今回は、このメルマガのテーマである「子供へのかかわり方」について、新聞記事をもとに一緒に考えていきましょう。

「正解」を提示するためのものではなく、ストロングも含めて、それぞれの親が「答え」を決める問題です。

「数年後、自分がこうなってないか?」という観点で読んでみてくださいね。長いですが、全文転載します。

産経新聞 【溶けゆく日本人】

【過保護が生む堕落】「最高学府」が泣いている

終盤を迎えている大学入試。悲喜が混在した春の風物詩の裏では、受験生の親と大学の呆(あき)れるばかりの”格闘”が繰り広げられている。

「教室が寒いと言っているので、室温を調節してください」

芝浦工業大学(東京)人事課の山下修さんは、この時期特有の苦情に、もうすっかり慣れてしまったという。受験生の母親が入試の真っ最中に掛けてくる電話だ。受験生が休み時間に携帯電話で母親に知らせ、母親が大学に連絡してくる。

<介入してくる親>

昨年、同大学で実施した大学入試センター試験では、「窓の外で車のドアを閉める音がしたので気になった、と息子が言っている」という苦情が寄せられた。このクレームは、母親が高校の担任に報告し、担任が教頭に伝え、教頭が大学入試センターに連絡し、大学入試センターから大学に話がおりてきたという”一大騒動”だった。

「試験会場で本人から『教室が暑い』などと意思表示があると、『しっかりした子だ』とすら感じます」。山下さんの言葉には、「諦観(ていかん)」そんな境地さえ漂う。

「特別教室で試験を受けさせてやってくれないですか」

複数の大学で職員を務めた女子栄養大学(東京)広報部長の染谷忠彦さんは、受験生の母親からそんな電話を受けたことがある。理由を耳にし仰天した。「うちの子は集団が苦手だから…」。

むろん、断った。「一応心配になったので当日その受験生を見てみたんです。ピンピンしていましたよ」。あまりの過保護ぶりに染谷さんは苦笑するしかなかった。

「最高学府」。確か大学はそう呼ばれていたはずだ。そのキャンパスライフにも、あらゆる局面で親が顔を出す。

都内の理工系の大学では、5年ほど前から入学後の行事について、「ガイダンスは学生1人で参加してください」などと、パンフレットに記載するようにしている。「書いておかないといつまでも顔を出す」(大学関係者)のがその理由だ。

履修ガイダンスに自ら出席し、「どの教授の講義が単位を取りやすいのでしょうか」と堂々と尋ねる母親の姿はもはや希有(けう)ではなくなった。「『どんなアルバイトがふさわしいか』『サークルには入れたほうがいいか』という質問もあります。

全部自分で面倒を見ないと気が済まないのでしょうか」と女子栄養大の染谷さんは嘆く。この間、隣席で子供はじっと座ったままだ。

大学事務室への親からの”理不尽な要求”は卒業するまで絶えることはない。

留年した学生の親からの「なぜこうなる前に知らせてくれないのか」という注文

履修ミスをした学生の親からの「息子のために(履修を)やり直せないのか」という懇願

宿題のリポートを自宅に忘れた学生の親からの「ファクスするから子供に渡してほしい」との連絡

「風邪をひいて休むから教授に伝えてくれ」という依頼。すべて、大学関係者が実際に見聞きした例だ。

そして、どうにもならないことを知ると、決まって吐く”捨てぜりふ”がある。

「『高い学費を払っているのに』という言葉です」(染谷さん)。

最高学府ならぬ「最高額府」その程度の認識なのだろう。

もちろん、こんな親ばかりではない。だが、「行き過ぎたかかわり方をする親は確実に増えている」(芝浦工業大学の山下さん)というのが大学関係者の実感のようだ。

そうした過保護の集大成ともいえるのが、就職活動。ここ10年で大学の合同就職セミナーに親が大挙して押し寄せるようになったという。

「特に母親なのですが、企業担当者に自分の理想を蕩々(とうとう)と述べるのです。『この子には御社がふさわしい』とか、『ベンチャーはちょっと』とか」(中京地区の大学就職課関係者)。ここでも子供は行儀よく座ったままだ。

そして、わが子の就職活動が難航すると、「がんばれ」と背を押すでも、尻を叩(たた)くわけでもない。親に向けた就職説明会を開いている「親向け就職ドットコム」の矢下茂雄さんは苦言を呈す。

「就職浪人しても構わない、と逃げ道を与えるわけです。やりたいことが見つかるまでは面倒を見てやるとも言って、衣食住を与える。

こういうときこそ厳しさが必要。優しさの意味をはき違えている」。

こうした過度の庇護のもとで育った”おとな子供”が、一人また一人と社会に巣立っていく。受け入れる企業で待ち受けるもの、それは、さらなる”喜劇”、そして”悲劇”だ。(森浩)

いかがですか? 笑ってしまうような話ですよね。でも、本当に笑っていられるのか? 果たして「関係ないよ!」という話なのか?

