こんにちは、ストロング宮迫です。
あっという間に春休みが過ぎようとしています。暖かいので入学式までは桜が持ちそうにもありませんね。
この時期は多くの方から親技卒業メールが届く季節でもあり、新しい学年、新しい学校でどういう方針で行こうかと悩むメールがたくさん来る季節でもあります。
1つ、入りたくてもたいていは入れない超難関校に合格された方のメールを紹介しましょう。
我が家の下剋上受験
こんにちは。以前メルマガで紹介された希です。
ストロング先生、タイガー山中先生に報告&お礼が言いたくてメールさせて頂きました。
うちの子、難関●●高校に合格できました!
ふり返ると小6からの受験生活で4年は長い様で短かったです。当時、国立中学を受験させたかったのですが、うちの子はまだ精神的にも幼く、偏差値レベルも低かったので、地元の公立中学に行く事にしました。仲良かった友達は人気の私学に進学し、寂しいやら羨ましいやら複雑な心境。
地元中学は全国平均に比べると中の上と聞いてたので、そこでも良いかと思っていたのですが、実際はそうでもなくスローペースで学習面は今一つでした。
近所のママ友が自分の子に「あそこはアホばかりだから行ったら駄目」と言っていると聞いた時はショックでした。
…私、うちの子をそんな所に行かせたの?…(TдT)
同時に、ここからでも頑張ったらそこそこの所に行けるという事を証明してやろう!という決意に燃えました。🔥
当初、公立のトップ校目指してましたが、●●高校入学説明会に参加して、子どもがそこに行きたいと第一志望校を変更!
グットタイミングで塾からはそういう所に対応したクラスからお誘いが来ました。思いが強くないなると引き寄せられるんですね。理数は得意でしたが、偏差値ドン底の大嫌いな国語をあげる必要が(+_+)
でも、頑張りました!
ひたすらそこを目指して大量の宿題をこなし、公立中学の中間期末テストも塾の勉強も頑張りました。
睡眠不足で蕁麻疹は出るわ、蛋白尿はおりるわ、視力は0.1位まで激落ちしました(ToT)
入試数日前、私立の受験練習校も合格し、合格の波に乗ってました!
もう勉強はうちの子はこれ以上は無理。これで駄目なら仕方が無いと諦められる。やれる事はやったので、もう合格でも不合格でも悔いはありません。そんな気持ちでした。
合格発表で受験番号を見つけた時は感動で大喜びでした\(^o^)/
公立中学の先生達は、まさかこの中学からそんな所に行くとは思われてなかったので驚かれました。ドン底の成績の教科があっても、行きたい気持が強ければ、食らいついていく気持があれば夢は叶うのですね☆
受験を振り返って、親技は本当に助けられました。
10の鉄則、30点上げよう会、公開テスト対策、親カツ前期後期は中2から始め、塾との関わり方も大変参考になりました。
ストロング先生、タイガー山中先生、本当にありがとうございます。
この春、下の子が中学校入学です。なんと「あそこはアホばかりだから…」と言ってたママ友の子も同じ中学に入ります。又、そんな風に言われない様に親技を使って勉強では手強い下の子を良い方向に導けたらと思っています。
我が家にとって親技は教育の指針です!なので、大変だと思いますが、頼りにしている先生方のメルマガ続けて下さいね。
長文になり申し訳ありません。お身体ご自愛下さい。
これくらい勉強しても入れるかどうか保証はできないくらいの高校です。おめでとうございます。
入試前に「これで駄目なら仕方が無いと諦められる。やれる事はやったので、もう合格でも不合格でも悔いはありません」、こう思えたことがいちばん素晴らしかったとボクには思えます。
世の中には「その時にはどんなにしても手に入らないもの」っていうものもありますから。
でも、手に入るか入らないかはいつもここで書くように「結果でしかない」んであって、「悔いはない」と思えるところまでやり切れたかどうか。そうしようと思っても親子ともなかなかそこまで追い込めないのが現実ですからね。
親技卒業の方はもう終わりですけど、これから受験に向かって行く方には「受験では2つのことが試される」ってことを肝に銘じてほしい。
ただこれはね、結果なんかどうでもいいよって話じゃないんですよ。誤解しないでほしいんです。
子供には勉強寿命があるからね。負け続けてそれでも誇りをもって・・・というのもこれまた現実的じゃないから。
時々スポーツとかであるじゃない「0対100」とかの点差がつく試合がさ。そういう試合ってたいがい話題になってマスコミなんかは「それでも選手たちは最後まで歯を食いしばってやった」とか、どちらかというと「やりきったこと」を褒めたたえるようなことを書くけれど、やってる本人たちは地獄ですから。
「0対100」の試合をやり切ったのは、タダの惰性でしかない。慣性の法則に従っただけでね。そこに「マジ」はもうないんですよ。
そんな地獄、やる前からだいたいわかってるんだったら、やらないことです。そんな点差がつく試合を無防備に子供にやらせちゃいけない。子供を虎の前に立たせて「立ち向かえ!逃げるな!」とかムチャ言っちゃいけません。
時間をかけてね、準備して、小さい成果を出しながら、徐々にデカイ相手に向かって行く。なにか意図があって「勝算なき戦い」に挑むことはあるけれど、基本的には勝算のある闘いをやらせないと、子供には闘う意味がわからないからね。
で、その準備をしていくときにこの時期多くの方が悩むのが子供に対して自由か、それとも管理かって問題です。
先の紹介したメールの希さんの行く学校は自由な学校です。自由な学校っていうのはハードルが高いってことです。自由ゆえに厳しいってことです。自由な学校では差の開き方がメチャクチャ早い。あっという間だ。
だから親技では中高一貫生から後輩へのアドバイスも紹介してる。
だから、希さんに対しては「おめでとうございます」と同時に「これからはさらにタイヘンですぞ!」っていう気持ちがごちゃ混ぜになった言葉しか出てこない。
レベルの高いところで結果を出し続けるのは並大抵ではないけれど、頑張ってほしいですな、引き続き。
なんでここでは繰り返し「結果でなく過程を大事に」とか力説しているのかというと、たとえばこんな話、似たような話をどこかで聞いたことがあるはずなんです。
たとえば・・・
寺山修司著『馬敗れて草原あり』より
たとえば、生物学機械論的理論を排したところから、さまざまな神経症を取り扱っている精神分析学者メダルド・ボスの≪Daseinanalyse≫(現存在分析)を読むと、エリッヒ・クロツという男が、ただ一度、十一歳のとき読んでいた叙事詩を、父に嘲笑されたことから空虚になり、その空虚への恐怖からのがれるために事物と対象の世界に突進し、金をもうけ、周囲の世界を征服し、打ち倒し、競争に勝つことと、権力を手に入れることにだけのめりこんでいった経緯がしるされてある。
似たような話、聞いたことありますよね?
