです。

(子)○○○××|

 ↓↓↓

(子)○○○○○|☆☆(親)

これが「親技」の初級レベルです。これで成績が上がれば、気を良くした子供たちはその後、勉強時間を増やすことを納得するかもしれません。まあ、彼らはそんなに甘くはないでしょうけどね。

ただ親がそばで手伝うことを受け入れる可能性は高まります。だって、子供たちにとってはメリットありますから。同じ勉強時間で成績は上がる!からね。

いや、親が手伝うと言っても、それが受け入れられないんですよということは、親子関係は勉強をする、させるの前段階ということになります。

その前段階であるなら、勉強をどうこう言う前に親子の勉強に関する信頼関係ややり取りのあれこれなんかを検討するところからやっていくことになるでしょう。勉強以前の問題というわけです。

この勉強以前の親子の信頼関係という点についてはここ週刊親技でも随時取り上げていますので、ここでは勉強以前の問題はないという前提で話を進めます。

さて、「親技」の初級レベル、子供の机に座っている時間をすべて中身のある勉強時間にするレベルをクリアしたら次はステップアップを図ります。

トライ&エラーをしながら「○の勉強」をもっと成果の出る「◎の勉強」に変えていく工夫をする。成果の出る勉強のやり方を追求するわけですね。

こんな具合に!

(子)○○○◎◎|☆☆☆☆(親)

ここでの親の工夫では「やる問題」の取捨選択が出てきます。具体的にはできる問題もそこそこに、できもしない問題に延々と時間をかけるなどの勉強のやり方の問題点の解決です。

宿題を提出しないといけないから、とりあえず一通り問題をやり終えるなんかも効率の悪い勉強といえます。

実際、テストでは家でやった問題を、家でできたはずの問題を多く間違えているはずです。

それはなんでなのか? 考えなきゃいけません。

一言でいえば家庭学習での問題の取捨選択ということになります。強弱をつけて勉強する。優先順位をつけて順番に撃破していくなどといってもイイでしょう。

万遍なく勉強してテスト結果が出ないなら、強弱をつけて家庭学習をしないと問題は解決しないから。

もちろん、そうした問題の取捨選択や勉強の効率を更に上げるための手伝いをするのは親ですから親の負担は増えることになります。

が、同じ勉強時間で工夫次第でさらに成績を上げることが可能となります。

ここで、注意すべきなのは「親が勉強を教えない」ということ。指導のプロであれば問題はありませんが、素人ですと「◎の勉強」どころか「×の勉強」になってしまう可能性が非常に高いからです。

親子は感情的になりやすいですしね(>_<)

これが「親技」の中級レベルです。このあたりから子供たちはノリノリになってきます。そのはずです・・・

そして、こうなれば、さらに効率は上がって、

こんな感じに

(子)◎◎◎◎◎|☆☆☆☆(親)

ここまでいくと、さらに成績は上がりますし、勉強時間を増やせばまだ上がる(^_^)

そして、

(子)◎◎◎◎◎|☆☆☆☆(親)

 ↓↓↓

(子)◎◎◎◎◎◎◎◎|☆☆☆☆☆☆☆(親)

こんな感じにどんどんなっていく。ボク勉強する人、私工夫する人!って感じですかね。

ただし、この形は良いパターンに思えますが、注意が必要になってきます。このあたりまでくると決まって悲鳴が聞こえてくるものです。

子供からでなく、親の方から。

(子)◎◎◎◎◎◎◎◎|☆☆☆☆☆☆☆(親)

「もう私の体がもちません!」「私はどこまでやればいいのでしょうか?」「私がテスト受けたほうがイイ点数を取れそうです!」なんてね。

そりゃそうですよね。

実はここが「親技」の中級レベルと上級レベルとの境界線なのです。

「親技」の上級レベルとは、

(子)◎◎◎◎◎|☆☆☆☆(親)
 
 ↓↓↓

(子)◎◎◎◎◎|☆☆(親)

となっていく。やっている人はわかるけれど、そうなっていく。そうしていくというべきか。

言葉でいえば、子供に効率の良い勉強方法を習得させることで、親の負担を減らすとなります。

準備だけは親が手伝ってやる。あとは、子供たちが頑張る。頑張るだけ伸びていく。

こんな感じ

(子)◎◎◎◎◎|☆☆(親)

 ↓↓↓

(子)◎◎◎◎◎◎◎◎|☆☆(親)
 
 ↓↓↓

(子)◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎|☆☆(親)

今回は親技のステップアップというか、向かうべく道筋について、書いてみました。

親技では初級と中級レベルのところで親の負担が増えます。しんどい。そこに成果と習慣化がつながって「自分でやる」が出てくるわけですが、どこでその「自分でやる」が出てくるかは個人差があります。親の持って行き方もある。

「私はもう頂点よ!」なんて思っていた方も、「オイオイ!中級レベルと上級レベルの境だったよ!」なんてこともしばしばある。

「親技」の中級レベルと上級レベルとの境界線に長く滞在して、滞在ではなくてそこに停滞している場合は、学年が上がっていくと親の手伝う分が減る代わりに成績は下降気味となり、大学入試の頃に目も当てられなくなる形になるのが一般的です。

あなたのいったい親技の今どの地点にいるのでしょうか?

この話を聞いても、親技を駆使しようと思うのか。それとも親技とは別の道を歩む選択をするのか。

自由です!

でも、乗り越えていかないといけない道ではあります。勉強なんてもう何十年、何百年と続いてきた人生の基本的なベースになるものです。

どこかの時点で勉強のやり方は体得しておく必要がある。答えが必ずある勉強は「できる」となって社会に出て行く必要がある。だって社会に出たら「答えがない」問題や「答えが1つでない」問題に対処しないといけないのだから。

いつやるの?

今でしょ!小中学生の間でしょ!

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ボクはそう思うけれど、あなたがどう思うかはあなた次第です。

「やればできる」はやったことがある人だけが言える言葉であって「やったことがない」人が「やればできる」なんて言ってちゃいけません。

だって、実際は「やれないんだから」ね。

年内にぜひ一度じっくり考えてみてください。

いつやるの? そして誰がやるの?についてですよ。

さあ、この話は後編『【親技】心構え編総まとめ編』で締めとなります。

【親技】心構え編総まとめはこちらへ。