親自身は思っていなくても、実際は「なってしまった!」ってことだってあるわけですから(≧◇≦)

ストロングは、このメルマガを通じて、親がかかわることで子供の成績を上げることができると提唱しています。

しかも、子供のがんばりはそのままで成績を上げることは可能だと断言しています。そのためには、親の時間を使い、子供に手をかけることになる。

その結果、過保護になるかもしれない。そんな心配ありませんか?

ある人は、だから自分のことは自分で考えるよう、自立のために、親が口出しをせず、子供に任せるべきなんだと言います。まあ、親としてはそのほうが手間がかからず、いいですしね。
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しかし、かかわりすぎているという話の一方で、毎日新聞には、こんな記事がありました。

毎日新聞

親子関係:子の悩み知る父3割4分の1「平日、顔見ない」
※内閣府調査

<薄れる関係>

内閣府は3日、小中学生とその親を対象にした「低年齢少年の生活と意識に関する調査」の結果を発表した。

父親の約4分の1が子どもとの平日の接触が「ほとんどない」と答え、中学生の約7割が進学や友人関係などで悩んでいたのに、悩みを知っている父親は約3割にとどまった。

調査は昨年3月、全国の小学4年~中学3年の男女3600人を対象に面接方式で実施し、2143人が回答(回収率59・5%)。

答えた子どもの父母にも郵送回収方式で調査を行い、2734人から回答を得た。

子どもに「悩みや心配」があるかを複数回答で聞いたところ、中学生では71%が何らかの悩み・心配を抱えていた。

同じ質問をした直近の調査(95年)より15ポイント多く、悩みの内容は「勉学や進学」61%、次いで「友達や仲間」20%、「性格」19%などの順だった。

一方、子どもの悩みを知っているかを親に尋ねると、

母親は65%が「知っている」「まあ知っている」と答えたのに対し、父親は31%にとどまった。

子どもとの平日の接触は、父母とも

「1時間くらい」がそれぞれ24%、29%と最多だったが、「ほとんどない」は父親23%、母親4%

と大きな差が出た。

特に父親は00年の前回調査より9ポイント増加した。

親子関係の希薄化について、内閣府の大塚幸寛参事官は、仕事優先の父親の姿勢に加え、パソコンや携帯電話の普及も影響しているのではないかと指摘している。調査では小学生の15%、中学生の52%が携帯電話を持っていた。【渡辺創】

さてさて、いかがですか?

えっ、頭が混乱してきた!?(◎_◎)

確かにそうですね。単純に言えば、手をかければ、過保護になる。でも、子供とかかわっておかないと、親子関係は希薄になり、いざ困ったときの信号を見過ごしてしますことになる。

バランスが大切なことは、みなさんもお気づきでしょう。それを踏まえて、ストロングは、こう思っています。

親は、子供と真正面から向き合うべきであると。勉強にかぎらず、スポーツでもいいし、趣味でもいい。

子供と向かい合う機会を自らがつくり、社会に出て行く準備として親子で真正面からぶつかり稽古をする。それが親子の「絆」を築くことになるだろうし、困ったときに、相談できる関係にもなる。

このメルマガでは、その1つの手段として、「勉強」をテーマにして、そのぶつかり稽古をいかにするかの話をしているわけです。

勉強は多くの子供たちにとって、キライなものだけど、逃げられないものですし、さらにいいのは、勉強は目標も設定しやすいし、結果がわかりやすい。なおかつ、能力に関係なく、努力が報われる可能性が非常に高い。だから、親子で盛り上がれる!!

ストロングは子供にいつも言うのですが、「できない問題やわからない問題」にぶつかったときに、できなくてもイイ。わからなくてもイイと。ただわからなーーい!というところから、どう取り組むかが問題だと。

読者の方もこういうことは、いつも言っているのではないでしょうか。

それは、例えば、野球で言えば、ものすごい速い球を投げるピッチャーがいる。打てそうにない・・・・・

例えば、柔道で自分よりもでかい相手で、上を見上げるような相手がいる。つかまったら、即座にブン投げられそうだ・・・・・

そのとき、打席にハナから入らないのか?