事業での大借金からの大逆転再生物語とか、失恋から見返してやるぞの人がうらやむ結婚話とか、入試での不合格からのなんとか・・・とか。
失敗は成功の母っていうし、たしかにその通りなんだけれど、ボクは子供たちにあまりにも過度な失敗は薬が効きすぎるから気を付けてねって思ってます。
大失敗をしてそこからの再生の物語は聞いててもおもしろいし、共感もできるんだけれど、それも程度の問題なんじゃないかと。
再生すればいいけれど、やらされた試みに不甲斐ない失敗をしてそのまま無気力になったとか、リベンジの気持ちが沸々と湧いてものすごいエネルギーを発揮したとか、「0対100の試合」は、子供たちの中に両極端なものをうみ出すんじゃないか。
マイナスにしてもプラスにしても、強いエネルギーは必ず「歪み」を発生させます。だれにだって歪みはあるけれど、ひどい歪みは結果の出し方にも歪みを生じさせやすいですから。
この寺山修司さんの文を読んで大いに興味が湧いて、メダルト・ボス著『精神分析と現存在分析論』って本も読んでみたけど、この本にはこの話は載ってなかったので、たぶん違う本に書かれているんだろうから、この話のこれ以上の詳しいことは分かりません。
でも、子供は「たった1回の父親の嘲笑」で人生の進む道を決めてしまうくらい繊細です。で、その向かう道の恐ろしいこと・・・これは間違いなく地獄への道。
ボクは子供たちに末永く努力を継続してほしい。ずっとずっといつまでもいつまでも頑張り続けてほしいって思ってるから、この手のなにかの事件や失敗をテコにしたリベンジの道は極力ススメナイ。
ジワッとでいいから、末永くやり続けられる量を死ぬまで!死ぬまで見てやることはできないので、そういうことをわかってほしいんだってことを子供たちに伝え続けてる。だから、一発逆転の合格話は、そのあとのことを考えるとリスクのある話だと思って聞くことにしています。
だって、入試が終わったら「終わり」じゃないんですから。違います?
あとはその「ジワッとでいいから、末永くやり続けられる量」をできるだけ大きくすればいいだけの話。同じ学年でも「末永くやり続けられる量」が「5」の子供と「100」の子供がいます。すなわち普通のレベルが違うってこと。
だからジワッとでいいから、末永く・・・はなんだかラクなようだけど、継続するのはなかなかきついんです。
そのあたりをね、新学年になったところで親の方に考えてもらって、できるだけ考え方にリベンジのゆがみや見返してやるぞのテコを効かさないで、淡々と日々頑張ることができるようにしてもらいたいなと桜の葉が散っている頃にいつも思うのであります。
[親カツ(後)] メンバーさんからの報告
小6 amamaさん
長きにわたりお世話になりました。
報告遅くなりました。今年W受験で、ようやく上の子の大学進学先が決まって、気持ちの整理がつきましたので書かせて頂きます。
下の子の中学受験は第三志望への進学という形になりました。
第一志望公立一貫校とその他私立という位置づけで臨みました。公立と私立で対策が違うので、どこまで公立に寄せるか悩みましたが、可能な限り第一志望に寄せました。
点数開示をして昨年繰り上がっていた点数が取れていたので目標は取れたねと満足感があり、力を尽くしたという思いです。
下の子には受験する学校全ての良いところを伝えてきましたし、結果塾で一緒だった友達の多くが同じ中学に進学することにもなり、前向きにとらえているようです。
でも、繰り上がりを待つ中で緩やかにあきらめていく日々を過ごし、涙を流すこともなく、作文の得意な友達がちょっとの準備で合格していったのを見て、心中はどうなのかわかりません。これからも見続けていきます。
親技のおかけで、入試後どんな気持ちになるのか、悔いのない受験にするために何をすればいいか前もって予測して動くことができました。ありがとうございました。
19歳の上の子が小学生の頃から読み続け、二人とも優勝には届かなかったけれど、そのままだったら見ることのなかった景色を見せることができたと、頑張らせることができたと思っています。
試行錯誤しながら充分に関わったことには満足しています。これで親技卒業としたいと思います。本当にありがとうございました。
親技、ご卒業おめでとうございます。そしてホントに長い間ご苦労さまでした。心よりお祝い申し上げます。
ご丁寧なメールをいただき、これを読んでくださるamamaさんに続く「後輩たち」がこの文面を励みに親技をこれから駆使されていくことになると思います。
下のお子さんはまだ目が離せないと思いますので、上のお子さんの経験を生かして、よりより中学高校生活になることをお祈りしております。
ありがとうございました。