早速今回の相談を読んでいただいて私のバズーカ砲を受け止めていただきましょうか。
高3と中1の母 りおさん
【子どもが『勝ち切る』実力をつけるために親ができること】についてご相談させてください。
新「勉強の常識」は、創刊間もなくの頃から愛読させていただいています。先生の言葉を励みに、子どもと一緒に日々頑張ってきました。上の子が中3のとき、親カツ講座にもお世話になりました。
当時部活で忙しかった息子が学習に集中できるよう、父親は塾の送り迎えを全面的にバックアップしてくれました。
私は、学習資料や受験情報収集の面でサポートするようにしました。努力の甲斐あって、中学校の成績はフルマークAのオール5という申し分ない内申点をいただき、数学は学年で1位という成績でした。
塾の模試でも平均偏差値は63をマークし、志望校の合格可能性は95%をほとんどの回でキープしていました。
志望校は、県内最難関の公立トップ高で、学区外受験でした。学区外枠の倍率が高めだったのは、少し気にはなりましたが、受験しても合格の可能性は低くはないと思っていました。
ところが。これまで模試でも一度も失敗したことのない数学でつまずき、不合格でした。
なんでもない問題を計算ミスして舞い上がってしまい、そのミスをひきずって、他の問題、他の教科にも影響がでたことが原因のようです。
高校は、特待生認定をいただいた私立高校に通っています。中学校から続けてきた陸上にも真剣に取り組み、県大会入賞など実績も残してきました。
ほとんどの部員はスポーツ推薦の生徒さんで、部活動を続けやすいコースで学んでいますが、息子はカリキュラム上、部活動を続けにくい進学コースで悪戦苦闘しながら3年生のこれまで頑張ってきました。
「インターハイに出場したい」という強い思いがあったからこそ、放課後講習が終わった後、一人で夜遅くまでトレーニングを続けたり、合宿や遠征の宿舎でも勉強したり、「文武両道」をスローガンに頑張ってこれたのだと思います。
親も息子の文武両道を応援したいと思い、部活に関しては、対戦相手のデータ収集やビデオ分析、指導者と一緒に戦術の相談、栄養管理など、思いつく限りのサポートをしてきました。
努力の甲斐あって、手を伸ばせばもうすぐそこにインターハイ切符が手に届く、というところまで、練習の成果を出すことができました。実力は鉄板ではありませんでしたが、間違いなくボーダーラインのところにはありました。
ところが。あとほんの少し届かず、総体切符はするりと息子の手から逃げていきました。
ライバルにスパイクされた時に、一瞬ひるんだ、その0.1秒分だけ届きませんでした。高校受験もインターハイも、どちらもそれなりの実力をつけていながら、あと1歩のところで勝ちきれない息子を見ていて、親として考え込んでいます。
受験も部活も、親子ともども、やれることはすべてやってきたという思いはあります。やり切ってきたので、たとえ結果がネガティブに出ても仕方がないと思えるはずでした。
ですが、親としては、ここまでやってきたのだからこそ、何とか勝たしてあげたかったと、勝ち切るだけの実力をつけてあげたかったと、残念な思いが中々ぬぐえません。
息子に足りなかったものは何なのだろう?
親として足りなかったものは何なのだろう?と考え続けています。
もしかしたらそれは、精神力のようなものかもしれませんが、今のところ答えが出ていません。
そうはいうものの、考え込んでいる間もなく、次の大きな目標である「大学受験」に気持ちを切り替えなければなりません。特待生とはいえ、部活にかなりエネルギーを注いでいたので、成績は下降気味、模試の判定はE判定です。
それでも校内のクラス編成では、なんとか「難関国立大受験クラス」には、残してもらえました。これから頑張っていくに当たって、「2度あることは3度ある」とはならないように、勝ち切れない負の連鎖を断ち、「3度目の正直」となって大学受験を成功させてほしいと思っています。
ストロング先生、タイガー先生、断片的な情報だけで判断はできないと思うのですが、「勝ちきるために」これから息子がつけなければならない力、親ができるサポートにはどんなものがあるでしょうか。
もしこれまで私たちがやってきたことが間違っていたならば、今からでも改めたいと思います。
そして、上の息子には努力が報われた時の勝利の喜びを味わわせてあげたい、下の息子には兄のような悔しい思いをさせたくないと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
りおさん、相談ありがとうございます。
皆さんはこの内容を読んでどうお感じになりましたか?