負けそうだから、試合を放棄するのか?

そういうときでも、どうやって速い球にあててやろうか、でかい相手をどう転がしてやろうかと、「考えること」そのものが大事なんだと。

読みもせず、見た瞬間に「この問題、わからなーーい!」というのは、全部につながりますからね。

その姿勢は、勉強だけでなく、あらゆることにつながる話。これは誰もが納得できることでしょう。

そのために、これからの人生を自分で切り開いていくために、親は子供にかかわっていくとストロングは思っています。

ただ、気をつけないといけないのは、1つめの記事にあった「過保護」の問題。

これでは、子供の成長の妨げになってしまう。そうならないためにも、これまで何度も言ってきた

ゴールをつくること

が大切だと思うのです。

例えば、勉強について口出しするのは、中学卒業まで。生活態度について口出しするのは、高校卒業まで。といった具合に予め子供にも宣言してかかわることだと思うのです。

「大学に行くまでは面倒を見てやるが、あとは自分でやっていきなさい!」とか、一定の年齢になったら、とりあえず家から出して生活させてみるといったことなどは、ゴールをあらかじめ定めているということでしょう。

そこまでにテクニックだけでなく、いかに「問題に取り組む姿勢」を伝えきれるか。何を通じて、そのことを子供に伝えるのか。

それを子供に教えなければ、壁にぶつかったり、難しい問題にぶつかったら、子供は必ず「ヘたれる」ものです。

「ダメです・・」なんて言って。そして、自分の能力のせいにしたりする。でも、どんな親だって、精一杯やった上で、仮に能力的にダメであるなら、それは納得すると思うのです。

違いますか?

勉強もそうですが、完全燃焼すれば結果を素直に受け止めることができるものです。しかし、多くは、努力をしないで、結果を能力のせいにするから、文句も言いたくなるわけでしょう。

じゃあ、子供とのかかわりの中で、過保護と自立のバランスをどう取るのか?

何度も何度も紹介したことがある記事です。
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中国新聞 ウオッチ 永山貞義

過日、テレビで将棋のNHK杯を見ていると、解説の青野照市九段が強さについて、独自の見解を述べていた。

それを要約すると、卓球の福原愛は、既に1万6000時間以上の練習を積んでいる。

将棋の場合は、まず基礎固めに1万時間の勉強が必要。羽生善治王位や森内俊之名人らは、早くからそのぐらいの勉強時間をクリアしてきたため強いのだ。(省略)

ここでいう「基礎固めに1万時間」、これこそ、子供に問題を取り組む姿勢を教える時間とは考えられませんか。

計算してみると、

1日2時間で1年で730時間10年で7,300時間

1日3時間で1年で1095時間10年で10,950時間

親に与えられた時間は1万時間。

その中で、「勉強」か「スポーツ」か「趣味」か、なにかで、

ゴールを決めて思いっきり子供にかかわる

ゴールの定めなき「かかわり」は、過保護になっていく。

ストロングはこう思いますが、みなさんはいかがでしょう?

あなたは今まで何時間時間を費やしたでしょうか?

中学受験、高校受験はもちろんそうですが、最近の公立中高一貫校の問題だって、「自分で考え」、「自分でなにかを見つけ出し」、「自分の意見」を書かせる問題にどんどんシフトしていっています。

母ちゃんに携帯で伝えて、それを先生に言ってもらうようでは、勉強に関していえば、その時点で、振るい落とされてしまうような試験にテスト自体がなってきていますからね。

ちなみに、タイガー山中は、家族で一緒に歩くときに、必ず子供に先頭を歩します。

親が先導して、「ハイ、こっちよ~!」ってやらないと。

えっ、たいしたことしてねーなって!?

なるほどそういう意見もあるでしょう。

ただタイガー山中は、そうやって、日常生活の中で、子供たちに自分の意志で歩いていくことをやっている。

子供が自分で「ハイ、こっちこっち!」と言うように仕向けていっているんですな。

やり方はひとそれぞれ。

身の周りの、目の前にあるたいしたことのないことから、子供に、「問題に取り組む姿勢」を教える。

あなたは、普段、意識してなにかやっていますか?

宇宙戦艦ヤマトじゃないですが、手放すまであと何時間ありますか?

地球滅亡!じゃなかった、子供の旅立ちまでの残された時間はあとどれくらいでしょうか?

親と子供のかかわりに関しては、決してワープはできません(^ε^)-☆

今回のメルマガが子供のことについて、考えるキッカケになれば、うれしいです。by 古代進