親子で頑張っておられる様子が文面からもヒシヒシと伝わってきます。
そしてその真剣さに頭が下がります。
あまりこういう話を聞く機会はないと思うのです。
読者の方には、こうまで真剣に取り組んでいる方がいるのだということを知っていただければ、それだけで価値があると思っています。
とはいえ、順調に歩を進めているけど、最後の結果で
ところが・・・・
となって、いつも躓いてしまうと。
親としては、
ヘンな負け癖がついてしまったのではないか?
次回も同じような結果を招くのではないか?
と心配にもなります。
ここまで真剣に取り組んで成果を出してきたりおさんですから、すでにいろんな方面・角度から分析したり、仮説も立てていることでしょう。
与えられた情報でストロングも考えてみました。
高校受験とインターハイ、いずれも僅差での負けという結果になったわけですがなにか違いはないか?
高校受験の際は、内申点がオール5、数学は学年で1位、塾の模試でも志望校の合格可能性95%をキープの状態。
一方、インターハイは出場できるかどうかのギリギリのライン。
こうしてみると、高校受験のときとインターハイのときでは、勝負に行く前の状態に違いがあるようです。
言葉で言えば、受験はほぼ間違いない状態で、インターハイは五分五分の状態でも言いましょうか。
でも・・・とストロングは思います。
高校受験の際は学区外受験でした。県内最難関の高校で、かつ学区外受験となれば、ほぼ満点を取るか、受験者の誰かが自分よりもミスを多くしてくれるかという究極の戦いです。多くの優秀者が集まった年度やエエイ!行っとけ!組が混じっている年度などで、毎年レベルが上下するのが学区外受験。
よって、学区外受験の場合は特に模試の合否判定は当てにならないともいえます。
なので、ストロングは高校受験もインターハイもいずれもギリギリのしびれる中でのシビアな戦いであったと判断します。
そして、しびれるような戦いというのは、部活も勉強も常に上位のグループ、難関のグループでのみ行われる戦い。
で、そのしびれるような戦いで、
子どもが『勝ち切る』実力をつけるために親ができること
についてですが、
ズバリ言ってストロングは、
親には、どうすることもできない(>_<)
と思っています。
ガッカリでしょうか?
ストロングは、だからこそ親が協力してやる意味があると思っています。
親が子供にしてやれることは、
「前」と「後」
なのです。
受験を例にいえば、入試の前日というか入試が行われる直前までが「前」です。ここまでは、いろいろな親技も存在するわけです。
ですが、いざ入学試験がはじまってからは、子供だけの戦いです。悲しいかな、結果は「子供だけの戦い」で決まるわけです。
親としては、せっかく頑張ったご褒美として結果もなんとかしてやりたいと思うのはもっともですが、子供にとっては迷惑な話です。
だって、親子の戦いで決まっちゃったら、晴れて合格しても、「親のお手柄」になりかねないでしょ(^_^)
受験まではありとあらゆる協力を親がしても、最後の最後は子供自身の戦いで結果が決まってしまう。
だからこそ、「俺(私)はやったぞ!」と大きな自信となるのです。それをゴールまで親が手を引いていたのでは、ガッツポーズをするのは親自身になってしまいます(^_^)
最後は子供自身のこと。
りおさんも
子どもが『勝ち切る』実力をつけるために親ができること
ではなく、
子どもが実力をつけるために親ができること
をちゃんとされてきた。
だからこそ、内申点がオール5、数学は学年で1位、塾の模試でも志望校の合格可能性は95%をキープできたわけです。
部活だってそうです。
子どもが実力をつけるために親ができることをする
これが親のやれる最高だし、これ以上はないのです。でも、計算ミスして舞い上がってしまって・・・・・
いざというときにミスを犯す・・・・
勝負弱い・・・
勝ちきれない・・・・
そうでしょうか?
ミスが許されない場所、レベルまで行って勝負をしてきたんです。そのことがもうすごいことなのであって、そういうギリギリの上位グループの戦いでは勝ったり負けたりをこれからも繰り返していくのです。
皆がそれぞれ1勝5敗くらいで進んでいく。それだけレベルの高い戦いなのです。高いレベルの戦いになると、いつも勝つというわけにはいきません。
しかし、逆に高いレベルの戦いであるからこそ、負けて自信を持つということも可能になってくる。ここまでできた。勝った人間とは紙一重、0.1秒の違い。そのことを負け惜しみではなく、肌で実感できる。肌で実感できるからこそ、そこで努力をやめないで、次に向かって頑張れる。
普通は負けたらモチベーションが下がって、しぼむんです。でも、負けても、次に向かって頑張れる。
それは強靱な意志があるからではなく、高いレベルの中で戦って、その勝者と自分との違いが本当に紙一重であると実感できるからなのですから。
だから、合格だろうと、不合格だろうと今回の結果をいかに次に活かすか?を常に考える。もうりおさんのお子さんがいる場所は、勝負弱いから負けたとか、今ひとつ勝ちきれないという戦いのレベルじゃないんです。
1つミスしたら終わりの世界。結果は勝者が総取りで、敗者は全部奪われる世界。残酷です。でもここまで述べてきたようにすべてを奪われたように見えて実は何物にも代え難いものを負けで得るのです。
その上で、親が子供にしてやれる「後」のことです。
ストロングが多くの生徒たちを見てきて、確かに勝負強いなと思う子もいました。
親からすれば、「勝負強い子であって欲しい」と願うでしょうが、勝負強いと言われる生徒の親たちは、そのことに価値があるとは考えていませんでした。
確かに、ここ一番という勝負には無類の勝負強さを見せる。
しかし、勝負強い子供というのは、我が強くて、厚かましく押し出しが強い子供が多い。
普段の勉強や練習でも我流で勝手に取り組んだり、アドバイスを聞かないため、勝負の前までに到達するレベルが思うように行かないのです。
カンタンにいえば、りおさんのお子さんが戦っている土俵にまで上がっていけなくて悩んでいたのです。
わかります?
普段アドバイスを聞かない分、自分の実力を最大限にいかす努力が欠けてしまう。
よって、勝負強くてもステップアップは見込めないという。
今のがんばるお子さんとどちらがいいですか(^ε^)-☆
最後に度々ここで紹介しているバスケットボールの指導者ジョン・ウッデンの示す成功の定義を紹介して締めとします。
【他人よりうまくなろうとしてはいけない。常に最高の自分になるための努力をしなさい。成功とは、自分がなれるベストの状態になるために最善をを尽くしたと自覚し、満足することによって得られる心の平和のことである。】
『10の鉄則』の感想、続々と・・・・
小4 ヤスキチさん
真理が書いてありました。実践あるのみと思い、取り組んでいます。
鉄則8と9が出来ていなかったと反省しました。毎日勉強は頑張っているけれど、成績に直結しない。なんとなくモチベーションが保てないでいる。悪循環を断ち切らないと、と思いました。
算理は、鉄則9で3つ目のステップまで落とし込むこと!お子さんが頑張っているのですから、成果を出すのは親の義務ですぞ!!
小3 あーさん
[新勉強の常識」を熟読していましたが、さらに具体的な内容でしたので、やるべきことがはっきりしていたのがありがたかったです。
鉄則1は1回だけ言えば終わりと言うものではありません。何度も手を変え品を変え、子供のリアクションを観察しながら、これからずっとささやき続けてください。
小1 テディベアさん
去年の年末に購入しました。忙しい年末を終えてようやく読むことが出来たのは年明けからです。ページ数は薄いけど、親にとって子どもの学習とのかかわり方を、簡潔に要点をまとめて教えていただけることは、とてもありがたいことだと思っています。
正直、「子どもの勉強を見てあげられる親なんて、せいぜい小学生までの子どもか、学歴の高い人たちだけだ。後は塾にお任せが普通だろう」と考えておりました。
ですがかわいい一人息子です。自分の中学、高校時代のような思いはさせたくないと強く願っています。鉄則はどれも納得のいくものばかりでした。
仮にお任せしても結果を受け止めるのは本人であり、親です。後悔のないようにするために今からやっていきましょう。ご自身の経験をよくよく思い出し、それをつぶしていくのが一番ですよ!